オシャレで流行に敏感な人は、アパレル業界で働きたいと考えることがあるでしょう。
一見すると華やかな業界ですし、いつかは憧れている人は多いと思います。
ただ、実際に仕事として取り組むとなると、どのようなキャリアを構築するべきなのかを考えなくてはいけません。
あまり給料が高くない業界ですから、役職を上げていかなければ満足のいく給料をもらうことは難しいでしょう。
しかし、アパレル業界での理想的なキャリアパスを知っている人は、あまり多くないはずです。
ショップ店員としての働き方ぐらいしか、一般には知られていませんよね。
ここでは、アパレル業界のキャリアパスについて紹介します。
目次
キャリアアップできない人の特徴
受動的で自分から仕事を見つけることができない
アパレル業界のキャリアパスについて語る前に、そもそもキャリアアップをしていけない人の特徴について解説したいと思います。
まず一つが、受動的であるということです。
キャリアアップをできないほとんどの人は、自ら考え動く能力が欠けているため、キャリアアップをするための成果を出せる仕事にありつけません。
その結果、仕事を他人から任される一方となります。
誰かに任せたい仕事は、だいたい地味できついものばかりで、会社から認められる成果を出せるような仕事は回ってこないでしょう。
そのため、いつまでも雑用ばかりやっていて、キャリアアップができないのです。
自分の成績が最優先で部下や後輩を指導できない
キャリアアップをしていく上で大きな壁となるのが、マネジメントです。
役職がつくということは、組織で成果を出すことを求められているということであり、必ずマネジメント力が必要になっていきます。
しかし、キャリアアップができない人は、プレイヤーとしての自分の成績を伸ばすことばかりに頭が行くことが多いです。
そのため、部下や後輩を指導できないことで組織としての成果が最大化されないため、役職を上げられるような成果を出すことができません。
後進の育成やサポートに回ることができなければ、それ以上の出世は難しいでしょう。
店舗の売上目標や自分が目指すべき数字を理解していない
キャリアアップをしていくというのは、目標を持ってその目標を達成し続けるということでもあります。
アパレルにおける目標といえば、店舗の売り上げでしょう。
プレイヤーとしては自分自身の売り上げですし、視座を少し上げればプレイヤーだとしても自分が所属する店舗の売上目標達成のために動くはずです。
しかし、キャリアアップができない人は、店舗の売上目標や自分の売上目標を理解していません。
目標から逆算して努力をするという動きができず、いつも何となく仕事をしているため成果が出せずキャリアアップができないのです。
行き当たりばったりの仕事では、必ず限界が来てしまいます。
売上目標を立てて日々の進捗を追いかけることで、毎月のノルマを達成できるんですね。
アパレルでキャリアアップするために必要なスキル
お客のニーズをくみ取って適切な商品を提案する能力
今度は、逆にアパレル業界でキャリアアップをするために、必要なスキルについてみてみましょう。
まず一つは、提案力についてです。
提案力と一言で片づけるのは簡単ですが、実はこの提案力をつけることは簡単なことではありません。
モノが上手く売れるのは、相手が買いたいと思ってくれる時です。
しかし、相手にどんなニーズがあるか分からなければ、買いたいと思ってもらえる商品を提案できないでしょう。
お客が一人で服を見ているときにどんな反応をしているか、その反応からまず勧めてみた一着目でどんな反応をしたのかを声や表情から判断し、最適な商品をお勧めできることで、安定して高い売り上げを上げることができるのです。
お客の心を開かせるためのコミュニケーション能力
ニーズをお客から直接聞き出したり、お店のことを好きになってもらうのに必要なのが、コミュニケーション能力です。
お客に気持ちよくしゃべっていただくには、まず自分自身のことを信頼してもらう必要があります。
信頼してもらいお客の心を開いてもらうためには、高度なコミュニケーション能力が求められますね。
ただ話を聞くだけではなく、お客が求めている情報を自分が持っていることも随所でアピールしなければなりません。
まずは簡単な雑談でお客の心を解きほぐし、距離感を縮めるといった工夫が必要です。
お客の信頼を勝ち取ることができれば、売上が立ちますし今後もリピーターになってもらうことができるでしょう。
部下を育ててスキルを伸ばすマネジメント能力
キャリアアップに欠かせないのが、先述したマネジメント能力です。
いかに優秀なアパレル店員でも、一人で売れる金額には限界があるでしょう。
会社が求めているのは、組織としての売り上げです。
そして、キャリアアップをし続けられる人材は必ず優れたマネジメント能力を有し、部下を育ててスキルを伸ばすことで、店舗全体の売り上げを上げることができます。
そうやって育てた部下が新しい店舗をマネジメントするようになり、会社全体の売り上げを上げられるようになれば、さらなる昇進も見えてくるでしょう。
具体的な営業スキルであったり、モチベーションを上げる手法であったり、部下を育てるためには多方面からのサポートが必要です。
面倒見の良さが、マネジメント能力の秘訣といえるかもしれません。
月間の売上目標を達成するための数字管理能力
最後に大事なスキルが、数字管理能力です。
アパレルでキャリアアップをしていく上で、売上数字を達成できるスキルは欠かせません。
そして、目標を達成するために、数字管理能力は必ず必要になるのです。
自分の数字、部下の数字、店舗の数字を常に管理し、目標とのギャップがあれば原因を特定し解決していくといった能力となります。
数字に強いほど定量的な分析を行うことができ、課題解決のためによりインパクトのある施策を打つことができるのです。
やはり求められるのは売上ですから、目標達成するための能力は絶対に求められます。
アパレル業のキャリアパスについて
店長の補佐を行う副店長
それでは、ここからは具体的なアパレル業のキャリアパスについてみていきましょう。
もちろん誰もが末端のアパレル店員から始めることは大前提で、そこで実績を積むことで店長補佐を行う副店長という役職になります。
副店長は店長になるための登竜門、つまり一店舗を任せることができるマネジメントの素養があるかどうかを判断されますね。
副店長は店舗に複数人おり、接客やオペレーションなど各業務単位で責任を負うことになります。
しかし、もちろん店員として個人的な売上数字も追わなければならないので、プレイングマネージャーとしての業務負荷に耐えられるのかも試されているのです。
店舗全体のレイアウトや売り上げ管理を行う店長
副店長として成果を出したら、次のキャリアが店長です。
店長はその名の通り、その店舗の売上目標の全責任を負っています。
仕事内容としても店舗全体のレイアウトを決める、店舗の売り上げ管理を行うなど、店舗全体の方向性決めや管理を行う仕事がメインです。
その店舗の責任者ですから、自分で店を運営しているのと変わりません。
プレッシャーも強くなると思いますが、その分やりがいを感じられる仕事でしょう。
地域の複数の店舗を統括するエリアマネージャー
「アパレルというと店長が一番上じゃないの?」と疑問に思う方もいると思いますが、もちろんまだまだ上には上がいます。
それが、エリアマネージャーです。
エリアマネージャーは一店舗ではなく、担当になった地域で営業するすべての店舗を統括する役割を持ちます。
売上目標が複数店舗になるため、それこそ店舗同士の売り上げを競わせたり、各店舗の施策について店長同士でディスカッションをさせてブラッシュアップさせたりと、行う仕事のスケールが大きく変わってくるわけです。
その分、よりレベルの高い管理能力も必要になりますし、のしかかる責任の重さもはるかに違います。
エリアマネージャーからは、店舗ではなく本社勤務になることが多いですね。
基本的にはデスクワークが中心なので販売には関わりませんが、大きな売り上げや責任を負うために給料も飛躍的にアップします。
ディスプレイや内装などブランドイメージを作る販促企画
また、店員とは違ったキャリアパスも存在します。
それが販促企画で、販促企画はマーケティングやセールスプロモーションと呼ばれることもありますね。
販促企画は、ディスプレイや内装などのブランドイメージを作る仕事です。
ブランドイメージを作り上げることで、自分たちが狙った顧客層に来店してもらうことをゴールとしています。
また、最近ではスマホアプリと連動させた集客施策を打つなど、販促企画が行う仕事の幅は広がっており、以前以上に面白みのあるキャリアになっているのも特徴です。
こちらもマネージャーと同じで、店舗ではなく本社勤務となりますね。
オフィスや会議室で企画立案をしてから、店舗へ行って具体的な施策を行います。
商品の買い付けを行うバイヤー
そして、アパレルに欠かせないのが、商品ですよね。
服やアクセサリなどなど、お客が欲しいと思うものを陳列させなければ意味がありません。
そこで、重要な役割を担うのがバイヤーです。
彼らはその店のコンセプトに合わせて、お客が欲しいと思うような商品を買い付けてくるのが仕事となります。
商売の鉄則は安く仕入れて高く売ることで利益を出すということですから、バイヤーはいかに安く良いものを買い付けてくるかという能力も大事ですね。
場合によっては海外で買い付けをすることもあり、世界中に飛び回ることも多い仕事です。
エリアマネージャー以上は本社勤務なので異動できるかどうかがカギ
これまでお伝えしたように、エリアマネージャーよりも上の役職は本社勤務であることが多いです。
店舗で働くのは末端の従業員ですから、いかに早く本社に異動できるかどうかが重要だということになりますね。
アパレルも店舗を運営しているだけではなく、すべての店舗を統括する本社があります。
経理、総務などのバックオフィス系の仕事や、会社全体の戦略を考える経営企画など様々です。
現場が好きだという人も多いですが、キャリアアップを目指すのであれば本社勤務は必須になります。
異動をするためには、本社のお偉い方々にアピールできる実績を出していかなければならないのです。
まずは販売員として売り上げを出しながら、副店長・店長と役職を上げることが大切ですね。
店長として仕事を認められれば、エリアマネージャーとして本社へ行くことができるはずです。
異業種へ転職するキャリアアップもある
接客経験を活かして商品企画
ただし、ここまではあくまでアパレル業界内でのキャリアパスについてのお話です。
実は、アパレルでの経験を活かして、異業種へ転職するキャリアアップも存在します。
活かせる経験の一つが、接客経験ですね。
接客をするということはお客と会話をするということですので、他のどの職種よりも直接お客のニーズをくみ取ることができます。
お客のニーズが分かれば、どういう商品が売れるのかも徐々に把握できるようになるため、優れた接客スキルを持つ人ほど、他業種の商品企画としてキャリアアップができる可能性が高いのです。
他の業種でも商品を企画するために顧客のニーズをとらえることは必須スキルですので、アパレルでの接客経験が大いに活きてくるでしょう。
コミュニケーション能力を活かした営業職
接客を通じて身につくのが、コミュニケーション能力です。
アパレル店員は日に何十人、何百人というお客を相手にしていますので、嫌でもおのずと高いコミュニケーション能力が身についています。
その能力を活かせるのが、営業職の仕事でしょう。
お客のニーズを把握し、適切な商品を提案するというのはどの業界でも同じです。
その基本が徹底されていれば、他業界でも優秀な営業職として活躍することができます。
洋服を販売するのも、不動産を販売するのも、基本的には同じことです。
営業スキルはどんな業界でも必要とされますから、転職するときの幅が広がりますね。
売る側でなく作る側のアパレルメーカー
もちろん、アパレル業界にいた経験を直接的に活かすこともできます。
それはアパレルはアパレルでも、アパレルメーカーに転職することです。
アパレルで長く販売に携わっていれば、アパレルについての知見が相当量貯まっているでしょう。
その経験を、今度は新しい服を生み出す過程に活かすことができるはずです。
販売経験があるとユーザーがどんなデザインを好むのかが分かっていますし、それはデザインを作る際にも役立てることができます。
売り手側から作り手に移る人は多いので、こういったキャリアも悪くありません。
カーディーラーや雑貨などの他業種の小売店
最後がより大きな視点で、ビジネスモデルが同じ業界に転職するというキャリアパスです。
アパレルというのはBtoC、つまり企業が個人に物を売ることで成り立っています。
そのため、仕入れて売るというモデルやノウハウは同じであり、カーディーラーや雑貨など他の小売業でもその力は大いに発揮することが可能なのです。
店舗運営のノウハウは業界が違っても似ていますし、アパレルの知識を役立てることができます。
また、アパレル業界の常識が他業界では珍しかったりするので、それを応用することで大きな成果を出すことができるかもしれません。
アパレル業界の転職なら転職エージェントを利用しよう
これまでお伝えしたように、アパレル業界のキャリアパスは決まっているので、ある程度の販売力がある人だとスピード出世も夢ではありません。
ただ、会社によっては役職ポストに限りがあるので、実績を出してもすぐに役職に就けなかったりします。
そして、アパレル業界にはブラック企業も多いですから、過酷な労働環境や低賃金で働かされている人も多いですね。
どうしても環境が良くないのであれば、転職してしまうのも良いでしょう。
アパレル業界で転職するなら、転職エージェントを利用するべきです。
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