転職で評価されるキャリアプランの考え方。企業がキャリアプランを聞く意図とは?

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転職で評価されるキャリアプラン

転職面接において、キャリアプランについて質問されることがあります。

  • 10年後のあなたはどうなっていますか?
  • これからのキャリアプランを教えてください。

こういった質問をされると、どのように答えるべきか迷う人もいるでしょう。

かなり深い質問なので、急に聞かれたら答え方が難しいですよね。
あらかじめ答えを用意しておかないと、とっさには回答できないと思います。

企業がキャリアプランについて質問するのには、ちゃんとした理由があるんです。
だから、適当に答えてしまうとマイナス印象を与えてしまいますし、企業側の意図に沿った回答ができないといけません。

そのため、自分の将来像を明確にしたうえで、すぐに答えられるようにしてください。

キャリアプランとは何か?

キャリアプランとは仕事における将来計画

そもそもキャリアプランとは何でしょうか。
キャリアプランとは、仕事における将来計画のことを指します。

子供の夢をイメージするとわかりやすいです。
例えば、「将来プロ野球選手になりたい」としましょう。

その場合は、◯◯中学に入って全国◯位に入り、名門◯◯高校に入り1年生でレギュラー、3年生でエースで4番として甲子園出場。
そして、最終的にドラフトで選ばれてプロ入りします。

これが、子供が夢を叶えるためのプランです。

キャリアプランも子供の夢と同じく、自身の理想像があり、そこに至るまでにどういう道を歩んでいきたいのかを問われているわけですね。
だから、将来の理想像を明確にしたうえで、それを叶えるためのプロセスを考えなくてはいけません。

キャリアビジョン・キャリアパスとの違い

それでは、よく耳にする「キャリアビジョン」「キャリアパス」との違いはなんでしょうか。

ビジョンとは、将来のある時点でどのような発展を遂げていたいか、成長していたいかなどの構造や未来像を意味します。

つまり、キャリアビジョンは仕事における未来像ということです。
キャリアプランとは違い、もう少し抽象的であり、プランを歩んだ先にある自分像を描くというイメージと言えるでしょう。

一方、キャリアパスとは、ゴールにたどり着くための道のりのことを指します。
仕事上の設定したゴールに対して、どのようなルートで進んでいくのかといったことですね。

キャリアビジョンを叶えるための道筋のことを、キャリアパスというわけです。

そして、キャリアビジョンとキャリアパスを含めた大きな概念として、「キャリアプラン」というものが存在しています。

キャリアプランの図

企業が応募者のキャリアプランから判断すること

企業と応募者の方向性にズレが無いか

企業は応募者のキャリアプランを聞いて何を判断したいのでしょうか。
1つは、「企業と応募者の方向性にズレが無いか」ということです。

企業のニーズと応募者の方向性にズレがあっては、応募者が入社したとしても、近い内に会社を辞めていく可能性が高いでしょう。

企業の目的は採用ではなく定着と活躍なので、方向性のズレはこの目的に沿わないことがほとんどなのです。
自社に適応できる人材かどうかを、キャリアプランから判断しています。

明確な目標に向けて努力をしているか

企業は営利企業ですので、成長をしていかなくてはなりません。
その成長には、従業員の成長が不可欠なのです。

成長していく人材は、常に目標を置いて、その目標に向かって努力する傾向が強いです。
企業はキャリアプランを聞くことで、応募者が目標を立てることのできる人か、そしてその目標に向かって努力をしている人なのかを判断します。

長期的に会社に貢献してくれるか

また、キャリアプランを聞くことで、応募者が長期的に会社に貢献してくれる可能性があるのかないのかを判断することも可能です。

応募者のキャリアプランと企業が提供できる労働環境が一致していれば、応募者が長期的に定着し努力し続けてくれる可能性は高まります。
お互いのニーズが一致すれば不満は無くなりますし、簡単に辞めたりはしないでしょう。

先述したとおり、中途採用の目的は定着と活躍ですので、キャリアプランを聞くことはその見極めに効果的であると言えるわけです。

いくら応募者のスキルと企業が求めている条件が一致していても、キャリアプランのゴールがあまりにもかけ離れている場合があります。

企業としては短期的な目線でついつい採用内定としてしまうケースもありますが、それは双方の幸せにつながるとは限りません。

応募者側も自身が長期的に活躍できる場所なのかを見極める必要があります。

ダメなキャリアプランの特徴

明確なビジョンと計画があったとしても、それが企業が求めるものと違っていれば評価されることはありません。

説得力があり企業を納得させられなければ、どんなキャリアプランでも意味が無いことを覚えておきましょう。
それでは、駄目なキャリアプランの特徴を紹介していきます。

応募した企業の業務からかけ離れている

まず駄目なのは、応募した企業の業務からかけ離れているケースです。

当たり前の話ですが、「やらなければいけないこと」と「やりたいこと」がかけ離れていては、十分なパフォーマンスは発揮できません。

たとえば、マネージャー職の求人で「営業スキルを伸ばしたい」といったビジョンを語ってもズレているでしょう。
マネージャー職では、部下を統率するマネジメント能力が求められるわけですから。

つまり、中長期的に会社に貢献してくれるイメージが持てないので、この時点で大半がNGになるということです。

漠然としていて具体性がない

次は、キャリアプランに具体性がないケースです。

具体性がなく漠然としている場合、そのキャリアプランが本当かどうかさえ疑われます。
その場しのぎで適当に考えたプランだと思われると、仕事への意欲がないと判断されるでしょう。

また、具体的なキャリアプランが立てられない時点で、論理的思考能力や計画力がないと判断されても仕方ありません。
どんなビジョンを持っていて、それを叶えるためにどんな行動をするか、という具体性が求められます。

理想的なキャリアプランの作り方

5年・10年後に実現したい目標を明確にする

では、具体的にどうやってキャリアプランを作っていけばいいのでしょうか。
まず大事なのが、長期的な目標を明確にすることです。

最初から目の前の目標から決めてしまうと、どうしても視野が狭まってしまいます。
少し先の目標を設定することで、視野が広がり、本当に自分がしたいことが見えてくるでしょう。

5年・10年後の目標については具体性も重要ですが、少し風呂敷を広げるくらいで立ててみてもいいでしょう。
やりすぎ厳禁ですが、企業も応募者の成長の伸びしろを見定めていますので、目標が高い応募者は一定評価が高いはずです。

現状のスキルや環境を把握する

次に行うことは、現状のスキルや環境を把握することです。
目標に対して自分の現状を認識するということですね。

目標に対して自分のスキルとの乖離、またその目標を達成するために今の環境で十分なこと・足りていないことを把握しましょう。

しかし、自身について客観的に正しく把握することは非常に難しいことです。
大手人材会社エン・ジャパングループが転職コンサルタントに実施した「効果的なキャリア棚卸し術」アンケートによると、具体的な手法として以下のような項目を挙げています。

  • 1年に一度は、振り返りと差分を棚卸しして、職務経歴書を定期的にアップデートする
  • 最初からまとめようとせず、兎に角、思い出すままにやってきたことと成果を絞り出す
  • できること、できないことを自分に徹底的に問う

引用:ミドルの転職

人の記憶はあいまいなものですので、定期的に文字に起こす。
そして、その際は自分に徹底的に向き合うことが重要と言えるでしょう。

ちなみに、産業人材政策室が2019年に発表した「働き手向けアンケート調査結果」によると、7割以上が「自分自身のキャリアやスキルを棚卸しした経験がない」と答えといいます。
裏を返せば、棚卸しをきっちり行えば、他応募者よりも転職活動が優位に行える可能性も高まるはずです。

3ヶ月・半年・1年・3年と目標を細分化する

5年後・10年後の目標を明確にしたのはいいのですが、では具体的に何をしていけばいいのかがわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで大事なのが、目標を細分化することです。
具体的には、3ヶ月・半年・1年・3年と細分化していくことをオススメします。

ここまで細分化すれば、キャリアプランの計画性はぐっと高くなり、企業からの評価も高くなるでしょう。

それぞれの目標達成のためにするべきことを考える

目標が細分化できたら、それぞれの目標達成のためにするべきことを考えましょう。

  • 3ヶ月後の目標を達成するために何をするか?
  • 半年後の目標を達成するために何をするか?
  • 1年後の目標を達成するために何をするか?
  • 3年後の目標を達成するために何をするか?

こういったことを考えれば、今日やるべきこと、明日やるべきことが見えてきます。
毎日の行動指針が明確になるので、かなり具体性のあるキャリアプランを作ることができますよ。

キャリアプランの回答例

最後に、具体的なキャリアプランの回答例を見てみましょう。

まず最初は、日本で最も多いメーカー(製造業)在籍者のキャリプラン回答例。
家電メーカーで働く30歳、商品企画担当の方のキャリアプランです。

「私はマネジメントとしてのスキルを磨き上げたいと考えています。そのため10年後の40歳の時点では、商品企画チームのマネージャーとして、業界でトップの商品を開発できるような人材になりたいです。

そのためには、メンバーのマネジメント能力、プロジェクトのマネジメント能力、商品企画力を挙げていく必要があると考えています。主任として約1年メンバーマネジメントに従事してきましたが、積極的な部下の能力開発を行えるスキルがまだ身についておりません。
プロジェクトマネジメント、商品企画に関しても、現状私が手がけた商品が業界トップ10に入ったことがないため、まだまだだと言えるでしょう。

まずは1年以内に、業界トップ10に入るような商品を少なくとも1つ企画すること。そして3年以内には自分の部下から一人、リーダーに昇進させることを目標に活動していきたいです。」

この方の場合はスキルの棚卸しをした結果、スペシャリストではなくマネジメントとしてのキャリアを歩んでくことを決めたパターンです。

商品企画畑でのマネジメントとしての成功を、プロジェクトとして企画した商品の業界順位で図っています。
また、メンバーの育成も目標に置き、具体的な部下の昇進目標も盛り込んでいるので、非常にわかりやすくなっていますね。

最後に、2つ目のキャリアプラン例を見てみましょう。

日本の社会問題ともなっている高齢化社会を支える、介護業界への転職を考えている方の事例です。
28歳で現状は他業界にいるものの、今回の転職で介護業界への転職をしようしています。

「私のキャリアプランは、将来的に独立をして、実業家としてキャリアを築いていきたいと考えています。具体的には、介護事業で独立を考えているため、今回介護業界を志望しました。

実は2年前にヘルパー3級の資格を取得しています。その後に将来的な独立を考え始め、資格を活かした業界で独立していきたいと考えました。現在は法人営業職に従事しているため、営業力・対人折衝能力については自身があります。

今後についてはまずこの1年で、介護領域についての知見を深めることを目標としています。現場にでて、現場の課題感を肌身で感じたい次第です。
そして、その後は5年ほどかけて、施設のマネジメントや、本社の事業企画などで、事業の企画運営能力を身に着けたいと考えています。

また、独立と言っても、企業制度次第では、フランチャイズ形式での独立も視野に入れているため、今回法人への就職を希望している次第です。」

こちらも視座が高く、一定計画性があるキャリアプランで非常に参考になります。
また、介護業界は離職率が非常に高いので、上記のような明確な目標があれば、採用企業側も安心できるはずです。

繰り返しになりますが、企業が求めているのは長期的に貢献できる人材です。
キャリアプランは、自分が応募企業に長期的に定着し、どのように貢献できるかを証明するための、最もわかりやすい根拠となります。

転職を考えている方は、ぜひキャリアプランを作り込んで転職活動に望んでくださいね!

キャリアプランに自信がないなら転職エージェントに相談しよう

ここまでキャリアプランの作り方を解説しましたが、自分が将来やりたいことが具体的に見えていない人も多いと思います。
あるいは、将来の目標はあっても、それに至るためのプロセスが分からない人もいるでしょう。

説得力の高いキャリアプランを作るのは難しいので、自力で考えられる人はかなり少ないはずです。
下手なプランを語ると逆に評価を落としてしまいますから、細心の注意を払わないといけません。

そこで、転職エージェントに相談することをおすすめします。
キャリアアドバイザーのカウンセリングを受けられるので、キャリアプランを一緒に考えてもらうことができますよ。

自分に合った仕事が分からないという人でも、カウンセリングを受ければ適性を把握して将来のビジョンを明確にできるはずです。

条件に合った求人を紹介してもらえますし、応募企業に適したキャリアプランを考えるため内定をもらえる確率も大幅にアップします。
転職を成功させたいなら、転職エージェントは絶対に利用するべきですよ。

以下のエージェントは、実績が高くて当サイトでも人気があります。
無料で利用できますから、転職を考えている人は相談してみると良いでしょう。

リクルートエージェント

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マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
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特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
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業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。

かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。

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