日本社会では新卒至上主義が根強いために、転職市場でも年齢が若いほど有利だとされています。
最近だと第二新卒というカテゴリも注目されていますから、25歳くらいまでなら転職で困ることは無いでしょう。
しかし、30代を過ぎると企業も採用に慎重になるため、急に仕事が決まりにくくなってきます。
すぐに企業に貢献できるスキルや経験が無ければ、転職で成功することは難しいと言われていますね。
ただ、これまでの経験をうまく生かすことで、大幅にキャリアアップする人も少なくありません。
企業側がメリットを感じるアピールができれば、30代でも転職市場で勝負することは可能でしょう。
なので、企業のニーズを正しく把握して、自分のスキルをアピールできるようにしてください。
目次
30代からの転職活動の実態について
転職で不利になることは無い
転職サイト「リクナビNEXT」が、30代前半で転職活動を経験した人に対してアンケート調査を行いました。
「転職活動は不利だと思うか?」という問いに対する回答が以下となります。

参照:リクナビNEXT
50.4%の方が、「不利だと感じなかった」と回答していますね。
他の会社での経験に興味を持っている会社が多いですし、年齢相応のスキルを持っていれば、30代であっても転職で不利になることはありません。
経験が不足していると感じるなら、何かの資格取得を目指しているという努力を見せることでフォローすることができるでしょう。
転職活動は3ヶ月以内が基本

参照:リクナビNEXT
転職活動の期間に対するアンケートでは、61.7%が3ヶ月以内だと回答しています。
仕事をしながらの転職活動が基本となるでしょうから、時間を有効に活用するために準備を欠かさないことが大切です。
たとえば、あらかじめ自己分析を行って自分の強みや弱みを明確にしたり、応募する企業のリストアップなどを行うようにしましょう。
面接のスケジュール調整に手間取ることが多いので、有休を申請したりといった対応も必要になってきますね。
また、退職してから転職活動を行うなら、当面の生活費を用意する必要もあります。
実家に戻るなら引っ越しの準備が必要ですし、事前にやることは非常に多いです。
年収アップも難しくない

参照:リクナビNEXT
年収に関しては、46.6%が「上がった」と回答しており、15.8%は「変わらなかった」と答えていますね。
つまり、62.4%は現状維持以上の転職ができているということです。
中には年収が下がっている人もいますが、今までのキャリアを活かすことができれば、大幅な年収ダウンは避けることができるでしょう。
このデータを見ると、高い確率でキャリアアップが実現していることが分かります。
交渉によって待遇も変わってくるので、「転職時の給与交渉の前にやるべき2つのこと」を参考にすると良いでしょう。
転職理由は前向きなものであると良い
転職サイト「DODA」が、転職活動を行った30,000人を対象にアンケート調査を行いました。
その中で、30代の転職理由ランキングが以下となります。

参照:DODA
1位は、「ほかにやりたい仕事がある」となっており、目的意識が明確な人ほど転職に成功しているという結果となっていますね。
2~4位に将来の不安や待遇面などのネガティブな理由がありますが、これらは表に出さない方が良いでしょう。
ネガティブな転職理由を評価する採用担当者はいませんし、表面上はポジティブな転職理由を語れる必要があります。
30代の人材を求める企業は増えている
若手ほど重宝される転職市場ですが、最近は30代以上の人材を優先的に雇用したい企業が増えているようです。
そういった企業側のニーズを知っておくと、転職活動は上手くいきやすくなるでしょう。
組織の足りない年齢層を補いたい
企業では新卒採用に重点を置いていますが、その年によって採用する人数が変わります。
景気や業績に応じて人件費の調整を行うため、新卒採用を抑えたりすることがあるんですね。
また、退職していく人間もいるので、特定の年代が少なくなるといった現象が起こります。
年齢層にバラつきがあると、組織体制や社内のコミュニケーションに問題が出てくるかもしれません。
なので、足りない年齢層を補うために、中途採用を行うわけです。
特に必要とされるのが、30代の中間層ですね。
20代の若手は新卒で毎年入ってきますから、それをまとめる管理職が不足している企業は多いです。
マネジメント経験がある人であれば、どこの企業からも必要とされると思います。
定年退職者の後釜を育てたい
大企業においては、60代以降の定年退職者がどんどん辞めていきます。
その後任となるのが40代・50代の管理職クラスですが、そこのポジションを育てるために30代の人材を募集することがありますね。
30代後半の役職者をヘッドハンティングすることも多く、30代の雇用に対して非常の積極的な企業があるわけです。
年齢層の高い老舗企業でのニーズがありますから、そういった企業を狙うと内定が決まりやすいかもしれません。
新規事業を立ち上げたい
富士フィルムが化粧品を製造していたり、ダスキンがドーナツ屋をやっていたり、本業とは別の意外な事業を立ち上げる会社は多いです。
今までにない新たな分野を立ち上げる時には、他社から経験者を採用することになります。
自社ではノウハウを持っていないために、そのスキルがある人を中途採用で集めるわけですね。
その際に求められるのが、30代以上の即戦力となる人材です。
すぐに活躍できるスキルを持っていたり、若手を指揮できるマネジメント能力がある人材を企業は求めます。
なので、業務拡大による大量採用などの求人があれば、内定をもらえる可能性は非常に高いといえるでしょう。
30代からの転職で成功する人・失敗する人
30代の転職で成功する人の特徴
- マネジメントの経験がある
- 他社で応用できる経験・スキルがある
- やりたいことが明確で目的意識が高い
30代の中途採用では即戦力が求められますから、入社してすぐに活躍できることが不可欠です。
なので、今までの経験から得た能力などを、分かりやすく説明できる必要がありますね。
20代の内なら熱意だけでも採用される可能性がありますが、30代以上になると具体的な実績が無くてはいけません。
自分の実績を分かりやすく端的に伝えられるようにしてください。
あとは、高い目的意識を持っていることも大切です。
「自分は○○の仕事がしたいんだ!」という強い意思があると、不採用が続いたとしても心が折れることはありません。
30代は転職市場では高齢の部類に入るので、20代と比較されてしまうと負けてしまうことが多いです。
なので、転職活動が長期化することがあります。
そういった時に、目的意識が低ければ、モチベーションが下がってしまうでしょう。
心が折れてしまって会社選びに妥協しがちですし、そこまで入りたくない会社に決めてしまって後悔することも少なくありません。
なかなか仕事が決まらなくても諦めないために、目的意識を明確にしておくという気持ちが大切ですね。
30代の転職で失敗する人の特徴
- 未経験の業界・業種に挑戦する
- コミュニケーション能力が足りない
- やる気だけしかアピールポイントが無い
何度も言うように、即戦力として期待されなければ、30代で転職を成功させることは難しいでしょう。
だから、未経験の業界や業種を志望するのは、やめておいた方が良いですね。
20代の若手ならポテンシャル採用が期待できますが、30代を超えてくると具体的な実績を持っていないと厳しいはずです。
ただ、営業スキルやマネジメント経験があるなら、他の業界からも採用される場合はあります。
これらの能力は業界を問わずに活用できますし、必要としている企業も多いです。
汎用性の高いスキルが無いのであれば、キャリアチェンジはしない方が良いでしょう。
あとは、コミュニケーション能力も、高いレベルで求められますね。
30代で転職するとなると、年下の上司や先輩が出てきます。
そういった人たちと上手く関係性を作れなければ、社内で浮いた存在になってしまいます。
採用担当者は既存社員と上手くやっていけるかも重視しますから、面接中のコミュニケーションも厳しくチェックするわけです。
明るくハキハキを受け答えができないと、30代以降の転職は難しくなります。
30代の転職活動では即戦力をアピールするべし!
企業が聞きたいのは、「入社後にどんな活躍ができるのか」ということです。
即戦力性が何よりも大切ですから、自分が貢献できることをアピールしてください。
「○○したい!」という願望ではなく、事実に基づいたアピールですね。
- どんな会社でどんな業務をしてきたのか
- その経験から何を学んだのか
- どんな実績を持っているのか
- 入社後にどんな活躍ができるのか
こういったことに対して、エピソードを交えて答えられるようにしてください。
高額商品の販売経験から、顧客に対する細やかな気配りやコミュニケーション能力を身に付けることができました。
顧客目線の営業を心がけたことで、販売成績は常に上位をキープしていましたし、お客様との信頼関係の構築には自信を持っています。
私の販売能力は、御社の売上アップに貢献できると考えております。
このようなアピールができれば、非常に説得力が高くなりますよね。
自分の経験や体験をベースに話すために、エピソードで語るということは非常に大切です。
30代ではマネジメント能力があると重宝されるので、管理職経験があるのならアピールするべきでしょう。
他者に影響を及ぼして実績を上げた経験などのエピソードがあると良いですね。
また、40代以降でキャリアアップするために、30代の内に管理職の経験ができるようにしてください。
転職時にマネージャー職を希望しておくと、将来的なキャリアに役立つはずです。
転職エージェントを利用して効率的に転職活動をしよう
30代からの転職は即戦力が求められるので、面接でいかに自分をアピールするかが大切となります。
これまで学んだスキルや経験をアピールすることで、入社後の活躍を期待してもらわないといけません。
でも、企業のニーズに合わせてアピールしないといけませんから、単に自己主張するだけでもダメなんですね。
採用担当者の琴線に触れるのは、かなり難しいといえるでしょう。
そこで、転職エージェントを活用することをおススメします。
キャリアアドバイザーによるサポートが受けられるので、企業が気に入るような応募書類の書き方や面接の受け答えなどを教えてもらえます。
また、面接日時の調整や給与条件の交渉なども代行してもらえるため、面倒なことはすべてエージェントに任せることができるわけです。
転職のプロのサポートがあれば、かなり高い確率で内定をもらえるでしょう。
好待遇の求人は転職エージェントに集まる
実は、企業は条件の良い求人を出す場合、転職サイトなどで一般募集をしません。
応募が多すぎても選別が大変なので、非公開で募集して条件に合致する人材だけで判断したいわけです。
そのため、転職エージェントには、好待遇の非公開求人が集まる傾向にありますね。
自分で転職サイトなどを見ても得られない情報があるので、転職エージェントの利用価値は非常に高いです。
全てのサービスは無料ですから、利用しないと損だといえるでしょう。
以下のエージェントなら、信頼性が高いので自信をもっておすすめできます。
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
全国に470名のアドバイザーが在籍しており、各業界・業種に精通している人材が豊富です。
最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
マイナビエージェント
マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
首都圏や関西エリアだけでなく、名古屋や福岡、札幌などにも拠点があるため、全国の求人に対応しています。
業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。