転職エージェントを利用するなら、必ず複数の業者に登録するべきだと言われます。
1社だけを利用する場合よりも、選択の幅が広がったりメリットが多いからですね。
「どこの業者でも同じでしょ?」と思うかもしれませんが、業者ごとに全く特徴が異なっています。
転職を成功させたいのであれば、複数登録は必須だと思ってください。
ここでは、複数のエージェントを利用するメリットと活用方法について解説を行います。
目次
複数の転職エージェントを利用するメリット
自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけることができる
転職を成功させる要素の一つとして、キャリアアドバイザーとの相性があります。
過去の職歴や今後の目標などプライベートな内容を相談するわけですから、話しやすい人でないといけません。
また、自分の強みを引き出してくれたり、ニーズをくみ取って最適な求人を紹介したりといったことは、アドバイザー個人の能力に大きく左右されます。
だから、自分に合ったアドバイザーに出会うということは、非常に大切なわけです。
いくつもの転職エージェントを掛け持ちすれば、色々なキャリアアドバイザーと会うことができますよね。
その中で比較をすることで、相性の良い人を見つけることができます。
1社だけしか登録しないと、そのアドバイザーが良いのか悪いのか判断できません。
ダメなアドバイザーに気付かないままで、転職活動を進めてしまう危険性があります。
最高のパートナーを見つけるために、色々なアドバイザーと話してみることは大切です。
特徴に合わせて使い分けることができる
転職エージェントは、業者によって特徴が異なっています。
大手のエージェントだと、膨大な求人数や業界情報などが豊富にそろっていますね。
これからの市場動向や異業種への転職を考えているなら、大手のエージェントを利用する価値はあると思います。
一方、中小のエージェントでは、業界・業種に特化していたり、サポートを重視している業者が多い傾向です。
転職したい業界が決まっているなら、中小のエージェントだと恩恵が得られるでしょう。
このような特徴は、実際に体験してみないと分かりません。
なので、多くのエージェントに登録することで、それらを見極めることができるわけです。
独占の求人情報を得ることができる
エージェントでは、独自に企業へアプローチしていますから、独占の求人情報を保有していることがあります。
なぜ企業が1社のエージェントだけに任せるのかというと、より精密なマッチングを求めているからです。
重要な事業やポジションの求人をする場合、高いレベルの人材が求められます。
広く求人を募集して大々的に集めてしまうと、マッチングがブレてしまう可能性があるんですね。
だから、限られたエージェントと密に打ち合わせをして、精度の高い人材だけを集めようとするわけです。
求めるレベルが高い分、それだけ条件も良くなります。
エージェントごとの独占案件を紹介してもらえば、好条件で転職できる可能性が高いです。
多角的な目線から自己分析ができる
面談でキャリア相談をすると、自分の強みや弱みを診断してもらうことができます。
その強みを活かせる分野へ進むことで、キャリアアップが近づくわけですね。
ただ、一人のアドバイザーだけの話を聞いてしまうと、主観的な要素が多く偏った見方になることがあります。
そこで、複数のエージェントで面談してもらうことで、色々な目線からのアドバイスが受けらるわけです。
アドバイザーによって視点が異なりますから、多角的に自分を見つめ直すことができるでしょう。
病院の診察を受ける時でも、セカンドオピニオンとして複数の病院で診てもらうのは普通ですよね。
それと同じことを、転職エージェントでも行っていきます。
相談相手が多いほど客観性も高くなるので、カウンセリングの精度もアップするはずです。
自分でも気づかなかった強みが見つかるかもしれません。
エージェントによって企業の対応が異なる
求人を出す企業の多くは、2社以上のエージェントを利用しています。
でも、利用しているすべてのエージェントで、同じ対応をするわけではありません。
エージェントの企業担当と何度も打ち合わせをするのですが、それぞれに結びつきの強さが変わってくるんですね。
やはり人間同士ですから、個人的に仲が良かったり、接触頻度が多かったりと違いがあるわけです。
なので、どこのエージェントから応募するかで、選考結果も変わってくることになります。
Aのエージェントだと書類で落とされたのに、Bのエージェントでは内定がもらえたということがあるんです。
エージェントごとに得意な企業が違いますから、色々なエージェントからおススメの企業を紹介してもらった方がメリットがあります。
複数の転職エージェントを利用するデメリット
エージェントとのやり取りが多くなる
転職エージェントに登録すると、最初に面談を行って、その後もメールや電話などで連絡を重ねていきます。
複数に登録するとなると、それだけ対応も多くなってしまうわけですね。
面談のためにエージェントの事務所へ訪問するだけでも手間が掛かりますし、じゃんじゃんメールや電話が入ってきます。
そういった対応が面倒に感じる人は、疲れてしまうかもしれません。
なので、忙しくて対応の時間が取りにくいなら、自分の状況に合わせて登録数を制限したほうが良いでしょう。
できれば、3~4社に登録するのが望ましいですが、それが無理なら最低でも2社への登録をおススメします。
情報量が多すぎて混乱することがある
色々なアドバイザーの話を聞けるのはメリットですが、それぞれに違うことを言われると何を信じて良いのか分からなくなることがあります。
情報が多いと処理しきれないので、重要なポイントを取捨選択しないといけませんね。
混乱しないためには、自分が最も信頼できるアドバイザーに絞ることです。
複数のアドバイザーと話せば、その中で相性が良い人が見つかると思います。
本命の担当者を見つけることで、余計な情報に惑わされることは無くなるでしょう。
他のエージェントの意見は参考程度にとどめて、本命アドバイザーの意見を優先してください。
いくつものエージェントを掛け持ちするときの注意点
複数登録していることを隠さない
エージェントに登録したら、他のエージェントを利用していることを正直に伝えてください。
ライバル社の利用を伝えると印象が悪くなると思いがちですが、ちゃんと伝えないと転職活動がスムーズにいきません。
キャリアアドバイザーは、最短で内定が決まるように、企業への応募や面接対策などのスケジュールを設定していきます。
他のエージェントの利用を黙っていると、そのスケジュール調整が上手くいかなくなるんです。
特に、面接日時の設定で手間取ってしまえば、応募先企業にも迷惑が掛かってしまいます。
なので、複数登録していることを伝えておいて、余裕を持ったスケジュールを決めてもらえるようにしてください。
複数のエージェントから同じ求人に応募しない
転職エージェントは、企業に人材を紹介することで手数料を受け取るビジネスです。
だから、複数のエージェントから同じ企業へ応募すると、トラブルになることがあります。
「どのエージェントが手数料をもらうのか?」という問題が起きるわけですね。
通常、転職エージェントは、企業とオーナーシップという契約を結んでいます。
これは、その人材を最初に紹介したエージェントに、人材の所有権を与えるという条項です。
オーナーシップ
紹介時に採用されなくても、1年以内に再応募して採用されれば、エージェントに紹介料が発生する。
紹介料を受け取れないエージェントからの心象を悪くするので、他のエージェントから応募している企業はすべて伝えておくようにしてください。
転職活動の進捗状況は常に報告する
転職活動中は、キャリアアドバイザーと密に連絡を取り合ってください。
紹介された求人の検討状況や他のエージェントでの動きなどの報告ですね。
複数登録をしていると、特定のエージェントだけにしか報告しない人がいます。
それだと、アドバイザーは不安になってしまいますし、満足のいくサポートも受けられません。
サブで登録したエージェントに対しても、きちんと報告は行ってくださいね。
アドバイザーとコミュニケーションを取っていれば、有利な情報を回してくれることがあります。
複数登録の中から自分に合ったエージェントを見つけるには?
転職活動を成功させるには、複数の転職エージェントに登録をして、そこから自分に合ったエージェントに絞り込む必要があります。
全てのエージェントで同じように対応していたら、時間がいくらあっても足りません。
だから、自分の中でも本命エージェントを決めましょう。
エージェントを絞り込む手順としては、以下の通りです。
- 総合型の転職エージェントで市場動向を探る
- 特化型の転職エージェントで自分の強みを知る
- 自分に合うアドバイザーを選択して相談する
まずは、大手の総合型エージェントに、2社以上登録してください。
総合型エージェントには、大量の求人情報が集まっていますし、色々な業界の動向を知ることができます。
オールマイティーなアドバイザーが多いですから、全体的な転職市場について教えてもらってください。
以下に、おススメのエージェントを紹介します。
リクルートエージェント
業界最大手のリクルートエージェントです。
人材業界で50年以上もの実績があるため、全国の様々な企業と太いパイプを築いています。
保有している求人の90%が非公開となっており、その数は10万件以上です。
業界でもトップクラスの求人数ですから、自分に合った企業と出合える可能性は高いでしょう。
また、キャリアアドバイザーの質が高いのも特徴ですね。
全国に470名のアドバイザーが在籍しており、各業界・業種に精通している人材が豊富です。
最新の業界情報や転職動向にも詳しいですし、過去に膨大な転職実績もあるので、的確にキャリア相談に乗ってもらえます。
土日祝や平日20時以降も対応可能なので、仕事が忙しくても利用できますよ。
リクルートエージェントは、確実に登録しておいてください。
マイナビエージェント
マイナビは、1973年に創業された人材サービスを主業務とする会社です。
人材業界ではかなりの老舗企業なので、取り扱っている業種や求人量は業界でもトップクラスとなっています。
特徴としては、20~30代の転職サポートに強いことですね。
首都圏や関西エリアだけでなく、名古屋や福岡、札幌などにも拠点があるため、全国の求人に対応しています。
業界ごとに専任のキャリアアドバイザーがいるので、専門的な情報を得ることができるでしょう。
また、企業の人事担当者とやりとりするアドバイザーもいますから、職場ごとの雰囲気なども掴むことができます。
かなり評価の高いエージェントなので、登録しておいて損はありません。
次に、中小の特化型エージェントにも、2社以上登録します。
業界・業種を絞り込んでいたり、きめ細やかなサポートが受けられるのが特徴ですね。
その業界に精通したアドバイザーが多いですから、自分の市場価値を正しく認識できます。
また、企業の営業担当とキャリアアドバイザーが同じ人であることが多いので、企業の内部情報を詳細に知ることができるメリットがありますね。
これらのプロセスを踏めば、最低でも4人以上のキャリアアドバイザーと話すことになります。
その中から、最も相性の良かった人をメインにして、転職活動を進めていけば良いわけです。
ただ、メインじゃないエージェントも情報収集には役立ちますから、マメにコンタクトを取ってくださいね。
こうすることで、効率よく転職活動ができるようになります。
以上、複数の転職エージェントを利用するべきだという話をお伝えしました。
色々なエージェントを実際に見てみることで、失敗のリスクを防ぐことができます。
変なエージェントに捕まらないためにも、複数登録して比較することが大切ですね。