- 夜遅くまで働いているのに残業代が付かない
- 基本給が少なすぎて生活がままならない
- 求人情報の内容と労働実態が違いすぎる
など、ブラック企業に対する悩みは、色々なところで耳にします。
政府が主導となって「働き方改革」が進められていますが、労働環境が改善されているのは一部の企業だけでしょう。
ニュースや噂で聞くホワイト企業なんて、都市伝説のように思えるかもしれません。
ブラック企業でしか働いた経験がない人にとっては、ホワイト企業の存在は信じられないと思います。
しかし、名の知れた大手企業以外にも、ホワイト企業といえる会社は存在するのです。
コツさえ知っていれば誰でも見つけられますから、探し方を知っておいてください。
ここでは、待遇の良い隠れたホワイト企業の探し方について解説します。
ホワイト企業の定義
実はホワイト企業の明確な定義は存在しない
最初にお伝えすると、実はホワイト企業の明確な定義は存在しません。
朝日新聞社とVoyageGroupが共同運営するコトバンクによると、以下のように定義されています。
ホワイト企業とは、社員の待遇や福利厚生などが充実し、数ある企業の中でも働きやすさにおいて特に優れている企業、という意味合いで使われる言葉
引用:コトバンク
しかし、先述したように明確な定義はないため、待遇といっても具体的な年収が定められていたり、福利厚生についても具体的な制度が決まっているわけではないのです。
自分が満足できる条件が整っているかを考える
つまり、「ホワイト企業がいい!」となったときに大事なのは、自分が満足できる条件なのかどうかということです。
たとえば、夜遅くまで残業するような激務の環境であっても、そこで自分が求めるスキルが身に付くのならホワイト企業だといえるかもしれません。
身に付けたスキルを基にキャリアアップできれば、自分の利益になりますよね。
このように、自分が満足するかどうかが大切なので、ホワイト企業かどうかの判断は人によって異なるといえるでしょう。
だから、自分の求める条件を明確にするために、じっくりと時間をかけて考えてみてください。
数年後の自分をイメージして、どうなっていたいのかを考えます。
プライベートの時間を充実させるなら労働時間や休日日数が大切ですし、スキルを高めたいのであれば激務であっても能力が身に付く環境が大切だといえますね。
ゆっくりと考えてみて、自分が求めるホワイト企業の条件を洗い出してみてください。
ホワイト企業の特徴
年間の休日が120日以上
もちろん、一般的にホワイト企業と言われている企業には、いくつかの共通点があります。
まず1つ目が、年間休日です。
働きやすいためには、いざというときに休めることが大事です。
しっかり休みを取らなければ、人間の体も脳も機能しません。
ホワイト企業は従業員の健康管理に気を使う傾向にあるため、しっかりと休みを提供してくれます。
年間休日から見るホワイトかどうかの基準は、120日と言われています。
厚生労働省が発表した「平成29年就労条件総合調査の概況」によると、平成28年の年間休日総数の1企業平均は108.3日です。
120日ということは平均よりも約12日も多く休めるということで、納得の数値ではないでしょうか。
年間休日総数(%) | |
---|---|
69日以下 | 1.2 |
70~79日 | 3.5 |
80~89日 | 6.0 |
90~99日 | 9.9 |
100~109日 | 34.2 |
110~119日 | 16.1 |
120~129日 | 27.7 |
130日以上 | 1.2 |
残業が月間30時間以内で残業代も出る
次が、みなさん非常に気になる残業。
ホワイト企業の目安は、「月間30時間以内かつ残業代が出ること」と言われています。
多くのブラック企業と呼ばれている会社では、残業時間の長さと残業代が支給されないという二重苦に陥っています。
みなし残業と呼ばれる残業代が元々基本給に組み込まれている制度も、まだ多く残っているほどです。
東京都産業労働局が平成29年3月に発表した「労働時間管理に関する実態調査(概要版)」によると、残業代が全額支給されない理由の内、職場の雰囲気で全額を申請できないと答えた方が21.3%、基本給に含まれているためという方が25.2%もいました。
更には、上司が申請を認めないというケースも3.1%あり、まだまだブラック企業に苦しめられている人が数多くいることを実感させられます。

参照:東京都産業労働局
研修や資格取得支援などの教育制度が充実している
3つ目の特徴が、研修や資格取得支援などの教育制度が充実していること。
ホワイト企業ほど従業員を大切にするので、従業員の成長を積極的に支援します。
新入社員に対してはビジネスマナーやコミュニケーション能力の研修、中堅社員になるとマネジメントやロジカルシンキングの研修などが行われたりしますね。
他にも、業務で必要な資格を取得するために、講座の受講費用を負担してくれることもあるでしょう。
研修や資格取得支援などの教育制度が充実しているということは、従業員の成長を支援しますよという所信表明とも言える素晴らしい仕組みです。
給与水準が高い
4つ目は、外すことの出来ない待遇面、つまり給与水準が高いということですね。
ホワイト企業とよばれるほどの給与水準は、いくらでしょうか。
大手メディア東洋経済は、2017年4月に「残業少ないのに給料が高い」83社ランキングという記事を出しています。
その記事において好条件としているのが、「年収700万、月残業15時間以下」というもの。
もちろんホワイト企業の中でも更によりすぐりの条件ではありますので、一概に700万以上がホワイト企業だ!というわけではないですが、1つのよい基準といえるのではないでしょうか。
気軽に有給を取得できる
次が、気軽に有給を取得できるということ。
ホワイト企業ほど従業員の健康管理やプライベートの充実に気を使う傾向にありますので、企業として有給を取りやすい環境づくりをしてくれています。
ブラック企業では、有休があっても使える雰囲気ではないですが、ホワイト企業では気軽に有給を申請することができるわけです。
むしろ、有休が残っていたら強制的に休まされたりするので、休みを取ることに気を遣う必要はありません。
長期の旅行に行きたいとき、家族が病気になったときなど、休みたい時にいつでも仕事を休むことができるでしょう。
肉体的に疲れることはありませんし、精神的にも非常に安定して社会人生活を送ることが可能です。
福利厚生が充実している
そして、次が福利厚生の充実です。
もちろん福利厚生が一切ない企業はありませんが、ホワイト企業の福利厚生とはどういうものでしょうか。
福利厚生には、大きく分けて二種類あります。
1つが法定福利厚生といって、法律によって企業に措置が義務付けられているもの。
例えば、健康保険料、厚生年金保険料などの負担は企業に義務付けられています。
もう1つが、ホワイト企業によく見られる法定外福利厚生で、住宅手当、社員食堂など、いわゆるあると嬉しい福利厚生ですね。
そして、この法定・法定外どちらもきっちり制度として成り立っているのが、ホワイト企業といえるでしょう。
新卒の3年以内離職率が5%前後
次が、新卒の3年以内離職率で、離職率は5%を境にホワイトかどうか判断できると言えるでしょう。
厚生労働省が発表している新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月)によると、大卒の新卒3年以内離職率は約30%とのこと。
5%という数字が、いかにすごい数字かわかるのではないでしょうか。
新規学卒就職者の就職後3年以内離職率(%) | |
---|---|
大学 | 32.2 |
短大等 | 41.3 |
高校 | 40.8 |
中学 | 67.7 |
初めて会社に入ると、大体が思っていた会社と違ったというギャップに苦しむもの。
ホワイト企業はそのギャップがあるものの、それでも定着する魅力があるということでしょう。
産休や育休など女性に優しい制度が充実している
そして最後が、産休や育休など女性に優しい制度が充実しているということ。
産休や育休はようやく女性が取りやすい時代になってきたものの、まだまだ働くママさんにとって働きやすい社会になっているとは言えません。
大手人材総合会社マイナビが運営するマイナビニュースでは、2016年に「女性が働き続けるために必要な制度は?」というアンケートを取っています。
その中に上がっていたのが、以下の要素です。
- 託児施設の完備
- フレックスなどの柔軟な勤務制度
- 在宅勤務制度
- 定時退社の促進
- 男女平等
どれも柔軟な働き方が必要なママさんたちには、ありがたい制度ばかりです。
男性のみなさんも自分には直接関係ないと思わずに、ホワイト企業かどうかを見極めるために、こういった女性に優しい制度が充実しているかをチェックすることをオススメします。
ホワイト企業への入社は難易度が高い
大手企業だと相応のスキルや経験が求められる
ホワイト企業についての理解が大分深まったかと思いますが、大事なのはホワイト企業に入社できるかどうかということです。
もちろんこれだけ良い条件が揃っているため、ホワイト企業への入社難易度は非常に高いです。
まず第一に、ホワイト企業と呼ばれる多くの大企業では相応のスキルや経験が求められます。
入社希望者は数多くいますので、スキルや経験のハードルを設けて選定するとなると、そのレベルも自然と高くなってしまいます。
そもそも離職率が低いので求人が少ない
次に、そもそも離職率が低いので求人が少ないことが挙げられます。
企業が求人を出す理由は欠員の場合がほとんどです。
しかし、ホワイト企業はその労働環境の良さから辞める人がほとんど出ることはありません。
新卒の3年後離職率が0%の会社も多く、中途採用を一切しないことも珍しくないです。
ネームバリューのある大企業は求人が少ないため、それ以外の求人からホワイト企業を探す必要があるでしょう。
掘り出し物のホワイト企業の探し方は、後述するので参考にしてください。
新卒採用に力を入れているので中途採用だと厳しい
そして3つ目の理由が、新卒採用に力を入れているので中途採用だと厳しい、ということです。
企業が中途採用をする理由は欠員以外にも、事業拡大というケースが見受けられます。
中で抜擢する人がいないため、外から即戦力を採用するケースです。
しかし、大手企業は新卒採用に力を入れていることがほとんどで、事業拡大の際も新卒から育った人を抜擢することがほとんどです。
そのため、外部から人をどんどん採用しようということになるパターンは非常に少ないと言えます。
誰も知らない穴場のホワイト企業の探し方
ここまでですと、「じゃあホワイト企業に中途採用で入ることはほぼ難しいのか・・・」と思ってしまいますよね。
しかし、実際にはそんなことはありません。
誰もが知る大手のホワイト企業は倍率が高いですが、知る人ぞ知る穴場のホワイト企業を自分で探してしまえばいいのです。
ホワイト企業の数は多くありませんが、ちゃんと探せばきっと見つかります。
以下で紹介する方法で、探してみてください。
儲かっている企業ほどホワイトである確率が高い
まず意識するべきことは、儲かっている企業を探すということです。
先述したホワイト企業の特徴は、待遇や福利厚生が充実しているということでしたね。
待遇や福利厚生を充実するためには、そのためのお金が必要となります。
つまり、逆説的な話になってしまいますが、儲かっている企業ほど待遇や福利厚生が充実している可能性が高いのです。
利益が出ている会社は、福利厚生を充実させることで税金を安くすることができます。
税金で取られるくらいなら社員に還元しようという経営者は多いですから、利益が上がっている会社は待遇が良いと思ってください。
IR情報や四季報などで会社の業績をチェックする
具体的な探し方としては、IR情報や四季報などで会社の業績をチェックすることです。
非上場企業ですと業績を公開していませんので、上場している企業、つまり四季報に掲載されている企業を満遍なく確認するのが良いでしょう。
その際に着目したいのが利益率です。
売上だけ高くとも、利益が出なくては社員に還元できません。
ついつい売上や社員数など見せかけの数値に目が行きがちですが、利益に目をやることで、よりホワイト企業を探し出しやすくなります。
非上場企業でも会社ホームページに財務情報を掲載していることがありますし、帝国データバンクから数千円で情報を購入する方法もありますね。
あとは、雑誌や電車の中吊り広告などを出している会社は、儲かっている可能性が高いです。
広告宣伝に力を入れる会社は利益が出ているので、そういったところから調べてみるのも良いでしょう。
法人向け企業は利益率が高く優良企業が多い傾向にある
特に、法人向け企業は利益率が高く優良企業が多い傾向にあります。
個人の向けの商品やサービスは、単価も安い上に、トレンドが非常に変わりやすいです。
しかし、企業向けサービスは単価が高い上に、トレンドもそこまで変わりやすくなく、一度契約すれば長期間使われることも多いため、売上・利益とも安定しやすい傾向にあります。
たとえば、コピー機一台で数百万円、その後もトナーや用紙などの消耗品で継続的に利益が発生したりするわけです。
個人向けの食料品などとは、単価のケタが違います。
法人向け企業は一般的には名が知れていないことが多いので、応募する人が少なくて狙い目だったりするでしょう。
ビジネスモデルで利益の傾向はわかりますので、個人向けか法人向けかというのはチェックすることをおすすめします。
ホワイト企業を見つけるなら転職エージェントを利用する
自分でホワイト企業を見つけるとなると、会社の財務情報や労働環境などを自分で調べないといけません。
それだけでも相当な時間が掛かってしまいますし、実際の労働実態などは入社してみないと分からないことが多いです。
外部から調べただけでは、その会社の実態が見えてこないわけですね。
なので、ホワイト企業だと思ったのに、実はブラック企業だったということがよくあります。
そういったリスクを避けるためには、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントで紹介している求人は、厳しい審査を通過したホワイト企業のみで、ブラック企業はすべて排除されています。
しかも、キャリアアドバイザーが実際に企業へ訪問して実態を把握していますから、その会社の詳しい状況を正確に教えてもらえるわけです。
日々の残業時間や給料体系、福利厚生や人間関係など、外からは分からない情報も提供してもらえるでしょう。
自分が求める条件を伝えれば、それに合った企業が紹介されます。
転職のプロに任せることができるので、失敗するリスクを最小限に抑えることができますよ。
会社選びに自信がない人は、転職エージェントを利用すると良いでしょう。
以下のエージェントは、実績が豊富で当サイトでも人気なので、登録してみてください。
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
全国に470名のアドバイザーが在籍しており、各業界・業種に精通している人材が豊富です。
最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
マイナビエージェント
マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
首都圏や関西エリアだけでなく、名古屋や福岡、札幌などにも拠点があるため、全国の求人に対応しています。
業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。