フリーターとは、アルバイトやパートで生計を立てる人のことで、自由な生き方の象徴として90年代に人気となった働き方です。
趣味のための時間を作りやすいので、若者のフリーターは少なくありません。
厚生労働省の調査によると、2016年の15~34歳の若年層のフリーターは全国で155万人となっていて、ピークよりも減少していますが相当な人数がいますね。
ただ、正社員と比べると収入の格差がありますし、社会保障や福利厚生なども含めると生涯所得の差はかなり大きくなるでしょう。
独身なら良いですが、結婚して子供を作るとなるとフリーターでは厳しいですね。
年齢を重ねるごとに就職が難しくなってくるので、早いうちから正社員として働けるように就職活動をしないといけません。
ここでは、フリーターから正社員を目指す方法を紹介します。
目次
フリーターを続けるのは危険!知られざるフリーターの実態
正社員との格差は大きい
正社員とフリーターの最も大きな違いとして、賃金の格差がありますね。
20代の内ならフリーターでも正社員と同等の賃金を稼ぐことができますが、30代以降になると急に格差が広がってしまいます。
以下は、厚生労働省が出している賃金格差のグラフです。

参照:厚生労働省
30歳を過ぎてから格差が広がっていき、40代からは正社員の半分くらいしか稼げなくなってしまいます。
これは月収ベースでの差なので、生涯賃金で考えるともっと大きな差になります。

参照:ハタラクティブ
上のグラフは正社員とフリーターの生涯賃金を表したものですが、大卒の正社員と比較すると4倍以上の格差となっていますよね。
正社員だと年齢に応じて昇給が見込めますが、フリーターだと時給のアップは微々たるものです。
ボーナスや福利厚生・退職金などもないので、これだけ大きな差になってしまいます。
結婚や老後の生活に影響が出る
フリーターだと大した収入が見込めないわけですから、結婚や老後の生活への影響は避けられません。
未婚女性を対象としたアンケートでは、結婚相手に望む理想的な年収は【500万円~700万円未満】という回答が最多でした。
最低でも500万円以上の年収が無いと結婚が難しいということで、フリーターだと厳しいということが分かりますよね。
正社員だと結婚や出産などで補助制度などを利用できますが、フリーターでは適用されません。
また、フリーターだと貯金するのも難しいでしょうから、老後の生活にも不安が出てきます。
老後に安心して暮らすためには、3,000万円の貯蓄が必要なようです。
先述したグラフだとフリーターの生涯賃金は6,000万円でしたから、3,000万円の貯金は絶対に不可能ですよね。
年金などに加入している人も少ないでしょうし、フリーターを続けている限り将来は暗いものになってしまうでしょう。
フリーター歴が長いほど就職に不利になる
「いつか正社員になれたらいいな」などと悠長に考えていると、あっという間に30代を超えてしまいます。
就職活動をすればすぐに決まると思っているかもしれませんが、フリーター歴が長くなるほど正社員の道は遠くなってしまうわけです。
まず、フリーター期間を職歴として見てくれない企業は多いですね。
5年間のバイト経験があっても無かったことにされるので、「単に遊んでいただけ」というレッテルを貼られてしまいがちです。
無職の空白期間だとみなされると、それを挽回するのは難しくなります。
就職活動に空白期間は致命的ですから、フリーター歴が長いほど不利になるということです。
特に、30歳を過ぎると実績が求められるので、バイト経験しかないならアピール材料がありません。
書類選考で落とされる可能性も高くなり、面接すらできないことが多くなります。
そして、フリーターで責任のあるポジションを任されることは無いので、武器になるスキルが身に付かないという問題もありますね。
バイトリーダーなどの役職があっても、しょせんはアルバイトです。
即戦力になるとは考えれませんから、プラスの評価をもらうのは難しくなります。
自分と同年代の人たちは正社員でスキルを磨いているので、フリーター生活を続けていると差は広まる一方でしょう。
就職活動ではそういった人たちと比較されますから、かなり分が悪いですよね。
フリーターから正社員になるための6つの方法
仕事につながる資格を取得する
アピールポイントを増やすために資格を取得することをおススメします。
汎用性の高い資格としては、日商簿記やTOEICなどがありますね。
フリーター期間は職歴だとみなされないことが多いので、何かの資格を取得しておけば空白期間の言い訳になるでしょう。
また、職業別に専門性の高い資格を取得すれば、かなり有利になるはずです。
- 不動産関連
- 宅地建物取引主任者、不動産鑑定士、マンション管理士など。
- 福祉関連
- 社会福祉士、介護福祉士、ホームヘルパーなど。
- 医療関連
- 医療事務、調剤薬局事務、歯科助手、登録販売者など。
自分が目指したい業界の資格があれば、フリーターの期間中に取得しておくようにしましょう。
それだけで、企業からの評価も大きく変わってきます。
フリーターである理由を曖昧にしない
企業の採用担当者はフリーターに対して、「なぜ定職に就かなかったのか?」という疑問を持ちます。
今まで非正規雇用で働いてきたわけですから、その理由について聞きたいと思うわけですね。
明確な理由を伝えなければ、「仕事へのやる気がないのか」「すぐに辞めてしまうかも」といった不安を持たせてしまいます。
なので、フリーターを続けてきたことに対する理由を明確にしておきましょう。
- 資格取得の勉強に集中していた
- 家族の介護をしていた
- 怪我や病気で療養していた
- 自分のやりたいことを見つめ直していた
- スキルを磨くための勉強をしていた
上記のような納得できる理由があれば、フリーターの期間が長くても問題視されないことが多いです。
採用担当者を安心させる工夫をすることで、正社員登用の道が開けることになります。
完成度の高い応募書類を作成する
フリーター歴が長くなると、書類選考の通過率が下がってしまいます。
これは、職歴の空白期間が長くなることで、採用担当者から不信感を持たれるからですね。
そのため、応募書類を作成するときには、時間をかけて完成度を高めるようにしてください。
間違っても、他の企業へ送った書類を使いまわすようなことは止めましょう。
年号の統一や誤字脱字のチェックなどの基本的なマナーはもちろん、その企業に合わせた志望動機を用意することも大切です。
企業の採用担当者は、書類を見ただけで応募者のスキルやポテンシャルなどを判断することができます。
手抜きの書類だと意欲が伝わらないので、「この人に会ってみたい」と思われるような書類を作成することを意識してください。
面接では自信をもって自己アピールをする
面接まで進むことができても、上手く自分をアピールできない人がいます。
学歴や職歴が無いことで、自分に対して自信を持っていないからですね。
でも、書類選考を通過できたということは、企業の募集要項を満たしているということです。
採用担当者が会ってみたいと思ったわけですから、自信を持つようにしましょう。
そもそも、企業はフリーターに対して、スキルや経験を求めていません。
仕事への熱意やフレッシュさを期待しているわけなので、それに応えられるようにしてください。
明るくハキハキと受け答えができれば、誰でも好印象を持ってくれるはずです。
積極的な人間性をアピールすることで、ポテンシャルを期待してもらうことができるでしょう。
未経験可の求人へ応募する
中途採用では即戦力を求めるので、経験者を優遇する求人が多いです。
「経験3年以上」などの条件があったりすると、フリーターだと門前払いとなってしまうでしょう。
なので、未経験者でも応募できる求人を探すようにしてください。
転職サイトなどで「未経験者歓迎」で検索すると、かなりの量の求人情報を見つけることができます。
業種でいうと、営業職や介護職、サービス業などは、未経験者でも積極的に採用する傾向がありますね。
そういったところに絞って応募すれば、職歴が無くても問題ありません。
自分のやりたい仕事でなかったとしても、まずは正社員になって経験を積むことが大切ですね。
3年以上のキャリアを作ることができれば、それを活かして希望の職種へ転職することが可能なわけです。
まずは正社員の職歴を作ることが大切ですから、自分の興味とは関係なく幅広く仕事を探してみると良いでしょう。
中小零細企業から下積みをしていく
正社員を目指すときに、いきなり大企業へ応募しても成功はできません。
大企業は新卒採用をメインにしていますし、中途採用では経験者しか相手にしてくれないでしょう。
大企業のブランドに憧れるのは分かりますが、フリーターから挑戦するのは無理だと考えてください。
まず最初は、中小零細企業から正社員を目指すのがセオリーですね。
大企業とは違って人手不足に悩んでいる企業が多いですし、やる気さえあれば正社員になることも難しくありません。
小さな会社でも世界トップレベルの技術を持っていることがあり、色々な経験を積むことができます。
そこでスキルを磨くことができれば、数年後に大企業へステップアップできる可能性がありますよ。
転職エージェントを使って正社員を目指そう
フリーターから就職する場合、「正社員ならどこでも良いや」という感じで仕事を選んでしまいがちです。
早く仕事を見つけたいという焦りから、よく考えずに就職してしまうというパターンが多いですね。
でも、ちゃんと将来を考えておかないと、数年後に後悔することになるかもしれません。
興味のある仕事でないと続けられませんし、結婚なども考えるなら収入と休日日数のバランスも考える必要があります。
就職に失敗しないために、転職エージェントを利用してください。
カウンセリングを受けることで、自分がどういった仕事を目指すべきなのかを知ることができるはずです。
キャリアアドバイザーは業界動向に詳しいですし、数年後を踏まえてどんなスキルを身に付けるべきかなども教えてくれます。
初めての就職の場合には、プロに相談するのが確実ですよ。
以下の転職エージェントは、フリーターからの就職に特化しています。
未経験歓迎の求人を豊富に持っているので、自分に合った会社を紹介してくれるはずです。
就職Shop
就職Shopは、リクルートが運営する就職エージェントです。
20代の若者向けの求人を多く取り揃えており、第二新卒やフリーターに特化した就職活動のサポートを行っています。
特徴としては、書類選考なしで最初から面接へ進むことができる点です。
書類選考が無ければ時間の短縮になりますし、スピーディに就職活動を進められるのは大きなメリットでしょう。
10,000社以上の求人数があって、利用者も10万人を突破しています。
未経験歓迎の求人ばかりですから、フリーターやニートであっても問題なく採用してもらえるはずです。
キャリアアドバイザーが実際に企業を訪問して取材をしていますから、職場の雰囲気や仕事内容、人間関係まで詳しく分かりますよ。
関東・関西圏での就職なら、利用してみると良いでしょう。
ハタラクティブ
20代のフリーターや既卒を対象としたエージェントで、未経験から正社員を目指す人に専門特化しています。
未経験歓迎の求人を1,500件以上も保有しており、職歴がない人でも問題なく内定を目指すことができるはずです。
独自のカウンセリングノウハウを持っているので、求職者の隠れた魅力を引き出して向いている職種や業種を発見してくれます。
60,000人以上のカウンセリング実績がありますから、5~10年先を見据えた提案をしてもらえるでしょう。
応募書類の添削や面接対策もバッチリで、書類審査通過率91.4%、内定率80.4%という高い水準をキープしています。