大学を卒業して会社に入ったとしても、そこで終わりではありません。
社内でも厳しい出世競争がありますから、勝ち上がることができなければキャリアアップすることはできないわけです。
転職によってキャリアアップする方法もありますが、一つの会社で長く勤め続ける方が管理職のポストなどに就きやすくなります。
仕事で結果を出すことはもちろん、社内異動や転勤をうまく使うことにより、理想的なキャリアを構築することができるでしょう。
今回は社内出世を目指す人に、社内異動・転勤をキャリアアップにつなげる秘訣について解説します。
目次
異動・転勤でキャリアアップすることはできる
複数の部門や拠点を経験すれば社内でのゼネラリストになれる
一つの会社で働き続けても、得られるスキルには限界があると思われがちです。
でも、少し視野を広く持つことができれば、色々なスキルを身に付けることができます。
異動や転勤をすることで、全く違った業務を経験することができるので、スキルの幅を広げることができるでしょう。
社内の様々な業務に精通することにより、社内での自分の地位を築くことができますね。
つまり、複数の部門・拠点を経験することで、その会社におけるゼネラリストになることができ、どの部門・拠点からも重宝される人材となることで社内における人材価値が上がるのです。
また、様々な種類の社内コネクションを作ることで、将来出世できるかどうかというときに思わぬ後押しを受けることができるかもしれません。
将来的な出世を条件に地方転勤になることも多い
転勤によって複数の拠点で人脈を構築すれば、それは自分の将来において良い影響を与えます。
なぜなら、各拠点のトップというのはその会社の古株であることが多く、本社の上層部とも予想外に強いコネクションがあったりするからです。
拠点で成果を出すことで拠点のトップに気に入られれば、将来出世がかかった大一番で後押しをもらえることもあるでしょう。
特に、大手企業では出世する人は、一度は地方転勤を経験させるケースも多いです。
つまり、将来的な出世を条件として、あまり希望する人がいない地方勤務という重たい仕事をやり遂げさせるわけですね。
地方転勤というとネガティブなイメージを持たれがちですが、誰もやりたがらないからこそ自分が経験することで社内での評価を高めることができるでしょう。
今の仕事で結果を出せなくても他部署では活躍できることもある
加えて、異動・転勤を経験することは、その分新たなチャンスに恵まれるということでもあります。
たとえば、今の仕事で能力を活かしきれずに結果を出せなくても、異動・転勤をして別の分野に仕事を行うことで、それまで以上の活躍ができるかもしれません。
現状が思ったように行っていない人ほど、積極的に異動・転勤に名乗りを上げることで、思わぬチャンスを掴めることがあるのです。
転職するのはリスクが高いですが、社内異動ならノーリスクで新しい環境へチャンレンジできます。
自分の隠れた才能を発揮できる可能性があるので、挑戦してみる価値はあるでしょう。
社内でキャリアアップを目指すなら転勤・異動は悪くない選択肢
社内でキャリアアップを目指す場合、転勤・異動をするという選択肢はプラスに働くことが実は多いと言えます。
転勤・異動というのは、ときに会社がテコ入れをしたかったり、人材難で困っている部署の補強のために行われたりもするので、進んで転勤・異動を受けいれることで会社に恩を売ることも可能です。
会社への忠誠心を示すには、もってこいの機会なんですね。
自分から率先して転勤を願い出ると、上司に対するアピールにもなります。
転勤・異動によって獲得したいスキルを明確にしておけば、無駄足になる可能性も低いでしょう。
ジョブローテーションを積極的に行う企業は多い
数年ごとに他の部署へ異動させて従業員のスキルアップを狙う
実際、明確な意図を持ってジョブローテーションを積極的に行う会社は多く存在します。
その主な意図の一つが、従業員のスキルアップです。
仕事で成長するためのポイントは、「モチベーション」と「チャレンジ」の2つがあります。
同じ仕事をしていてもモチベーションが高い人のほうが視座が高く、常により高いレベルで仕事をしようとすることで、自身のスキルを他の人よりも早く伸ばすことが可能になるわけです。
また、自身が経験したことのないことにチャレンジする機会を増やすほど、不測の事態への対処がうまくなるとともに、自分の頭で考えて動ける人材になるため、ビジネスマンとしての市場価値が上がっていきます。
しかし、この観点から考えたときに、ずっと同じ部署で同じ仕事を続けることは決していいことではありません。
人間は怠惰な生き物ですから、必ず飽きが来て仕事へのモチベーションも下がり、チャレンジもしなくなってしまいます。
そのため、会社は数年ごとに他の部署へ異動させることで、新たな環境・仕事を与えることで、モチベーションを改善しチャレンジする機会を作り出しているのです。
その人に向いている部署が見つかれば生産性が上がる
また、人には適性があり、上手くできる仕事とできない仕事が存在します。
手先は不器用でも人とのコミュニケーションが上手い営業マンタイプもいれば、他人と目を合わせて会話ができなくても車の部品を作らせれば右に出るものがいない技術者タイプの人もいるでしょう。
この様に、強みは人それぞれですが、必ずしも上記のように強みがわかりやすい人ばかりではありません。
だからこそ、ジョブローテーションを繰り返すことで、その人が真価を発揮できる部署を探すのです。
もし、全員が全員、自分に本当に合った仕事に就くことができれば、組織としての生産性は遥かに高くなります。
適材適所のポジションを見つけるために、積極的に従業員を異動させる企業は多いですね。
多くの部署で交流が増えて社内のコミュニケーションが活発化する
また、ジョブローテーションを増やすということは、従業員がより多くの社内コネクションを作ることができるということです。
社内コネクションが増えるほど、部署を超えた交流の機会が増加し、社内のコミュニケーションは活発化され、組織としての結束は高まっていきます。
もし、ジョブローテーションがなければ、従業員が部署内だけのコミュニケーションで完結し、他部署とのコミュニケーションが減少してしまうでしょう。
その結果、仕事上のコミュニケーションも上手く行かなくなり、事業が上手く回らなくなってしまう危険性も出てくるのです。
社内の全体像が明確になるので無駄を省いて効率化できる
ジョブローテーションにより部署内で留められていた多くの情報が、部署外にも共有されるようになります。
その結果、社内の全体像が明らかになり、それぞれの部署が本当に適性に機能しているのか、また会社全体として適性に機能していたのかが分かるようになるんですね。
特に、その部署内だけで完結しようとしていた仕事が、実は他部署と連携することにより、より効率よく仕事ができることがわかるなど、社内コミュニケーションが取れていなかったことによる弊害も見える化されるのです。
このように、社内を循環させるメリットが多いため、異動や転勤を積極的に取り入れる企業が多くなっています。
社内で異動するときの注意点について
現在の仕事を疎かにしてはいけない
ただし、社内異動をするときに、気をつけなければならない点がいくつかあります。
まず一つに、どのようなときでも現在の仕事を疎かにしてはいけないということです。
今の仕事が上手く行っていないときほど、その理由を周りのせいにし、社内異動で自分に適した仕事が見つかるはずだからと、仕事を疎かにしてしまう人も少なくありません。
しかし、今行っている仕事に集中できない人間は、社内異動をしたからといって成果を出せるようには絶対になりません。
あくまで全ての仕事に全力を尽くしながら、たまたま社内異動で自分に合った仕事に出合えるからこそ、本当に大きな成果に結びつくのです。
また、適当に仕事をしていたのでは、上司からの信頼を無くしてしまいます。
中途半端なままで異動しても、余計に評価を落としてしまうだけでしょう。
なので、今の仕事は責任をもって、最後までやり遂げるようにしてください。
人間関係を理由に異動しても成長できない
また、人間関係を理由に異動することは、辞めた方がいいでしょう。
仕事で成果を出すためには、周囲との協力は不可欠です。
それは、より大きな仕事にチャレンジしようとするほど顕著になります。
どの部署に異動しようとも、自分が苦手とする人は一定の割合存在するものです。
人間関係を理由に異動する人は、新しい部署でも結局上手に人間関係を築くことができません。
もし、より大きな成果を出すためにビジネスマンとして成長をしていきたいのなら、人間関係を築くことから逃げてはいけないのです。
コミュニケーションは何処へ行っても必ず必要になるスキルなので、逃げずに克服できるように努力をしましょう。
何を得たいのかという目的がないと異動する意味はない
もし自分から進んで異動する場合、異動したその先に何を得たいのかという目的が必要です。
「なんとなく今の仕事に飽きたから」などという理由で異動をしていては、せっかくの異動というチャンスが無駄骨に終わってしまいます。
スキルなり経験なり、常に新しい目標を置くことで、異動というチャレンジが意味をなすのです。
新しい環境に入ったときには、慣れないことばかりで仕事に追われただけで毎日が過ぎてしまいます。
ちゃんと目的意識を持っていないと何も得られなくなるので、何のための異動なのかを頭に入れながら仕事に取り組んでください。
同僚に迷惑を掛けないために引き継ぎをちゃんと行う
異動をするということは、現在の部署から戦力が一人抜けるということを意味します。
自分が異動をするからといって、必ずしも新たに他の部署から異動をしてくるとは限らないからです。
そのため、異動をするときは、現在の部署の同僚に迷惑をかけないよう、丁寧に引き継ぎを行うことが重要になりますね。
よくある最悪のケースは、もう自分には関係ない部署だからといって、引き継ぎをおざなりにすることです。
部署には多大なる迷惑をかけるとともに、引き継ぎが雑なことは相当な悪評となりタブ所にまで情報が出回るため、知らぬ間に社内での評価が下がっている可能性が高くなります。
自分が抜けた後も業務が円滑に回るように、引き継ぎマニュアルを作成するなど、ちゃんとした配慮が必要になるでしょう。
欠員補充のための玉突き人事だと希望する仕事ができないことがある
異動が必ずしもプラスにならないケースがあることも覚えておきましょう。
たとえば、異動は異動でも、誰かの退職に伴う欠員補充で異動するのがこのケースに当たります。
この場合は、いわゆる玉突き人事というやつで、その場しのぎの応急処置扱いで人員補充を行っているわけです。
業務を回すことだけが目的なので、異動する人材の希望が考慮されません。
希望する仕事に就けない上に、組織としても長期的なキャリアを考えた上での異動ではないため、本来の異動のようにキャリアにプラスに働かない可能性も高いというデメリットがあります。
異動を命じられた時には、会社がとういう意図を持っているのかを必ず確認してください。
異動によるキャリアアップを成功させるコツ
数年後にどうなりたいかというビジョンを明確にする
それでは最後に、異動によるキャリアアップを成功させるためのコツについて解説します。
まず大前提として大事なのは、数年後にどうなりたいかというビジョンを明確にすることです。
ビジョンを明確にすることで、自ら希望して異動する際に適切な異動先を申告できるようになります。
また、もし会社が独断で異動先を決める場合でも、普段から自分のキャリアビジョンを周囲に伝えておくことで、会社側もそのビジョンに沿った異動を考え実行してくれる可能性が高くなるでしょう。
ゴールを決めずに走り出しても迷ってしまいますから、最初にビジョンを決めるようにしてください。
今の経験が他の部署でどのように活かせるかを考える
異動するにあたっては、「それまでの経験がリセットされるものではない」ということを念頭に置いておきましょう。
会社としては他部署で働いていた人材の新しい視点を入れることで、その部署の凝り固まった考えを壊し、部署としてより大きな成果を上げることを期待しています。
つまり、もしあなたが異動をしたときは、それまでの経験を異動先の部署で活かすことで組織としての成果を最大化し、あなたのキャリアアップを成功させることに繋がるのです。
異動先の部署の方針に盲目的に従うのではなく、自分の経験で効率化できることは積極的に提案していってください。
それが会社にとっても自分にとっても、いい影響を与えることになるはずです。
プライドを捨ててゼロから学ぶ姿勢を持つ
異動という機会を得たにも関わらず、成果を出せずキャリアアップできない人の典型例として、それまでの成果に固執してしまうことが挙げられます。
「自分は前の部署では、○○の成果を出していた」というプライドから、新しい部署でも偉そうに振る舞い、教わる姿勢を見せることができないタイプです。
しかし、社内異動とは、他業界への転職と近しいものがあります。
携わる商材も異なれば、仕事のやり方も今までとは全く違うわけです。
そのため、プライドを捨ててゼロから学ぶ姿勢を持つことのできるようにならなければ、異動先での成功は叶わないでしょう。
自分の経験を活かして他の部署で力を発揮することも大切ですが、その環境で新しいスキルを身に付けることも大切です。
ですから、頑固に自分のやり方に固執するのではなく、臨機応変に対応できるようにしてください。
社内でキャリアアップが望めないなら転職をしよう
異動や転勤によって新しい経験を積むことができますが、それは全国に拠点があるような大企業だけです。
中小企業だと支店がないことが多いですし、異動するほどたくさんの部署が無かったりします。
また、その業界自体に興味が無いのであれば、働き続けても意味がありませんよね。
他に興味のある業界があるのなら、転職するしか方法はないでしょう。
そこで、転職エージェントを利用することをおススメします。
キャリアアドバイザーが担当についてくれるので、求人の紹介から応募書類の作成、面接対策までをやってもらえるわけです。
自分の希望を伝えるだけで、それに合った企業を紹介してもらえるので、自分のやりたい仕事に就くことができますよ。
自分のスキルを活かせる企業に出合えれば、キャリアアップも容易にできるでしょう。
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