広告代理店といえば、電通や博報堂などの一流企業が有名なので、キラキラした業界というイメージがあるでしょう。
新卒者の中でも人気上位を占める業界であり、憧れをもって入社する人が多いです。
しかし、就職した方が感じているのは、外から見たときと中に入った後の現実とのギャップではないでしょうか。
外から見えるイメージとは違って、泥臭い仕事が多い業界でもあります。
入社した新入社員の多くは、数ヶ月で「辛い」「辞めたい」と弱音を吐いてしまいますね。
どうしても自分に合わないなら辞めるべきですが、転職先を選ぶ際には広告代理店での経験を活かせる企業を選ぶべきでしょう。
今回は、広告代理店のスキルを活かせる転職先について解説します。
広告代理店を辞めたくなる理由
華やかに見えるが激務が当たり前の業界である
それでは、なぜ広告代理店を辞めたくなるのでしょうか。
国内最大級の転職・就職の口コミサイト「Vorkers」は、「約6万8000県の社員クチコミから分析した”残業時間”に関するレポート」を発表しています。
残業時間が多い業界の1位はコンサル業界で、学生から見てもコンサルといえば多忙というイメージがあるので納得です。
そして、なんと2位に広告代理店がランクインしています。
順位 | 業種 |
---|---|
1位 | コンサルティング |
2位 | 広告代理店 |
3位 | 建築 |
4位 | 放送・出版 |
5位 | 不動産 |
広告代理店は外から見ると非常に華やかな世界ですが、上記の様に、残業時間が非常に長く、激務であることが当たり前の業界です。
何となく分かっていたものの、華やかなイメージばかりが先行し就職を選んだ人ほど、このギャップに苦しんでいる様に感じます。
広告主の都合に合わせるため残業や休日出勤が多い
残業時間が多いということと同じく、広告代理店は休日出勤が多いことでも有名です。
なぜなら、彼らの仕事は広告主の都合に合わせることがほとんどだからですね。
広告を出す企業の多くは、一般消費者向けの製品を扱うお客さまです。
一般消費者向けの製品を扱う業界は残業時間や平日休み・休日出勤が多い企業様も多いため、自然と広告代理店側も残業や休日出勤が多くなってしまいます。
常に入稿期限に追われるため時間が無い
広告代理店というと、テレビCMといった華やかな広告が思い浮かぶ方も多いでしょう。
しかし、広告の媒体は多種多様で、テレビCM、新聞、インターネットなどを同時に使って一斉に広告を出していくことも多々あります。
そのため、同時並行で数多くの入稿期限を抱えていることもあるため、常に時間に追われる生活をすごすことになってしまいがちです。
年末になるほど忙しくなってしまい、数日間は会社に泊まり込みで働くこともよくあります。
出稿媒体によってルールがことなるので合わせるのが大変
そして、同時並行で多種多様な媒体を出すことが大変な理由は、期限に追われているからというだけではありません。
当たり前ですが、媒体が違えば出稿のルールが変わります。
同じ商品でも、出稿媒体の分だけルールを理解し、その媒体に合わせて仕事をしなくてはならず、非常に複雑でストレスがかかるわけです。
一つの広告商品に対して複数のバナーや文言を作成する必要があり、入稿審査でNGが出れば作り直して再入稿するなど、多くの手間が掛かってしまいますね。
体育会系の企業が多くパワハラ・セクハラが横行している
広告代理店といえば社風も独特で、華やかなイメージとは違って実はゴリゴリの体育会系です。
そのため、ほとんどの企業において、パワハラ・セクハラが横行しています。
元々、体育会系であった方が多いですが、体育会系だったからといって耐えられるかどうかは別問題で、社会に出てまで体育会系の文化に苦しまされることに耐えきれない方も数多くいます。
上下関係が厳しいために先輩には逆らえませんし、悪い先輩に目を付けられると嫌がらせをされるといったことも日常茶飯事です。
ただでさえ仕事が忙しいのに、嫌がらせをされてしまうなら耐えがたい苦痛となってしまうでしょう。
新規獲得営業だとテレアポや資料作成などの地味な仕事ばかり
憧れの企業へ入社しても、自分がやりたかった業務をできるとは限りません。
特に、新規獲得営業は地味な仕事の連続で、テレアポでは毎日数十社の企業に電話しながら断られ、ようやくアポイントメントが取れたら資料作成を夜中まで行う日々です。
「こんなはずではなかった・・・」と、地味な仕事内容に嫌気がさして辞めていく人も後をたちません。
華やかな仕事に強い憧れを持っている人ほど、現実との落差にショックを受けてしまいがちです。
広告の成果が出ないとクライアントからクレームが入る
広告を出すということは、非常に大きなお金が動くビジネスです。
そのため、いざ広告の成果が出ないときは、他の業界と比較しても厳しいクレームがクライアントから入ることになります。
広告を出す企業様というのは昔から出し続けている方も多いため、これまでもこれからも長く太い付き合いをしないといけません。
そうしたお客様ほどクレームが一旦くると非常に激しく、精神をすり減らせられるため、そのストレスで辞めたくなることも多々あるでしょう。
飲み会や接待などの付き合いが多い
悩みのタネは、業務時間だけではありません。
先述したように、社風は体育会系でお客様は付き合いの長いお得意様となると、飲み会や接待などの付き合いが他業界と比較しても圧倒的に多いです。
ただでさえ業務時間も長く辛いのに、そこから連日連夜遅くまで飲み歩くとなると、とても身が持たないでしょう。
辞めたくなったら早目に辞めた方が良い
大手の広告代理店以外は待遇が良いとは言えない
先述した悩みも多いものの、業界外の方からすると「とはいえ美味しい思いもしているんでしょ?」と思われがちです。
東洋経済ONLINEが発表した平均年収「全国トップ500社」最新ランキングによると、22位に平均年収1,236万円で電通、51位に平均年収1,056万円で博報堂がランクインしており、確かに一見広告代理店は待遇が良いと思われがちです。
しかし、ほとんどの広告代理店はいわゆる中小企業で、他業界と比較しても待遇が良いとは言えません。
それにもかかわらず大手広告代理店と同様に労働時間は長く、業務内容も非常に辛いという過酷な仕事です。
広告代理店がすべて高収入かというと、実際にはそうではないということですね。
過労による体調不良や死のリスクもある
広告代理店は過酷な労働条件であるため、過労による体調不良や死のリスクが存在します。
連日のように長時間労働をしていては、体の疲労が蓄積されてしまいますし、精神的にも追い詰められてしまうでしょう。
体に溜まった疲れは週末の休みだけでは解消されることがなく、知らないうちに疲労は増えていきます。
ある一定のラインまでは無理をすれば耐えられますが、限界を超えてしまうと突然死するリスクもあるわけですね。
実際に過労で無くなっているビジネスマンは後を絶ちませんから、他人事で済まされることではないといえるでしょう。
精神的に追い詰められると辞めるという選択肢も無くなってしまう
精神的に追い詰められてしまうと、上司や周囲からの圧力に恐れ、辞めたくても辞めたいと言い出せなくなってしまいます。
真面目な人ほど頑張りすぎる傾向にありますから、辞めるという選択肢を考えずに、無視して頑張り続けるという道を選びがちです。
すると、精神的に逃げ道が無くなってしまい、過労自殺という結果になることもありますね。
そのため、もしすでに自分の中のキャパを超えているなと感じたときには、極力早めに辞めるほうがベターです。
会社を辞めるということに、引け目を感じる必要は一切ありません。
広告代理店の過酷さがいかに異様かということを理解し、辞めれるときに辞めたほうがいいのです。
クリエイティブな仕事なら他の業界でもできる
「せっかく憧れていた広告理代理店業界に入ったのに」と、思う方ももちろんいると思います。
しかし、なぜ広告代理店に入社したかを思い出してください。
あくまで、あの華やかでクリエイティブな雰囲気に憧れたからでしょう。
正直、クリエイティブな仕事なら、他の業界でもできます。
社会に出て様々な種類の人達と仕事をする中で、本当は広告代理店じゃなくてもいいという現実を理解しているはずです。
無理に自分を追い込むことなく、もしクリエィティブな仕事をしたいのであれば、早めに辞めて他業界に移るもの非常に賢い選択だといえるでしょう。
辞める前に自分の市場価値を調べよう
会社を辞めたとしても、ちゃんと転職できるかどうかが不安ですよね。
今よりも待遇が良い会社に入れれば良いですが、もっと悪い環境の会社しかなかったら目も当てられません。
今の自分のレベルで、どれくらいの会社に入れるのかを調べる必要があるでしょう。
自分の価値を正しく知らないままで転職すると、理想と現実とのギャップに苦しむことになります。
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つまり、自分が転職するなら、どのレベルの企業に入ってどれくらいの年収をもらえるかが分かるわけです。
また、自分の情報を登録するだけで企業からオファーが届くので、書類選考をパスして確実に面接を受けることができます。
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広告代理店のスキルを活かせる転職先
最後に、具体的に広告代理店のスキルを活かせる転職先を紹介していきます。
他の業界へ転職する際には、これまでのスキルを活かせることで、より好待遇で内定をもらえるようになるでしょう。
大手企業の広報部
まず王道が、大手企業の広報部への転職です。
先述したように、広告とは大きなお金が動く業界のため、クライアントの多くはいわゆる大手企業となります。
そのため、多くの方が大手企業の製品や、会社そのものをどう世の中に魅せるべきかという仕事で経験を積んできたわけです。
これはまさに、企業内の広報部の仕事にそのまま活きることになります。
企業広報は、世の中にその会社のイメージを宣伝する仕事です。
広告代理店として数多の大手企業を外部からプロデュースしてきた経験は、そのまま大手企業内の広報の仕事として活かしていけるでしょう。
企業のマーケティング部門
次が、企業のマーケティング部門です。
企業のマーケティング部門は、広告代理店で働いていたときのお客様ですね。
つまり、広告代理店として企業のマーケティング部門が何を望み、どのように仕事をしてきたのかにはすでに精通しています。
また、共同作業で仕事をしてきたようなものですから、仕事内容についても違和感なくこなせるでしょう。
広告業界での経験があれば、企業の宣伝活動も問題なくこなせるはずです。
テレビ番組の制作会社
また、TV番組の制作会社も非常に親和性が高いです。
テレビ番組の制作は根気と体力が必要な仕事で、常に世の中の情報にアンテナをはりながら、スポンサーを探し続けるなどの営業活動もしなくてはなりません。
これは正に、広告代理店時代に培った能力と同じですよね。
世の中ではどんな情報が求められているかリサーチしながら広告に活かしながら、また常に第一線でお客様との折衝をし続けていたはずです。
もちろん、テレビ業界も大変な仕事ですが、テレビ業界で一度は働いてみたいという夢をもっている方も多いと思います。
広告代理店の退職を機に、チャレンジしてみるのもいいかもしれません。
Webマーケティング(SEO・PPC)の代行業者
Webマーケティング(SEO・PPC)の代行業者も、非常に親和性が高いです。
簡単に言うと、今までやってきた仕事がWeb上での広告に特化されるというだけですね。
しかし、Webマーケティングは雑誌・TVなどと違って泥臭さが少なくなるので、これまでよりもホワイトに働ける可能性が高くなります。
今まで培ってきたスキルを最もダイレクトに活かしつつ、働き方を変えたい方にはぴったりだと思います。
広告代理店からの転職は転職エージェントを利用しよう
ハードワークな広告代理店を続けられるのは、限られた人たちだけだと思います。
体力と精神力が求められるため、一般的な人だと数年働いただけで耐えられなくなるでしょう。
なので、嫌になったのであれば早急に辞めるべきだと言えます。
他にも仕事はたくさんありますし、早いうちに辞めて転職することでキャリアを積み上げることができるはずです。
ただ、いきなり転職活動を始めたとしても、なかなか上手くいかないと思います。
自分のスキルを活かせる職場を探さないといけませんし、限られた時間の中で転職活動を行うのは至難の業だといえるでしょう。
そこで、転職エージェントを利用することをおすすめします。
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