仕事をしていく中で、他の分野に興味が出てくることがあります。
たとえば、営業職として商品を販売しているうちに、商品開発や企画をやりたくなるといったことです。
また、今の業界の将来性に限界を感じていて、他の業界に移りたいという人もいるでしょう。
活気のある業界なら年収アップの期待が高まりますし、これからの生活にも安心だと思います。
しかし、異業種への転職は簡単なものではありません。
同業種なら今までのスキルを活かすことができますが、別の業界となると対応できるかどうかが不透明だからですね。
採用する企業側も、別の業界からの応募者に対しては、かなり厳しくチェックをしてきます。
転職理由や志望動機を工夫しなければ、内定をもらうことは難しいでしょう。
ここでは、異業種転職を成功させるための方法を紹介します。
目次
異業種転職が難しい理由
一般的に、同業種と比べて異業種への転職は難しいといわれています。
その理由としては、以下のようなものがありますね。
- 未経験なので経験者と比べられると負けてしまう
- 面接官を納得させる理由を用意しないといけない
初めての業界への転職だと、経験という面では圧倒的に不利ですよね。
同年代の経験者と比較されたら、まず勝つことはできないでしょう。
中途採用では即戦力が求められるため、どうしても経験者が優遇されがちです。
内定をもらうためには、経験者に負けないアピールが必要になるため、非常に難易度が高いといえます。
また、面接官からすると、「何で未経験で応募したのか?」という疑問があります。
わざわざ業界を変えるわけなので、それなりの理由が求められるわけです。
明確な理由を説明できなければ、仕事が嫌で逃げてきたといった印象を与えるかもしれません。
ネガティブでなくポジティブな転職理由が無ければ、内定をもらうことは難しいといえますね。
異業種への転職をする際に心がけること
面接官に響く転職理由と志望動機を作るためには、以下の要素を考慮する必要があります。
- 転職を決意したキッカケは何か?
- 前職でどのような経験・スキルを得たのか?
- 転職後にどういった活躍ができるのか?
これらの質問に明確に答えられることで、合理的で納得できるアピールをすることができるわけです。
ポイントとしては、具体的なエピソードで語れることですね。
理想を語るだけなら誰でもできますし、信ぴょう性が全くありません。
自分の実体験から感じたことを伝えることで、説得力が高くなりますし独自のアピールになります。
未経験だとアピールすることが無いと思いがちですが、ビジネススキルは根底では共通しており、他の分野であっても応用することができます。
たとえば、コミュニケーション能力や行動力、論理的思考力といったことです。
どんな仕事にも応用できるスキルなので、異業種転職であってもアピールすることができるでしょう。
面接官が納得する転職理由・志望動機を作るための5つのステップ
転職を考えるキッカケとしては、「今の会社に将来性を感じない」「仕事がつまらない」など、ネガティブな理由であることが多いです。
でも、それを面接で伝えてしまうと、確実に印象を悪くしてしまうでしょう。
前向きな転職であることをアピールしなければ、どこの企業からも内定をもらうことはできないわけです。
そのために、ポジティブな転職理由と志望動機を語れるようにしてください。
以下の5つのステップで考えれば、筋の通ったアピールになるはずです。
- 前職を志望した理由を明確にする
- 社会に出てから今までの職歴を整理する
- 5年後・10年後にどうなっていたいかを考える
- 応募先企業の特徴を整理する
- 持っている経験・スキルで応募先企業に活用できるものを考える
1.前職を志望した理由を明確にする
そもそも、何を目指して働いていたのでしょうか?
前職に応募した時には目的があったはずなので、それを思い出すようにしましょう。
ルーティンワークばかりしていると、自分が目指していたことを忘れてしまったりします。
忙しくて仕事に追われる毎日であれば、進むべき方向性を見失ってしまうことが多いです。
仕事をする目的を明確にするために、前職の志望動機を考えるようにしてください。
2.社会に出てから今までの職歴を整理する
学校を卒業して社会人になってから、今までどのような仕事をしてきたのかを整理しましょう。
担当した部署や業務内容などを、時系列にして紙に書き出してください。
そうすることで、自分が持っている経験やスキルなどが明確になります。
また、その時の仕事への気持ちも書き出すようにしましょう。
「責任のある仕事を任されてやりがいがあった」「事務的な作業ばかりで退屈だった」など、どんな感情で働いていたのかを書くわけです。
自分の感情を整理しておくと仕事が嫌になったキッカケを知ることができますし、転職を決意したタイミングなども明確になります。
これが転職理由の元になりますから、しっかりと自分の歴史を振り返ってください。
3.5年後・10年後にどうなっていたいかを考える
自分がこれから、何を目指すのかを考えるようにしましょう。
5年・10年先の未来を考えることで、それが応募先の志望動機につながります。
「自分の夢を叶えるために転職を決意した」という流れにすれば、前向きでポジティブな印象を与えることができますね。
将来のビジョンを明確に答えられることで、計画性の高さや意志の強さなどのアピールになります。
入社してからも根気よく頑張ってくれそうなイメージを与えられるので、面接官からの印象も良くなるでしょう。
人材を募集する企業からすると、すぐに辞められることを最も恐れています。
コストをかけて求人広告を出しているわけなので、長く勤めてくれる人を求めているわけですね。
キャリアプランをハッキリ持っていれば、やる気や熱意などを期待してもらうことができるはずです。
4.応募先企業の特徴を整理する
会社のホームページや商品などを見て、どのような特徴があるのかを調べましょう。
企業理念や代表メッセージから社風が推測できますし、実際に商品・サービスを使えば市場での優位性なども分かります。
お客として会社の商品を使ってみるというのは、ものすごく大切ですね。
店舗があるなら足を運んでみて、スタッフさんに色々な質問をしてみましょう。
商品のメリットは何か、他社製品と比べて何が優れているのか、アフターサービスはあるのかなど、購入する立場になって質問するわけです。
すると、その業界や企業の特徴を深く知ることができますよ。
応募先企業の特徴が分かったら、それを自分の将来のビジョンとすり合わせていきます。
その企業の特徴と自分の将来のビジョンが合致していれば、矛盾のない理想的な志望動機になりますね。
入念な企業研究と自己分析が必要となるので、ここはしっかりとやっておくようにしてください。
5.持っている経験・スキルで応募先企業に活用できるものを考える
最後に、自分が持っている経験やスキルの中で、応募先企業で活かせるものが無いかを考えましょう。
未経験とはいえ即戦力にならないと、中途採用では話になりません。
社会人なら何かしらのスキルは持っているでしょうから、それを上手く活かせることをアピールしてください。
入社後の活躍を期待してもらえれば、他のライバルに大きく差を付けることができるはずです。
異業種転職における転職理由・志望動機の例文
上記の5つのステップで考えれば、面接官に対してかなり効果的にアピールできます。
ただ、それぞれのステップを個別に考えるのではなく、すべてを一つのストーリーとしてまとめることが大切ですね。
- 社会人になった当初の目的
- 転職を決意したキッカケ
- これからやりたいこと
- 応募先を志望した理由
これらが連なったストーリーとなっていることで、一貫性のあるアピールができるようになるわけです。
矛盾が起きてしまわないために、考えるようにしてください。
以下に、例文を紹介します。
不動産業界で5年間の経歴があり、賃貸営業が3年間、販売営業が2年間です。
お客様と対話しながら最適な物件を提案してきたので、コミュニケーション能力や顧客ニーズにヒアリングなどのスキルを身に付けることができました。
定年後の夫婦の方の対応した時に、「あなたのおかげで良い物件が見つかった。これで余生を楽しく過ごせます。」と言われたときには不動産営業をしていて良かったなと思いました。
ただ、マンション物件という完成品を営業する仕事だったので、お客様によってはニーズに対応できないことが何度かあったのです。
そこで、商品を売る側でなく、作る側に興味を持つようになりました。
本当に顧客から求められる商品を作ることができれば、多くの人に喜ばれますし、それが自分のやりがいに繋がると思います。
食品業界は未経験ですが、御社のモノづくりの理念に共感して応募させていただきました。
営業時代から顧客のニーズを引き出すことは得意だったので、御社の商品開発に役立つと考えております。
将来的には、日本人なら誰でも知っているようなロングセラーの商品を作りたいと思っています。
このような伝え方ができれば、最初から最後まで一貫して矛盾のないストーリーになりますよね。
未経験であってもネガティブな印象を持たれませんし、即戦力として期待してもらうことができるでしょう。
一連のストーリーを即答できるようにしておけば、面接官の印象に残りやすく内定をもらえる可能性がアップするはずです。
異業種への転職には転職エージェントを利用しよう
未経験の業界へチャレンジするのなら、転職エージェントを利用することをおススメします。
専任のキャリアアドバイザーが付いてくれるので、キャリアカウンセリングを受けたり業界情報を教えてもらうことができますよ。
特に、異業種へ転職する場合には、その業界のことが何も分かりませんよね。
自分一人で調べるのにも限界があるため、業界に精通したアドバイザーから話を聞けるのは貴重な経験です。
希望を持って他の業界へ転職しても、自分の理想と大きなギャップがあるかもしれません。
キャリアチェンジに失敗すると、そこからリカバリーするのは大変です。
職歴が汚れると今後のキャリアに影響するので、アドバイザーの話を聞きながら慎重に考えるようにしてください。
他にも、以下のようなサポートが受けられます。
- 今後のキャリア相談
- 求職者に合う非公開求人の紹介
- 企業に合わせた応募書類の作成・面接対策
- 面接スケジュールの調整
- 給与や待遇などの条件交渉
- 選考結果のフィードバック
求人の紹介から面接のセッティングまでしてくれるので、自分では何もする必要はありません。
特に、仕事をしながらの転職活動なら、エージェントを積極的に利用するべきです。
未経験でも歓迎してくれる求人を紹介してもらえば、かなり高い確率で内定をもらうことができるでしょう。
以下のエージェントは、実績が高いので自信をもっておススメできます。
ぜひ登録してみてください。
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
全国に470名のアドバイザーが在籍しており、各業界・業種に精通している人材が豊富です。
最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
マイナビエージェント
マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
首都圏や関西エリアだけでなく、名古屋や福岡、札幌などにも拠点があるため、全国の求人に対応しています。
業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。