新しい刺激を求めて、ベンチャー企業への転職を目指す人が増えています。
大手企業だと安定していますが、年功序列の評価制度や古臭い企業体質などのため、若い人材が活躍できる場所が少ないです。
なので、向上心が高い人の多くは、ベンチャー企業へ転職しています。
創業して間もない会社なので不安定な部分が大きいですが、若々しくてエネルギッシュなために成長を求める人には人気が高いようですね。
ただ、大企業にはないデメリットも数多く存在するので、誰にとってもベンチャー企業をおススメできるわけではありません。
「なんとなくカッコいい!」といったイメージだけで転職すると、理想とのギャップで後悔することになるでしょう。
ここでは、ベンチャー企業への転職のメリット・デメリットを紹介します。
目次
ベンチャー企業に転職することの4つのメリット
結果を出せば若くても出世できる
大企業だと年功序列の評価制度が根強いので、結果を出したとしても上司の手柄になってしまうことが多いです。
若いうちはコツコツと実績を積みながら、30代を過ぎてやっと課長に昇進できるといった感じになりますね。
でも、ベンチャー企業だと結果主義なので、年齢に関係なく実績で評価されます。
20代の内から管理職を経験して、30代で役員クラスにまで昇り詰める人も少なくありません。
もちろん、若くして高収入を得ることも可能ですから、野心的に成り上がりたいと考える人にはおススメできる環境です。
経営者を近くで見ることができる
大企業では社長と実際に会える機会は限られますし、一度も社長と会話したことが無いという社員が大半だと思います。
だから、経営者の考え方が分からずに、企業の方針に共感できないといったことになりがちです。
しかし、ベンチャー企業だと社員が多くても数十名しかいないので、経営者と同じフロアで仕事をすることになります。
毎日顔を合わせることができますから、積極的に自分の意見を伝えることができるでしょう。
経営者の仕事を間近で見ることで得られることは多いですし、意見交換をする中で発見できることもあるはずです。
将来的に独立を考えている人などは、大きな学びを得られると思います。
担当する業務が多岐にわたる
ベンチャーでは圧倒的に人数が少ないので、一人であらゆることをしなくてはいけません。
営業職なのに事務作業を兼任したり、エンジニアなのにパソコンや電話機の設置などの雑用を任されたりします。
自分の職種に捉われない働きが期待されるので、それだけ経験値を高めることができますね。
自分の業務を行いながら他の作業も担当したりすることで、視野の広さや柔軟性を鍛えることができるでしょう。
圧倒的なスピード感がある
今までにない新しい分野をターゲットにしている企業が多いので、常に試行錯誤しながら仕事をしなくてはいけません。
決まったセオリーなどがありませんから、PDCAサイクルを回しながら仮説と検証を繰り返していきます。
なので、昨日までのやり方をガラリと変えることも珍しくありません。
毎日が実験の日々になりますから、スピード感をもって仕事をすることができますね。
大企業のルーティンワークに飽きている人は、ベンチャー企業で働くことで刺激を得ることができるでしょう。
ベンチャー企業で働くことの5つのデメリット
倒産するリスクがある
ベンチャー企業で生き残っていくのは難しく、企業の生存率は創業から5年後で15%、10年後で6.3%、20年後で0.3%だと言われています。
創業してから10年以内で、90%以上が倒産してしまうということです。
大手企業なら資金力がありますから、多少の赤字を出しても倒産することはありません。
でも、ベンチャーなどの中小企業だと、ちょっとした景気の煽りだけで倒産してしまう危険があります。
独身なら良いかもしれませんが、家族がいるのであれば相当なリスクを覚悟しなくてはいけません。
独特な社風に戸惑うことがある
小規模な会社だと、経営者の考えが社風に強く反映されてきます。
数字に対して厳しいノルマを課していたり、軍隊のような縦社会を形成していたり、違法行為スレスレのグレーゾーンを攻めていたりこともありますね。
経営者が学生時代から起業した会社だったりすると、そういった傾向が強いです。
普通は社会経験を積む中でビジネスマナーや常識を学ぶのですが、そういった経験がない社長だと良くも悪くも非常識な社風になりやすいといえます。
非常識を楽しむくらいの気持ちが無ければ、ベンチャー企業に転職しても挫折する可能性が高いでしょう。
主体性が求められる
大企業では新卒で人材を採用すると、徹底的に教育を施して一人前の人材になるまで育ててくれます。
それこそ名刺の渡し方などのマナーから実務スキルに至るまで、手取り足取り教えてもらうことができるんですね。
しかし、ベンチャー企業では、そういった教育をする余裕はありません。
業務マニュアルすらない会社も多いので、何でも自分で考えて行動する必要があるわけです。
何も教えてもらえないのに結果を求められるわけですから、自分から主体的に動ける人でないと対応できないでしょう。
勉強させてもらうような立場の人には、向いていないといえますね。
常に何かの問題が起きる
ベンチャー企業では、資金的な余裕がなくギリギリで運営されています。
ノウハウの蓄積も少ないために、常に問題が山積みの状態なんですね。
だから、そういった問題に対して、根気よく解決していかないといけません。
場合によっては、夜遅くまで残業する必要があるでしょうし、休日出勤を強いられることもあります。
問題の解決のために、毎日のように考えなくてはいけないので、精神的なストレスも相当なものになるでしょう。
安定している大企業とは正反対の環境ですから、ストレス耐性の低い人は挫折しやすいと思います。
転職直後は年収が下がることが多い
収入アップを求めてベンチャー企業に転職しても、初年度は年収が下がるケースが多いですね。
良くても現状維持となってしまうでしょう。
よほどの専門的なスキルを持っていない限り、資金的な余裕のないベンチャーが高い報酬を提示してくれることはありません。
なので、年収ダウンを覚悟して転職するべきですね。
また、福利厚生も整っていないため、年金や健康保険に加入していない会社もかなり多いです。
自分で国民健康保険料を負担するなど、対策が必要になってきます。
ただ、ちゃんと結果を出せば短期間で出世できますから、前職よりも年収がアップすることもあるでしょう。
とにかく結果で評価されるので、自分の実力に自信が無ければ高収入は期待できないといえます。
ベンチャーに転職するかどうかで迷っている人へ
ここまで、ベンチャー企業のメリット・デメリットを紹介してきました。
どんな企業にも一長一短がありますから、自分に合うかどうかを慎重に吟味しなくてはいけません。
ベンチャー企業へ転職を考えている人は、単なる憧れで目指していることが多いのですが、それだけだと後悔することになると思います。
なので、勢いだけで転職するのではなく、よく考えるようにしましょう。
成長するための場所ではない
ベンチャー企業を志望する人に多いのが、自分を成長させたいというニーズです。
たしかに、ベンチャー企業は大手よりも個人の裁量が大きいため、色々な経験をすることができるでしょう。
でも、先述の通り、教育制度が整っていないので、何でも自分で考えて行動する必要があります。
受け身の姿勢では何も得られませんから、思うような成長が期待できないかもしれません。
基本的には、これまでの経験をアウトプットする場所なので、学ぶことを主眼に置いている人には向いていないと思います。
何かを学びたいなら、教育制度が充実している大手企業の方が良いですよ。
経営者の考え方に共感できるかどうか
ベンチャー企業の多くは、社長のワンマン経営で成り立っています。
経営者の考え方が社風にも表れますから、社長に対して人間的な魅力を感じていなければ、付いていくことはできないでしょう。
なので、会社のホームページや求人情報などを読み込んで、どういった理念で運営されている会社なのかを入念に調べるようにしてください。
面接で社長と話せる機会があったりするので、その際に色々な質問を投げかけてみるのも良いですね。
勢いのある会社でも理念に共感できなければ、長く働くことはできません。
仕事内容や待遇よりも大切なことですから、ちゃんと把握しておいてくださいね。
やりがいのある仕事は他でもできる
仕事のやりがいを求めてベンチャーを志望する人が多いですが、やりがいについては大企業であっても得られると思います。
創意工夫をして結果を出せば上司からも認められますし、出世して役職に就けば裁量権も与えられるでしょう。
ベンチャーだと若くても自由に働けますが、それだけプレッシャーも強くなります。
責任を負わされて頑張れる人なら良いと思いますが、重圧に耐えられなくなることも考えられますね。
やりがいだけを求めているなら、ベンチャーにこだわる必要はありません。
以上のようなことを考えて、それでもやりたいならベンチャーへ転職することをおススメします。
大企業では得られない経験ができるのは確かなので、明確な目的意識をもって働けば得られるものは大きいでしょう。
ベンチャー企業への転職を成功させる方法
転職の目的をしっかりと考える
自分が転職するうえで、どんな目的を達成したいのかを考えてください。
やりたい仕事や身に付けたいスキル、働きたい環境など、その目的を達成できる会社を選ぶようにしましょう。
ベンチャー企業は大企業ほど待遇が良くないので、ちゃんとした目的意識を持っていないと挫折する可能性が高いです。
どうしても実現したいことがあるなら、給料が安かったり残業が多くても耐えることができますよね。
転職後の挫折しないためにも、明確な目的意識を持つことが大切です。
逆にいうと、本気でやりたい目的が無いのなら、ベンチャー企業へ行く意味はありません。
入社後の意欲を伝える
ベンチャー企業では、アグレッシブで勢いのある人材を求めています。
社長も熱い人が多いですから、熱意のある志望動機を語れるようにしてください。
- なぜ転職を決意したのか
- やってみたい仕事は何か
- その会社を選んだ理由
- 将来的にやってみたいこと
上記のようなことを、具体的なエピソードで語れるのが良いですね。
淡々と語るよりもエピソードの方が説得力が高いですし、頭の中でイメージしやすいです。
面接でのアピール方法については、「転職面接に受かるコツとは?」で詳しく解説をしています。
一緒に会社を作っていく姿勢を見せる
良くも悪くも未完成なのが、ベンチャー企業の特徴だといえます。
何も整っていない職場であることが多いですから、自分が積極的に作っていくという姿勢を見せることが大切です。
社長との距離感が近いので、自分の意見をバンバン言える人が好まれますね。
面接の段階から、自分のやりたいことや将来のビジョンを語ることで、これからのポテンシャルをアピールできるようにしてください。
ベンチャー企業に入るには転職エージェントを利用するべき
多くのベンチャー企業では、転職サイトなどで広く求人を募集していません。
人事の専門部署が無い企業も多いので、応募が殺到すると対応することができないためですね。
なので、ほとんどのベンチャー企業では、転職エージェントで人材を集めています。
求める人材像をエージェントに伝えておいて、それに見合った人だけを集めて専攻しているわけです。
そのため、ベンチャー企業に入りたいなら、転職エージェントを利用しなくてはいけません。
大手の総合型エージェントには、ベンチャー企業を含む数万件の非公開求人があります。
キャリアアドバイザーが求職者の適性に合った求人を選んでくれるので、会社選びのミスマッチを防ぐことができるでしょう。
特に、ベンチャー企業は独特な社風であることが多いため、合う合わないという相性が大きく分かれてしまいます。
そういったリスクを防げますから、転職エージェントの利用価値は高いですよ。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
全国に470名のアドバイザーが在籍しており、各業界・業種に精通している人材が豊富です。
最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
マイナビエージェント
マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
首都圏や関西エリアだけでなく、名古屋や福岡、札幌などにも拠点があるため、全国の求人に対応しています。
業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。