終身雇用が崩壊し始めた昨今、転職は昔よりも当たり前に行われるようになりました。
しかし、困るのが転職手法ですよね。
「転職 方法」で検索すると、選択肢が多すぎて困ってしまうのではないでしょうか。
実は、数多ある転職方法の中でも非常に有利なのが人脈を使った転職です。
人脈というと一部の方が使える非常に特殊な転職手法と思われがちですが、そんなことはありません。
今回は転職を成功させる人脈ネットワークの作り方について解説します。
人脈転職はメリットだらけ
自分の人となりが伝わっているので選考がスムーズ
人脈転職は、本当にメリットだらけです。
まず1つに、自分の人となりが伝わっているので選考が非常にスムーズです。
ほぼすべてのケースで、人脈元となる知人が選考企業に申し送りをしてくれています。
そのため企業は性格・人格を探るようなきわどい質問をする必要はなくなりますし、選考を受ける側もそういった質問が来るストレスから開放されます。
そして、よほどのことがなければ人物面の評価で不合格になることがないため、人物面評価において人脈転職は他転職方法よりも優位に立つことでしょう。
企業側もリスクが低いので内定を出しやすい
次に、企業側もリスクが低いため、内定を出しやすいというメリットがあります。
そのリスクとは主に定着率のことで、定着率が高いかどうかは、スキルと人間関係が大きく関係してきます。
スキルについては、求めていたスキルと、実際のスキルがかけ離れていた場合。
つまり、思っていたよりも仕事ができなかったというケースです。
この場合、企業からすると厳しく当たるようになったり、給与を下げることになってしまい、候補者は居心地の悪さから退職につながってしまうことが多々あります。
これが人脈経由であれば、実際に仕事を一緒にしたことがあったり、長い付き合いから仕事ができるかできないかの検討もつきやすいことが多く、スキル面の乖離による離職懸念を少なくすることができます。
次に、離職に繋がりやすいのが人間関係です。
実際のところ、数回の面接では人間の性格を知り尽くすことはできません。
そのため、いざ入社してみてもらったら、周りに全然馴染めずに辞めていったなんてお話はよく聞きます。
大手人材総合会社のエン・ジャパンが運営する人事のミカタが実施した「1500人の求職者に聞いた退職の真相!」によると、退職理由のダントツの1位が「人間関係が悪かった」です。
一概に中途入社者側に問題があるとは言い難いですが、その会社の雰囲気に馴染みやすい人間性かどうかという基準はあると思います。

参照:人事のミカタ
その点、人脈採用であれば、一定時間を共に過ごした方の紹介であるケースが多いため、その人の人間性をかなり性格に把握できているケースが多いです。
入社後の定着率を考えて、スキルのみならず人間性を把握した上で内定を出したい企業としては、人脈採用は最適と言えるでしょう。
自分では考えもしない業界や業種の話がくることもある
また、転職者側にとっての人脈採用のメリットは、自分では考えもしない業界や業種の話がくることです。
中途採用となると、どうしても即戦力というイメージが付いてしまっているため、色々な業界業種に興味があっても、つい自分自身がフィルターをかけてしまいがちです。
しかし、人脈転職の場合は、人間性込みで評価をして声をかけてくれているため、ポテンシャルも含めて誘われる場合が多いのです。
全く興味のない業界から誘いがきて、いざ転職してみるとそれが天職だったということは少なくありません。
「新しい挑戦をしたい」「いま働いている分野とは畑違いだが、昔から憧れていた業界業種がある」という方は、人脈転職を強くオススメします。
人脈で転職するときの注意点
条件が悪くても断りづらい
数多くのメリットを挙げてきましたが、もちろんデメリットもあります。
人脈で転職するときの注意点として、まず1つ目に挙げられるのが、条件が悪くても断りづらいということです。
通常の転職活動では内定を出す時に条件面も提示され、そこから細かい条件交渉に入っていくという流れです。
お金面は非常に重要なお話なので、妥協はせずにしっかり企業側と話し合う項目でしょう。
条件が悪ければ、断るのも当たり前のことです。
しかし、人脈で転職する場合、紹介してくれた知人のメンツがあるため、簡単には断れません。
その上、「◯◯さんが紹介してくれた候補者が、条件交渉の時にお金にすごくうるさかった」なんてことになったりすることは防ぎたいので、細かい交渉をするのも気が引けます。
条件が悪かったときは、四面楚歌状態になってしまうのは厳しいところです。
口約束で決めると入社後に話が違うかも
次に、口約束で入社を決めてしまい入社後に話が違った、というケースも見られます。
人脈で選考を受けるため終始和やかに話が進み、条件面のお話も口約束で簡単に決まってしまうことが時々あります。
そして、いざ入社して少し立った頃に、口約束でしていた条件と実態が違うという場合があるのです。
そこでいくら慌てても、書面でやり取りを交わしてもいないし、録音をしていたわけでもないしで、すぐに改善が望めるはずもなく、お互い気まずくなって退職となることもあるのです。
いくら人脈での転職でも、条件面などの繊細なお話は全て書面に残すことをオススメします。
早く結果を出さないとプレッシャーがかかる
次に、早く結果を出さないとプレッシャーがかかる、という注意点があります。
人脈での転職の場合、良くも悪くも転職者についての情報は、早めに転職先の企業内で広まっている場合があります。
よくあるのが、以下のようなケースです。
- 前職で●●という結果を残しているので、きっと活躍してくれる
- ◯◯さんの紹介なら優秀に違いない
上記のように期待感が高まっていると、ちょっとしたミスでもガッカリされてしまい、非常に仕事がやりづらくなってしまいます。
通常の中途採用よりもハードルは上がっていますから、何が何でも結果を出さなくてはいけません。
前職で優秀な評価を得ていた人ほど、転職後のプレッシャーが大きくなってしまうでしょう。
紹介者の顔が潰れるので短期間で辞められない
4つ目に、「紹介者の顔が潰れるので短期間で辞められない」、という点が挙げられます。
人脈の転職は、定着し活躍すれば紹介した人の評価が上がるものの、思った以上に活躍できなかったり、早期退職してしまうと紹介した人の評価が悪くなります。
そのため、いざ退職したいということになっても紹介者に話を通さなければいけませんし、紹介者に話したら引き止めにあうのが関の山です。
そうすると、さすがに紹介者のメンツがあるので、すぐに辞めるということが難しくなるのです。
人脈の範囲内だけだと選択肢が少なくなる
最後に、「人脈の範囲内だけだと選択肢が少なくなる」ということが挙げられます。
人脈転職といっても、あなたの知り合いすべてが転職のための人脈になるとは限りません。
知人の会社が人を募集していたり、知人の知人が人を募集している必要があります。
また、自然と作り上げてきた人脈ですと、どうしても所属する組織の傾向が似通ってきます。
そうすると、いくら紹介があっても同じような選択肢しか出てこなくなるわけです。
つまり、人脈のみの転職をしようとすると、選択肢の数と種類が増えなくなり、選択肢がどんどん狭まっていくということです。
自分が転職したいタイミングで声がかかるとも限りませんし、人脈を活用して転職できるケースはあまり多くありません。
転職に役立つ人脈作りの極意
異業種交流会などで他業界の人と関わるようにする
実際、転職に役立つ人脈をどうやって作っていけばいいのでしょうか。
1つ目が、異業種交流会などで他業界の人と関わるようにする、ということが挙げられます。
先述したように、意識せずに作ってきた人脈というのは、自然と同じようなコミュニティに属した人たちばかりになってしまいます。
しかし、そうすると転職先の選択肢が少なくなり、転職活動が失敗する可能性が出てきてしまいますね。
そこで大事なのが、異業種交流会などに参加して人脈のバリエーションを増やすことです。
異業種交流会は、ビジネス上の人脈作りとして開催されているもので、社会人であれば誰でも気軽に参加することができます。
異業種交流会には、多種多様な業界業種の方々が参加しており、異業種の方と交流することを目的としています。
そのため、自然と今まで構築してきた人脈とは別種類の人脈が構築され、人脈転職の幅が大きく広がっていくのです。
そこで人脈を増やすことができれば、将来の転職先につながる人に出会えるかもしれません。
常に仕事ぶりをアピールすることでスカウトにつながる
人脈での転職というのは、必ずしも普段から深く関わっている人から声がかかることばかりではありません。
先述した異業種交流会での人脈など、過去一度会ってSNSでつながった人から声がかかることが多いのです。
そういった人から声がかかるためには、自分が仕事ができる、頑張っているというイメージを持ち続けてもらうことです。
そうすれば、いざ人材が必要となった時に声がけの候補に上がることが可能となります。
なので、普段から自分の仕事について、FacebookやLinkedInなどのSNSで発信することが大切です。
日常の頑張りや成果を確認できるようにしておけば、自分を必要としてくれる人が声をかけてくる可能性があります。
転職した元上司や同僚に声をかけてみる
3つ目は、転職した元上司や同僚に声をかけてみるという方法です。
元上司や同僚は、ビジネス上の自分の能力を一番把握してくれている知人です。
そのため、彼らが人脈となって紹介してくれる会社、仕事は高確率で良い案件となるでしょう。
しかし、元上司や同僚からすると、前職からの引き抜きは仁義上なかなか行うことが難しいです。
いい話があったとしても、元上司や同僚側から切り出しづらいことがほとんどでしょう。
そのため、自分から声をかけることで、良い話が舞い込んでくることが多々あるのです。
一緒に働いたことがある人間なら関係性ができているはずですし、頼めば紹介してくれる可能性は高いと思います。
将来やりたいことや目標を友達に話すと紹介がくるかも
身近な友達ほど仕事の話はしづらいものですが、いざ転職における人脈となると、これほど頼りになる存在はありません。
たまに真面目な話をするだけで、友達ならその情報を覚えてくれているので、ふとしたタイミングで紹介がくることがあるのです。
友達の会社で人材を募集していることがありますし、友達の知り合いで人材を欲しがっているかもしれません。
どんな形で話が拡散するか分からないので、色々な人に話すことでチャンスは広がっていきます。
優秀な人と仲良くしていると良い情報が回ってくる
異業種交流会の話と通じるものがありますが、通常誰もが自分と似通った人たちが所属するコミュニティに所属しがちです。
そのため、いざ人脈転職をしようと思っても、自分が想定する以上の情報が入ってこないものです。
しかし、一旦視座を上げて優秀な人と仲良くすると、今までは入ってこなかった良い情報が回ってくることがあります。
優秀な人の周りは優秀な人が多いため、あなたにもその情報が巡り巡って回ってくるのです。
また、優秀な人はヘッドハンティングされることも多いので、その人が興味のない案件を紹介してくれたりもしますね。
人脈転職の場合、紹介元が大事ですので、少し背伸びしたような良い条件の転職の実現も夢ではありません。
他力本願になってはいけない
他人任せでは人脈転職はできない
ここまで人脈転職のメリット・デメリットや具体的な方法について解説してきましたが、肝に銘じて置かなければいけないのは、他人任せでは人脈転職はできないということです。
まず、人脈転職における人脈というのは、先述したように元々自然とできた人脈だけでは足りません。
様々なイベントに顔を出したり、地道に周りに声をかけることで作り上げることができるのです。
「誰かが仕事を紹介してくれるだろう」という甘い気持ちでは、いつまで経っても転職することはできないでしょう。
自分から仕事を取りに行くという気持ちでないと、転職できないことを理解してください。
仕事で結果を出すからこそ他の会社に声を掛けられる
また大前提として、「仕事で結果を出すからこそ他の会社に声をかけられる」ということを忘れてはいけません。
いくら人脈とはいえ、先述したように紹介側にも多くのデメリットが発生する可能性があります。
紹介して入社した知人が仕事で結果を残せずに早期退職をしてしまうと、紹介者の経歴に傷がつきます。
そのため紹介側も客観的にみて、あなたが仕事で結果を出せそうかを判断しなければいけません。
その判断の材料が、今の仕事で結果を出しているかどうかなのです。
「今の仕事にやりがいを感じられずダラダラ働いている」といった感じでは、周りから信頼されることは無いでしょう。
もちろん、仕事の誘いが来ることもありませんので、今の仕事に真剣に打ち込む必要があります。
キャリアアドバイザーに相談するのが最強の転職方法
これまで人脈を活用した転職方法を紹介してきましたが、自分の身の回りに良い仕事を紹介してくれる人がいるとは限りません。
運良く紹介があったとしても、それが自分の興味のある仕事でない場合もあります。
普段から人付き合いを大切にしておかないと、話をもらうことすらできないでしょう。
人脈を使った転職は効果的ですが、それで成功するのはなかなか難しかったりするわけです。
そこで、転職エージェントを利用することをおすすめします。
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身近に有力な人脈がいない場合には、転職エージェントを利用してみてください。
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業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
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