「人脈は金脈」と言われることがありますが、転職においてもコネクションを持っている方が上手くいく可能性が高いです。
やはり、良い求人の話は人づてに回ってくることが多いですし、一般には出回らない傾向にあります。
一流企業ほどコネを大切にしていますから、有力な人脈を増やしておくことでキャリアアップに繋がることは間違いありません。
また、中小企業であっても、知り合いの紹介だと雇用条件の交渉もしやすいですから、年収アップに繋がることが多いです。
コネ転職によるメリットは多いですから、人から紹介してもらえるようにアンテナを張っておくことをおすすめします。
ただ、もちろんデメリットも少なからずあるので、良い話に飛びつくのは危険です。
ここでは、コネ転職のメリット・デメリットを紹介しますから、参考にしてみてください。
目次
企業がコネクションで人材採用することが多い理由
知っている人からの紹介なら信頼できる
企業が、コネクションで人材採用することが多い理由は何でしょうか。
一つとして、求人広告で募集するよりも、知っている人からの紹介の方が信頼できるということが挙げられます。
通常、外部から人材を確保する際には書類選考から数回にわたる面接と、非常に入念に候補者をふるいにかけます。
今回募集するポジションに対してスキル条件は満たしているのか、そもそも社風に合うのかなどなど、確認しなければいけないポイントは多岐に渡り、とてもではありませんが全てを正確に把握することは難しいです。
しかし、知っている人からの紹介である場合、上記のチェックひとつひとつにかける手間が大幅に削減されます。
とりわけ短時間で見抜きづらい人柄の点に関しては、知人からの情報ほど確かなものはないでしょう。
入社してすぐに辞める可能性も低いですし、人間性に問題があって組織の和を乱すといったリスクも防ぐことができます。
緊急での募集になるほど、知人からの紹介で採用する可能性が高いですね。
採用コストを大幅に減らすことができる
そして、コスト削減のためにも、コネクションを使った求人募集が行われます。
日本の企業がよく使う人材エージェントの仕組みとして、もし人材エージェント経由で採用が決まった場合、採用決定候補者の年収の30~35%を費用として支払う必要があります。
仮に、年収500万円で人を採用するとなると、人材エージェントに150~175万円を支払うことになります。
これが、もし知人経由の場合は、実質無料で採用できてしまうのです。
コストといっても、お礼にご飯を御馳走したりという程度ですので、それでも数万円で収まるでしょう。
信頼できる人を実質無料で採用できるという企業側からすると、非常に有効な手法なのです。
コネによる転職はメリットだらけ
それでは、求職者側から見たときのメリットはあるのでしょうか。
実はコネによる転職は、求職者にとってもメリットだらけです。
会社の詳しい実情を聞いたうえで応募できる
コネ転職においては、応募する前に会社の実情を色々と聞くことができます。
通常、転職活動で企業分析をするとなると、その多くがWeb上にある情報を拾ってくるしかありません。
更にがんばって情報を集めるとしても、企業説明会に出たり、人材エージェントから情報を収集する程度でしょう。
つまり、生の声を聞けるチャンスはほとんどないのです。
しかしコネ転職は、知人がその会社に在籍していたり、その会社の内部に精通していることがほとんどですので、より会社の生の声を拾うことができるのです。
毎月の残業時間や休日出勤の有無、社内の人間関係や仕事内容など、表には出てこない情報を得ることができるのは大きなメリットだといえますね。
書類選考を飛ばして面接へ進むことができる
コネ転職の多くは、書類選考をパスして面接から始めることができます。
世の多くの会社では、それぞれに公にはしていない選考基準があるため、どうしても書類で落ちてしまうことが多々あります。
例えば、応募条件には大卒以上と書いているにも書かわらず、実はMARCH以上の学歴じゃないと書類も通過しないなんて話はよく耳にしますよね。
しかし、コネ転職の場合には、知人からの後押しがあるので、まずは面接に進める可能性が非常に高いです。
そのため、今まで引っかかっていた書類選考という足切りからおさらばできるのです。
面倒な書類を作成しなくても良いので、かなりの手間が省けますね。
自分の情報が伝わっているので面接で話が弾みやすい
紹介を受けた時点で自分の情報は先方に伝わっているため、面接官と初対面であっても話が弾みやすくなります。
普通の面接では、自分を知ってもらうために必死にアピールをしなくてはなりませんし、1時間で話を盛り上げられるほどお互いのことを知るのは難しいものです。
しかし、コネ転職の場合は、面接官に自分の情報が伝わっています。
そのため、面接官から話を切り出してくれたり、話を深掘りしてくれることもあるのです。
話が盛り上がれば自分のアピールになりますし、書類選考から来た一般の応募者よりも圧倒的に親近感を持ってもらえるでしょう。
選考でも有利になるのは、言うまでもありません。
自分の実力以上の会社でも入れる可能性がある
普通に応募すれば門前払いを受けるような会社でも、知人からの紹介なら入ることができる可能性があります。
とりわけ知人が優秀な人だったり、その会社の中で一定の地位がある人の場合は、評価が甘くなるのです。
そのため、普通に選考をしていればあと一歩というところで不合格だったという会社も、知人紹介というプラス得点がつくことによって合格できる可能性が出てきます。
大企業ほど縁故採用を大切にしますから、そういった企業に知人がいる場合には相談してみるのも良いかもしれません。
知人がいるので入社後に馴染みやすい
全く新しい環境へ転職しても、そこに知人がいれば早く馴染むことができます。
とりわけ中途入社をしたことがある方は分かると思いますが、中途入社とは基本的に孤独なものです。
同期がいるとも限りませんし、同期がいたとしても職種が違ければ実質周りに1人も知り合いがいない中で働かなければなりません。
そのため、人間関係が築けずに辞めていく人も多いのです。
しかし、コネ転職の場合、知人がいるため話のきっかけが非常に作りやすくなります。
「◯◯さんの紹介で」という枕詞をつけることで話が一気に盛り上がりますし、知人が社内の人達に紹介してくれたりするんですね。
人間関係が築きやすく組織に馴染みやすいので、人見知りで会話が苦手な人にはメリットだと思います。
コネ転職特有のデメリットもあるので注意
しかし、物事には良い面もあれば悪い面もあるのも事実です。
コネ転職特有のデメリットもあるので、注意しなくてはいけません。
紹介者の顔があるため簡単には辞められない
コネによる転職をすると、すぐに辞めると紹介者の顔に泥を塗ることになります。
転職してみたら理想と違ったということは、往々にしてあることですよね。
いくら知人がいることで、通常の転職活動より多くの事前情報を得ていたとしても、やはりいざ入社してみると思っていたのと違うという点は多々出てくるはずです。
ですが、そこですぐに辞めるとなると、紹介者の顔があるため簡単には辞められません。
もしすぐに辞めてしまうと紹介者が社内で評判を落としてしまい、その紹介者との関係が悪くなってしまう可能性もあるのです。
転職したけれど以前よりも待遇が悪くなってしまい、すぐに辞められないとなったら目も当てられません。
コネ転職だからこそ、安易に決断せずにじっくりと考えるべきだと言えます。
正規で入社した社員から妬まれることがある
コネ入社というとイメージが悪いのも事実で、既存社員から妬まれることがあります。
とりわけ、日本社会は公平性を大事にしています。
誰かが得をしている可能性があると、良い顔をしないわけです。
正規で入社した社員からすると、コネ転職入社者はズルをして入社した、つまり自分たちよりも得をしている人に見えるため、必要以上に妬まれて目の敵にされてしまう可能性があります。
なので、コネで転職をしたとしても、大きくアピールしない方が良いかもしれません。
幹部候補などの役職者として入社すると反発が強くなるので、それなりのキャリア採用の場合には気を付けるようにしてください。
紹介者が辞めてしまうと肩身が狭くなってしまう
自分を紹介してくれた人がいるうちは良いですが、その人が会社を辞めてしまうと自分の立場が無くなってしまうことがあります。
コネ転職には一定数の批判的な方が必ずいますが、多くの人は紹介者に気を使って表立って批判はしないものです。
しかし、紹介者が辞めるとその矛先は一気にあなたに向くことになります。
それまでかばってくれた紹介者もいないため、肩身が一気に狭くなってしまうのです。
入社後に積極的にコミュニケーションを取って味方を増やしておかないと、後で孤立することになるかもしれません。
成果を出せないと紹介者の顔を潰すことになる
コネ転職だと期待値が高くなるので、早く結果を出す必要があります。
通常の転職では、あくまで成果を出せないことで責められるのは自分自身のみです。
しかしコネ転職は、紹介者の後押しがあって入社しています。
つまり、紹介者が「◯◯が活躍できるのはオレが保証する」と太鼓判を押していると、周囲に見られているのです。
そのため、もし成果が出せない場合は、紹介者も周りからの信用を失ってしまいます。
成果が出せない苦しみと、紹介者の顔を潰しているという二重苦に悩まされてしまう可能性があるのです。
実績を持っているほどハードルは高くなるので、それなりのプレッシャーの中で仕事をしなくてはいけません。
自分でよく調べずに入社すると後悔することに
紹介者を信用しすぎていると、よく調べもせずに入社して後悔することになります。
コネ転職はついつい知人の紹介ということに安堵して、企業の情報について大して調べない方もいるのです。
誰しもが自分の会社について、客観的に見れている部分と見れていない部分があります。
そのため悪気はなくとも、会社のことについて良い点ばかり強調し、逆に悪い部分については正確にわからないこともあるのです。
また、人によっては良い部分でも、他人からすると悪い部分かもしれません。
紹介者が「素晴らしい会社だと!」と太鼓判を押しても、それが自分にとっても素晴らしいとは限らないわけですね。
自分の目で確かめることを意識しないと、失敗するリスクがあります。
選考途中で合わないと思っても辞退しづらい
会社を紹介してもらった以上、採用を前提に面接などの選考が行われます。
なので、途中で辞退したいと思っても、辞められる雰囲気ではないことがあるんですね。
転職活動は、何もコネ転職先の一社だけを受けているわけではなく、複数社を同時に受けているため非常に忙しく時間は限られています。
そのため、入社意思がなくなった会社に関してはすぐに辞退することが望ましいのですが、コネ転職の場合、紹介者の顔を潰すことになるため辞退がしづらいのです。
それがもし内定を出すということになれば、より話がややこしくなってしまう可能性もあります。
なので、「入社するかどうかは分からない」と、ハッキリと明言することが大切ですね。
入社したら精一杯に頑張ろう
頑張っている姿勢を見せることで信頼される
コネを使った転職は、比較的楽に採用してもらうことができます。
でも、だからこそ、入社してからは一生懸命に頑張らなくてはいけません。
頑張っている姿勢を見せることで、信頼されるのです。
初めは一部の人は歓迎しない雰囲気を出すかもしれませんが、頑張る姿を見せ続けることで徐々に信頼は積み重なっていきます。
マジメで努力家なことが伝われば、あなたがコネ転職か否かを気にする人はいなくなるはずです。
入社してしばらくは、誰よりも働くつもりで仕事に取り組みましょう。
コネがあるからといって威張らずに低姿勢で仕事をする
社内で有力な人間のコネで転職すると、自分も偉くなったように勘違いする人がいます。
思い上がって横柄な態度で周りと接してしまうと、明らかにイメージが悪くなってしまうでしょう。
新参者の癖に偉そうだったら、誰だって嫌いになりますよね。
その気がなくともコネ転職であるがゆえに、最初から会社に馴染みやすかったり社内でも人脈が作りやすかったりと、どうしても新入社員らしからぬ態度になってしまうものです。
なので、謙虚な気持ちを忘れずに、年下の先輩からも積極的に学ぶようにしましょう。
日本社会は出る杭を打つ傾向にあるので、あまり目を付けられないような行動は慎むようにしてください。
紹介者と密に接することでトラブルを防げる
入社した後は、紹介者と別の部署になることも多々あります。
でも、それで疎遠になるのではなく、マメに連絡を取り合って仕事の相談をしましょう。
何か問題が起こりそうなことがあっても、密に接していれば紹介者が察知して事前に回避してくれます。
入社後にも味方がいるのがコネ転職のメリットなので、紹介者との関係性は維持するように努めてください。
有力なコネクションが無いなら転職エージェントを利用しよう
コネ転職のメリットは伝わったと思いますが、そんなに都合よく人脈を持っている人は少数派だと思います。
色々な業界に顔が広い人であっても、自分が目指す会社の知人がいるとは限りません。
だから、コネによる転職は、かなりハードルが高いことなんですね。
一般人には、縁の遠い話に思えるかもしれません。
そこで、転職エージェントを利用することをおすすめします。
一般には出回らない非公開求人を紹介してもらえるので、かなり良い条件の求人を見つけることができるはずです。
また、キャリアアドバイザーが応募先に推薦状を書いてくれたり、応募書類の作成や面接対策までしてもらえます。
人脈を持っていない人でも、コネ転職に近い形で選考を進めることができるでしょう。
自分だけで転職活動をするよりも、圧倒機に効率が良いはずです。
以下のエージェントは、実績が豊富で当サイトでも人気があります。
ぜひ、利用してみてください。
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
全国に470名のアドバイザーが在籍しており、各業界・業種に精通している人材が豊富です。
最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
マイナビエージェント
マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
首都圏や関西エリアだけでなく、名古屋や福岡、札幌などにも拠点があるため、全国の求人に対応しています。
業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。