転職活動をする上では、転職エージェントを利用すると、色々なサービスを無料で受けることができます。
一人で活動するよりも、圧倒的に効率が良くなるのでおススメです。
でも、何も考えずにエージェントを利用すると、思わぬ失敗を招くかもしれません。
少なからずデメリットもありますから、メリットと合わせて理解しておいてください。
ここでは、転職エージェントのメリット・デメリットについて解説をします。
転職エージェントのメリット
非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントで扱っている求人の多くは、一般的な転職サイトなどには掲載されていません。
いわゆる「非公開求人」と呼ばれるものですね。
大手の人気企業などでは、求人情報を公開すると応募が殺到する可能性があります。
すると、書類選考だけでも膨大な時間を取られるので、かなりの手間が掛かってしまうわけです。
だから、転職エージェントに依頼をして、ひっそりと求人を募集する傾向にあります。
大手のエージェントだと、数万件以上の非公開求人を保有しているようです。
自分の希望条件を伝えれば、それに合った求人を紹介してもらえますよ。
自分で探しても絶対に見つからない求人情報ですから、これを紹介してもらえるだけでも相当なメリットですね。
自分の強みを知ることができる
あなたのアピールポイントは何ですか?
この質問をされたときに、すぐに答えられる人は少ないと思います。
自分の強みを理解していなければ、転職を成功させることは難しいでしょう。
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーによるカウンセリングを受けることができます。
あなたの過去のキャリアを整理して、何をアピールすれば良いのかというアドバイスが受けられるんです。
キャリアアドバイザーは、これまで何百人の求職者を見てきたわけですし、業界動向にも精通しています。
そういったプロの目から見てもらうことで、自分でも気づかなかった強みを知ることができるでしょう。
また、業界ごとの転職市場の動向なども教えてもらえますから、どんなスキルを身に付ければ自分の価値を高められるかを知ることができます。
数年後のキャリアプランを立てられるので、不安なことがあれば何でも相談するようにしましょう。
転職活動は孤独と不安との闘いですから、プロのアドバイスが受けられるのは心強いメリットですよ。
転職活動における手続きを代行してもらえる
転職活動では、やることが非常に多いです。
求人情報を探したり、履歴書や職務経歴書を作成したり、面接日時を調整したり・・・。
仕事をしながら活動するとなると、かなりハードなスケジュールを組まないといけません。
これに耐えることができずに、途中で転職を諦める人もいますね。
でも、転職エージェントなら、こういった手続きのすべてを代行してくれます。
- 条件に合った求人の紹介
- 応募書類(履歴書・職務経歴書)の作成と添削
- 求人への応募手続き
- 面接日時の調整
- 入社関連の手続き
これらをすべてやってくれるので、自分でやることと言えば面接へ行くことくらいです。
忙しくて暇がない人なら、絶対に転職エージェントを利用するべきだと思います。
企業の社風や人間関係などの内情を知ることができる
ホームページやパンフレットで良い雰囲気だとしても、実際に入社してみるとイメージと違っていることがあります。
企業の内情は外側から見えませんから、分からないことが多いですよね。
特に、最近だとブラック企業が社会問題化していますから、入社後に後悔する人も多いと聞きます。
転職エージェントが保有している案件は、キャリアアドバイザーが詳しく内情を知っているものばかりです。
各企業の社風や労働環境、人間関係まで分かっているので、それらを聞いたうえで応募することができます。
入社後のミスマッチを防ぐことができますから、転職に失敗する可能性を大きく減らせますよ。
面接のシミュレーションをしてくれる
転職活動の中で、面接を受ける時が最も緊張しますよね。
面接ですべてを判断されますから、失敗は絶対に許されません。
転職エージェントでは、模擬面接を行って対策をしてくれます。
過去のデータから企業ごとの特徴を理解しているので、面接を通過するための入れ知恵をしてくれるわけです。
たとえば、「この企業は営業力を重視しているので、これまでの営業実績をアピールしてください」とか、「人柄を重要視する面接官なので、明るくハキハキと受け答えしましょう」といったアドバイスを受けられます。
どの部分をどのようにアピールすれば良いかが分かるので、自信をもって面接へ挑むことができるでしょう。
採用担当者へ推薦してもらえる
面接対策を行ったとしても、本番では緊張して上手くアピールできないことがあります。
頭が真っ白になってしまって、パニックになるかもしれません。
でも、安心してください。
キャリアアドバイザーが、面接後に採用担当者に対して推薦を行ってくれます。
「本番では上手く話せませんでしたが、○○のスキルがあって御社で活躍できると思いますよ」など、アピールポイントを伝えてくれるわけですね。
キャリアアドバイザーは、色々な企業の採用担当者とパイプがありますから、懇意にしている担当者なら優遇してもらえるはずです。
面接後に印象が残っていなくても、アドバイザーの一言で内定が決まることも珍しくありません。
待遇の交渉を代行してくれる
面接が順調に進んで内定が決まりかけると、給与や役職などの条件交渉に入ります。
年収アップ目的で転職を考えている人は、ここがかなり重要なポイントです。
でも、待遇について自分の意見を述べるのは、少し気が引けますよね。
お金が絡んでくると、どうしても言いにくい雰囲気となってしまいます。
転職エージェントなら、待遇面についての交渉も代行してくれます。
あらかじめ自分の希望を伝えておけば、それに沿う形で採用担当者と協議をしてくれるわけです。
エージェントの報酬は、転職者の年収の3割が相場と言われています。
つまり、年収が高くなるほど、転職エージェントも儲かるわけですね。
そのため、少しでも待遇が良くなるように、応募企業に対して猛プッシュしてくれるでしょう。
円満退職のためのサポート
応募先企業から内定をもらっても、それで終わりではありません。
今の会社を辞めてから、内定先に入社が完了するまでが転職活動です。
実は、会社を辞める際に、上司と揉めるケースが非常に多くなっています。
退職がスムーズに進まなければ、内定先への入社が遅れてしまいますね。
最悪の場合、内定が取り消しになるので、注意しなくてはいけません。
転職エージェントでは、円満に退職できるためのサポートをしてくれます。
退職時に上司と揉めそうであれば、積極的に相談をしてください。
上司を説得するためのコツや、退職に関する法律などを教えてもらえるはずです。
不採用の理由を知ることができる
一人で転職活動をしている場合、不採用であっても本当の理由を知ることができません。
採用担当者に理由を聞いても、「今回は縁が無かったということで・・。」という建前しか聞くことができないわけです。
自分に重大な欠点があった場合、それを改善できないままで転職活動を続けることになります。
これって、かなり危険なことですよね。
でも、転職エージェントでは、不採用だったときに理由を聞くことができます。
キャリアアドバイザーが、採用担当者に確認してくれるんですね。
なぜダメだったのかが分かれば、それを修正して次に生かすことができるでしょう。
自分を見つめ直すことにもつながるので、不採用の理由については非常に重要です。
これを知ることができるのは、かなり大きなメリットといえます。
転職エージェントのデメリット
身の丈以上の転職が難しい
転職をするからには、今よりも格上の会社へキャリアアップしたいと考える人が多いでしょう。
年収をアップしたいとか、管理職に就きたいとか、上場企業へ入りたいとか・・・。
上を目指すのは素晴らしいですが、自分の実力以上の会社へは応募させてくれない可能性があります。
転職エージェントも商売ですから、確実に内定をもらえる企業でないと推薦しない傾向にあるんですね。
一つの企業へ応募するだけでも、かなりの手間が掛かります。
応募書類の作成や面接日時の設定などを代行しても、内定がもらえなければ意味がありません。
転職エージェントは成果報酬なので、内定が出ないとタダ働きになるんですね。
なので、求職者のスキルでフィルタリングをして、無難な求人しか紹介しないエージェントが多いです。
格上の企業への転職を考えているなら、自分で活動したほうが良いかもしれません。
ただ、管理職以上のハイキャリア求人を専門に扱うエージェントもあるので、そういったところを利用すればキャリアアップは不可能ではないでしょう。
もちろん、自分のスキルが伴っていればの話ですけどね。
自信があるのなら、チャレンジしてみても良いと思います。
地方の求人には対応しない場合が多い
転職エージェントで扱う求人の多くは、大都市圏の企業ばかりです。
東京や大阪、名古屋など、人口が集中している都市圏しか対応していなかったりします。
なので、地元へ戻るUターン転職を考えている場合は、そもそも求人が存在しないかもしれません。
地方の求人を探すなら、地元の求人誌などで探した方が効率的です。
でも、中小の転職エージェントでは、地域密着型で運営している会社もあります。
そういったところがあれば、相談してみると良いでしょう。
キャリアアドバイザーとの面談が必要になる
転職エージェントに登録すると、担当するキャリアアドバイザーとの面談が設定されます。
実際に自分の担当者と会って、希望する条件のすり合わせをしたり、キャリアの相談をしないといけません。
エージェントの事務所へ訪問しないといけないので、これが面倒に感じる人もいますね。
仕事が忙しくて時間の捻出が難しい人なら、スケジュールの調整ができなかったりします。
夜間や土日の面談に対応している転職エージェントも多いですから、時間を合わせられるように調整してください。
この面談が無ければ求人の紹介が受けられないので、非常に大切なことです。
エージェントの都合で求人を決定されるケースがある
転職エージェントにとってのお客は、求人を出す企業です。
そして、求職者は商品ということになります。
つまり、お客様(求人企業)に対して、商品(求職者)を売るのが、転職エージェントということですね。
そのため、お客様(求人企業)の意見を最優先にして、行動していくことになります。
これはビジネスである以上、仕方の無いことです。
企業から急ぎの依頼があった場合、優先的にその求人が紹介されるでしょう。
求職者のニーズに合っていなかったとしても、半ば強引に勧められることがあります。
また、紹介実績の高い企業へ、優先的に紹介していく可能性もありますね。
何度も紹介したことがある企業だと、採用担当者との信頼も築けているので内定をもらいやすいからです。
だから、キャリアアドバイザーの言うことをすべて鵜呑みにするのではなく、最終的には自分の意思で決定しないといけません。
転職エージェントの顧客は求人企業ですから、それを忘れないようにしてください。
必ずしも求人が紹介されるとは限らない
これまでのキャリアや持っているスキルによっては、市場価値が低いと判断されることがあります。
そうなると、求人を紹介してもらえないかもしれません。
また、すぐに転職を考えていない人の場合も、積極的に対応してもらえない可能性がありますね。
キャリアアドバイザーも売上を気にしていますから、早く転職が決まる人ほど優先して対応していくでしょう。
転職エージェントは、転職が決まった企業から手数料を取る成果報酬ビジネスです。
だから、内定を取れそうもない求職者の場合、求人を紹介しても無駄ということになりますね。
エージェントに登録しても、全く求人の紹介が無いままで数カ月も放置されたというケースを聞いたことがあります。
何度かキャリアアドバイザーに聞いて音沙汰がない場合は、他のエージェントに登録するか、自分で求人を探した方が良いと思いますね。
キャリアアドバイザーのスキルに差がある
転職エージェントに登録しても、すべての人が同じサービスを受けられるとは限りません。
担当したキャリアアドバイザーのスキルが低い場合、満足のいく対応が受けられないことがありますね。
やはり、アドバイザーも人間なので、能力に関しては個人差があるんです。
業界知識が乏しかったり、企業の採用担当と信頼が築けていなかったり、基本的な報連相ができないなど、ダメなアドバイザーも存在します。
また、自分との相性も大切ですね。
優秀なアドバイザーだとしても、自分とは性格が合わないこともあるでしょう。
それだと、満足のいくサポートは受けられないので注意してください。
キャリアアドバイザーに不満がある場合には、担当者の変更を依頼することができます。
自分の将来を決定するわけなので、納得できないなら担当者を変えるようにしてください。
直接応募に負ける可能性がある
企業が転職エージェント経由で人材を採用した場合、転職者の年収の3割ほどが手数料として掛かってしまいます。
年収500万円であれば、150万円ほどの手数料ですね。
しかし、企業のホームページなどからの直接応募であれば、お金を掛けることなく採用することができるわけです。
では、転職エージェント経由と直接応募が、同時期に重なったらどうでしょうか?
スキルに差が無い場合だと、確実に直接応募から採用するはずです。
一切のお金が掛からないからですね。
このように、他の応募者と天秤にかけられた場合、転職エージェントでは不利になってしまいます。
同時期にバッティングする可能性は低いですが、こういったデメリットも知っておいてください。
内定後にプレッシャーを掛けられることがある
面接を受けて運良く内定をもらっても、入社するかどうか迷うことがありますよね。
他に本命の企業があったり、イメージと若干異なっていたり、転職自体を迷っていたり、理由は様々だと思います。
すぐに入社の意思を示さない場合、エージェントからプレッシャーを掛けられるかもしれません。
何度も言うように、転職エージェントは転職が完了して初めて報酬が得られるビジネスです。
だから、内定が出ても入社しなければ、一切の売上が上がりません。
利益が出るまであと一歩の状況なので、エージェントとしては絶対に入社してほしいと考えますよね。
中には、強引に決断を迫るアドバイザーもいるでしょう。
押しに弱い人だと、納得いかないまま入社を決めてしまうことがあります。
断る勇気を持てないことで、転職に失敗するかもしれません。
将来的に後悔することの無いように、最終的な決定は自分で行うようにしてください。
結局、転職エージェントは使うべきか?
転職エージェントのメリットとデメリットについて、解説をしてきました。
もう一度、整理してみましょう。
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 自分の強みを知ることができる
- 転職活動における手続きを代行してもらえる
- 企業の社風や人間関係などの内情を知ることができる
- 面接のシミュレーションをしてくれる
- 採用担当者へ推薦してもらえる
- 待遇の交渉を代行してくれる
- 円満退職のためのサポート
- 不採用の理由を知ることができる
- 身の丈以上の転職が難しい
- 地方の求人には対応しない場合が多い
- キャリアアドバイザーとの面談が必要になる
- エージェントの都合で求人を決定されるケースがある
- 必ずしも求人が紹介されるとは限らない
- キャリアアドバイザーのスキルに差がある
- 直接応募に負ける可能性がある
- 内定後にプレッシャーを掛けられることがある
もちろん、エージェントごとに特徴が異なるので、すべてにこれらが当てはまるとは限りません。
でも、トータル的に考えれば、転職エージェントを使った方が得だといえますね。
非公開求人の紹介や面倒な手続きの代行だけでも役に立ちますし、キャリア相談を受けることで自信に繋げることもできます。
自分一人で活動するよりも、圧倒的に効率は良くなるでしょう。
ただし、キャリアアドバイザーの言いなりになってはいけません。
先述の通り、転職エージェントもビジネスなので、利益を追求しています。
そのためには、短期間で転職を完了させて、数をこなす必要があるわけです。
黙って言うことを聞いているだけだと、今よりも同等以下の企業へしか入ることはできないでしょう。
あなたの目的は、新しい会社へ入ることではなく、納得のいく転職をすることです。
だから、自分が求める条件を伝えて、それを満たす求人を紹介してもらうようにしてください。
そういった強い意志を持っていれば、転職エージェントを利用しても失敗することはないはずです。
「とりあえず転職エージェントに任せよう」といった安易な考え方では、何度やっても成功することはないでしょう。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
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最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
マイナビエージェント
マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
首都圏や関西エリアだけでなく、名古屋や福岡、札幌などにも拠点があるため、全国の求人に対応しています。
業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。
以上、転職エージェントのメリット・デメリットについて紹介しました。
至れり尽くせりのサービスだと言えますが、すべてにおいて完璧なものではありません。
なので、すべてを任せきりにするのではなく、美味しいところだけを活用できるようにしてください。