短期間で転職を繰り返す人は、「ジョブホッパー」と呼ばれます。
海外では転職することが当たり前ですが、日本だとコロコロと職を変える人は、根気がない人間というレッテルを貼られがちです。
ジョブホッパーは良い印象を持たれにくいので、じっくりと腰を据えて働ける会社を見つけなくてはいけません。
同じ会社で長く働いた方がスキルが身に付きやすいですし、将来のキャリアアップにも繋げることができるでしょう。
転職回数が増えるほど内定が取りにくくなるため、早い段階で自分に合った会社を見つけることが大切ですね。
今回は、そんなジョブホッパーが転職を成功させる秘訣について解説します。
ジョブホッパーとは
短期間で転職を繰り返す人をジョブホッパーと呼ぶ
改めてもう少し詳しく、ジョブホッパーとは何なのか確認してみましょう。
ジョブホッパーとは、短期間で転職を繰り返す人のことを指します。
しかし、「短期間」「繰り返す」とあるものの、期間や回数についての明確な定義はありません。
仕事の大きなサイクルは1年ですので、1年以内に退職・転職を繰り返すことをジョブホッパーと呼ぶこともあれば、「とりあえず3年」と言われているように3年も立たずに退職・転職を繰り返していてもジョブホッパーと呼ばれることもあります。
一般的には、3年以内の転職が続いていると、良い印象を持たれないといえるでしょう。
長続きしない人と評価されるので選考で不利になりがち
それでは、なぜジョブホッパーは採用市場において嫌厭されてしまうのでしょうか。
まず大前提として、企業は採用をすること自体をゴールとしていません。
あくまで採用が成功だったといえるかどうかは、採用した人が中長期的に自社に定着し、活躍してくれるかどうかです。
採用活動自体には、多くの費用と社員の時間を割いています。
そのため、採用した人がもしすぐに辞めてしまうと、会社としては大きな損害となるのです。
その観点からジョブホッパーを考えてみると、「またすぐに辞めてしまうのではないか」という不安がどうしてもつきまといます。
その結果、ジョブホッパーであるというだけで、即採用対象外とみなされてしまうことも多いのです。
キャリアが浅くスキルも不足していると評価されることもある
在籍期間が短いということは、そこまで責任のある仕事を任されてこなかった可能性が高くなります。
なぜなら、どの会社でも最初の期間は会社に慣れる期間であり、基礎的な仕事しか任されません。
3年働いて一人前とされることが多いため、3年以上の在籍期間がないと重要なポジションは任せられにくくなりますね。
なので、ジョブホッパーは未熟者だと思われてしまって、重要な戦力とは思われないのです。
書類選考や面接でうまくアピールしなければ、内定をもらうことは難しくなってしまうでしょう。
ジョブホッパーになる原因
コミュニケーションが苦手で職場に馴染めない
それでは、なぜジョブホッパーになってしまうのでしょうか。
その一つとして、コミュニケーション能力の欠如が挙げられます。
会社に長く定着できるかどうかの大事な要素の一つが、会社に馴染むことができるかということです。
学生時代は自分の好きな授業を取って、自分の好きな人達とだけコミュニケーションを取っていればよかったかもしれませんが、社会人生活はそうはいきません。
自分の苦手な人、嫌いな人とも協力し、仕事を成功させなければならないのです。
しかし、中にはどうしても上手く周囲とコミュニケーションが取れないがゆえに、職場に馴染めずに、会社を去っていく人たちがいます。
彼らは次の職場こそはと思いながらも、根本的にコミュニケーション能力が低いため、どの職場に行っても馴染めずに会社を転々としてしまうのです。
仕事への理想が高すぎてどの職場でも満足できない
中には仕事への理想が高すぎるがゆえに、転職を繰り返してしまう人もいます。
こういったタイプの人たちは、「成長」「やりがい」などを職場選びの優先順位に置いているため、職場に高い理想を抱いています。
常に現状に満足すること無く、高みを目指しているのです。
一見すると、非常に良いことに思えますが、その理想の高さゆえに、すぐに職場に不満を抱くようになります。
「仕事内容のレベルが低い」「同僚の質が低い」などの不満を抱えるようになり、もっと自分にふさわしい仕事があると言っては、退職・転職を繰り返してしまうのです。
間違った理想を追求すると、「無いものねだり」の状態になってしまい、いつまで経っても満足することができません。
自分が会社に合わせられない限り、永遠に転職を繰り返すことになります。
自分の欠点を克服できず同じ理由で退職を繰り返す
自分の欠点を克服しきれずに、退職を繰り返してしまう人もいます。
たとえば、よくあるのが、仕事のサボりぐせが治らない人です。
どうしても朝起きるのがおっくうだったり、仕事をしているフリをして休んでいたり、仮病で休んだりと、その怠惰な性格を直せずに、どの職場でも勤務態度の悪さから評価が悪くなり退職せざるを得なくなります。
こういった人は、自分がなぜ退職することになるのか分かっていても、それを克服しようとする気概も能力もなく退職を繰り返してしまいますね。
ジョブホッパーの中にも優秀な人は多い
気持ちの切り替えが早くスムーズに次へ進める
ここまでは、ジョブホッパーに対するネガティブな部分に焦点を当てましたが、ジョブホッパーが必ずしも能力がないわけではありません。
実は、できるジョブホッパーも一部存在するのです。
まずジョブホッパー自体が、気持ちの切り替えが早い方が多く、良い意味で成功も失敗も引きずらないため、新しい仕事に取り組んでいく能力が高いことが挙げられます。
失敗をしたことにいつまでも気分が凹んで仕事にならないといった弱さがなく、精神的にフラットな状態を保つことに長けているのです。
嫌な環境に長くいないので精神的な負担が少ない
ジョブホッパーの人たちは、良くも悪くも精神的に自分を追い込むような環境を避けています。
そのため、精神的な負担が少なく、常にフレッシュな気持ちで仕事に取り組むことができるわけです。
世の中には優秀だからこそ精神的に疲弊してしまっていて、上手くパフォーマンスが出せない人や、時には緊張の糸がプツリと切れてしまって長期的に仕事を休んでしまう人もいます。
そういったストレスを抱えることが少ないため、ジョブホッパーは心身ともに健康に働くことができますね。
自分に合った環境を見つけることさえできれば、スキルを存分に発揮できるはずです。
色々な会社での経験値が豊富なので引き出しが多い
また、会社を転々としているということは、様々な会社の仕事のやり方・観点を学んできていると言えます。
仕事ができるジョブホッパーほど、会社を転々とした経験をしっかり自分のものとして吸収し、様々な場面でその経験を活かすことができますね。
一つの会社で長年働いていた人は、どうしてもその会社の考え方に凝り固まりがちですが、優秀なジョブホッパーは場面によって臨機応変に対応できる強みがあるのです。
経験の豊富さを上手くアピールすれば、メリットを感じてくれる会社は多いと思います。
好奇心が旺盛で何にでも興味を持てる
ジョブホッパーは、悪く言えば落ち着きがない・節操がないと言えますが、良く言えば行動的で好奇心旺盛ともいえます。
冷静に考えれば、常に興味のある会社・仕事を探し、能動的に転職を繰り返すことのできるエネルギーを持っているということです。
全てのことに興味を持つことができるがゆえに、全てのことに熱心に取り組むことができるため、どんな仕事を任せても一生懸命に取り組んでくれる頼れる存在になりえます。
ジョブホッパーが転職に成功する方法
これまでの転職理由をポジティブに話せるようにする
それでは、ジョブホッパーが転職に成功するためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
まず一つに、これまでの転職理由をポジティブに話せるようにしましょう。
企業としては、ジョブホッパーに対して、「何か問題があるから転職を繰り返しているのでは?」という大きな懸念をどうしても持ってしまいます。
しかし、一つ一つの退職理由が全うでポジティブなものであれば、企業の不安は大きく和らぐでしょう。
- もっと裁量権のある仕事ができる会社で働きたかったから
- より成長できるために切磋琢磨できる優秀な人が多い会社が好ましかったから
など、前向きで志が高い理由で転職を繰り返しているのであれば、企業としては不安よりも採用をしたときの期待のほうが上回る可能性が高くなります。
持っているスキルや経験の多さをアピールする
また、ジョブホッパーとしての強みをアピールすることも忘れないでください。
それが、保有しているスキルや経験の多さです。
ジョブホッパーも、伊達に多くの会社で仕事をしてきていません。
ずっと同じ会社で働いている人よりも多くの経験をし、その結果、様々なスキルが身についているものです。
バリエーション豊富な経験値があれば、どんな職場にも活かせるスキルがあるでしょう。
広く浅くでも良いので、持っているスキルはしっかりとアピールするべきです。
改めて自分のそれまでのキャリアの棚卸しを行い、経験・スキルの豊富さをアピールできるようにしておいてください。
転職するたびに成長していることを証明することが重要
ジョブホッパーが転職をする上でポイントとなるのは、それまでの全ての転職に意味があったと企業に理解してもらうことです。
そのためにも、全ての転職において成長していることを証明することが重要となるでしょう。
企業はジョブホッパーに対して、マイナスの理由で転職を繰り返しているという先入観を持っています。
しかし、全ての転職で成長している事が分かれば、「転職回数=その分成長している優秀なビジネスパーソン」であるとみなされて、評価は一気にひっくり返ります。
どんな企業でどんな経験をし、それがどのように成長につながったのかを、具体的に説明できるようにしてください。
成功体験や失敗体験のエピソードがあれば、説得力を高めることができるはずです。
将来のキャリアプランにおいて今回の転職がどういう意味を持つのかを語る
企業がジョブホッパーに対して不安に思っていることの一つが、ジョブホッパーの計画性です。
ジョブホッパーというと、その時その時の感情で計画性も無しに転職を繰り返しているというイメージが付いています。
キャリアの計画性がないからこそ、また自社に入ってもすぐに辞めてしまうのではと思ってしまうのです。
だからこそ、改めて自身のキャリアプランを見直した上で、今回の転職がその将来のキャリアプランにおいてどういう意味を持つのかを語りましょう。
- 5年・10年後には、自分がどうなっていたいのか?
- 応募先の仕事を経験することで、自分の将来にどのように影響するのか?
このようなことを伝えられれば、その企業への転職の熱意が伝わるとともに、計画性をもってキャリアを築いてける人材ということが分かり、企業としても安心してあなたの採用に踏み切れるはずです。
ジョブホッパーの転職は転職エージェントを利用しよう
これまで、ジョブホッパーの転職術について解説をしてきましたが、真剣に転職活動をしても上手くいかない人が多いと思います。
どれほどアピールしたとしても、転職を繰り返しているという事実は変わらないからです。
短期間で転職をする人は、どこの企業でも敬遠しがちなので、他の応募者と比較されたときに負けてしまう可能性が高くなってしまいます。
不採用が続いてしまうと、興味のない企業にまで応募してしまい、入社できてもまた辞めてしまうといったことにもなりかねません。
そこで、転職エージェントを利用することをおススメします。
キャリアアドバイザーが担当についてくれるため、非公開求人や応募書類の作成、面接の対策なども行ってもらえるわけです。
全国の企業と深いパイプを築いているので、採用担当者に推薦してくれるのがポイントですね。
転職回数が多くても独自の強みを見つけて推薦してもらえるので、選考の際にかなり有利となります。
自分一人で活動するよりも、圧倒的に効率が良くなりますよ。
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また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
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最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
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リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
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マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
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また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
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