キャリアプランが不明確な人は、行き当たりばったりで転職活動を行って失敗しがちです。
すると、短期間で転職を繰り返してしまうため、転職回数ばかり増えて履歴書が汚れてしまいます。
企業としては転職回数が多い人は敬遠する傾向がありますから、転職回数が増えるごとに内定をもらえる可能性は低くなってしまうでしょう。
求職者としても転職回数が多いというのは評価が下がりやすいことを分かっているため、あまり聞かれたくないところですよね。
「別に転職回数を誤魔化してもバレないのでは・・・」などと考えても、嘘が発覚すると内定取り消しになる可能性もあります。
なので、正攻法で選考を突破できる方法を知っておくようにして下さい。
今回は、転職回数が多い人の転職成功方法について解説します。
目次
転職回数が多いと不利なのか
年代別の平均的な転職回数について
転職回数が多いかもと言われても、同年代が何回転職しているのかがまず気になるところでしょう。
転職サイトリクナビNEXTは、2017年1月〜6月までに新規登録した会員データを元に「年代別の転職回数と採用実態」を発表しています。
その調査によると、まず20代の76%が転職経験なし、転職1回が16%、2回以上が8%という結果でした。
20代が中途採用を受けるときは、ほとんどが「初めての転職」となることが大半ということです。
しかし、30代になると数値は大きく変動し、転職したことのない方は47%と半分を下回ります。
40代では転職なしが38%、50代では34%と、日本でも30代を超えたあたりから、転職したことがあるというのは珍しいことではなくなるということですね。

参照:リクナビNEXT
年齢が上がるほど転職回数も増えるのは、当然の結果だと言えます。
転職回数が平均よりも多いと書類選考で不採用になりやすい
転職回数が多い方の一番の難関は、書類選考を突破することですね。
なぜなら、書類選考は表面的な情報のみで判断をするため、転職回数が多いだけで長続きしないレッテルを貼られてしまうからです。
企業にとって採用はあくまで手段なので、採用した人が中長期的に定着し、活躍し続けてくれて初めて採用が成功だったと判断できます。
その観点から行くと、転職回数が平均より多い方は、どうせまたすぐに辞めてしまう可能性が高いという懸念が生じるため不採用になりがちということです。
書類の段階では人間性は考慮されないので、転職回数が多いだけで不利になるのは間違いありません。
面接でも必ず理由を聞かれることになる
書類選考を通過したからといって、安心はできません。
もちろん、面接でもなぜ転職したのかという理由は、必ず聞かれることになります。
書類では落ち着いて考えて書く時間がたっぷりありますが、面接では様々な角度から転職理由を聞かれることになるため上手く答えられないかもしれません。
適当に考えた理由では見透かされてしまいますし、面接官が納得できる理由を説明できないといけないでしょう。
明確なキャリアビジョンの元に転職していれば問題視されない
では、転職が多いことは、必ずしも問題かというとそうではありません。
本人が明確なキャリアビジョンを定め、そのビジョンに沿って転職がされていれば問題視されないことがほとんどです。
ビジョンが定まっている求職者は、成長欲求が高く優秀な可能性も高いといえます。
求職者が求めるキャリアビジョンに対して、会社がその環境を提供できない場合、転職していくのも致し方ないでしょう。
企業が問題視するのは、転職理由が曖昧だったり、支離滅裂な理由で転職する求職者です。
理由に説明がつかなければ、もし採用してもその求職者が本当に自社に定着するかも想定ができません。
求職者の将来性や本気度を確かめるために、面接ではキャリアビジョンについて細かく質問されるんですね。
そこで上手く答えることができれば、見込みのある人材として内定をもらえるはずです。
経歴詐称は絶対にしてはいけない
職歴で嘘をつくと内定取り消し・懲戒解雇になることがある
転職回数を誤魔化すという行為は、経歴詐称に当たります。
もし経歴詐称をしていたことが発覚すると大きな問題に発展するため、絶対に経歴詐称はするべきではありません。
経歴詐称が発覚すると、まず間違いなく内定は取り消しになります。
そして、もし就職後に発覚した場合は懲戒解雇になることもあるでしょう。
懲戒解雇になった場合は、経歴に大きな傷が残るため、次の就職先を見つけることが非常に困難になります。
一時的には就職先が見つかり安心するかもしれませんが、中長期的に見て大きく損をすることになるため、絶対に経歴詐称をするべきではないのです。
持病や健康状態の嘘もいけない
経歴詐称の他にも、時々見かける大きな失敗が持病や健康状態の嘘についてです。
持病や健康状態が悪化し、退職を余儀なくされる方というのは、一定数存在します。
そして企業側からすると、もし持病や健康状態が悪い方であれば、採用しても満足に働けないため、採用することは難しいのが道理です。
しかし、求職者からすると、働けなければ病気の治療も生活もままならないため、病気・健康状態を正直に告白するのには抵抗があります。
ただ、こうした健康状態に関する情報の詐称も、大きな問題となり最終的に自分自身が最も苦しむ結果になるため、絶対に避けたほうがいいでしょう。
外資系企業の多くはリファレンスチェックを行っている
選考において本人から得る情報だけでは、どうしても限界が生じるでしょう。
そのため、外資系企業の多くはリファレンスチェックを行っています。
リファレンスチェックというのは、第三者から経歴や人柄を確認する手法ですね。
第三者に当たるのは、前職の上司や同僚のケースがほとんどです。
応募者からもらった情報を第三者にあたる前職の上司・同僚に確認しながら、虚偽がないか審査するわけです。
情報の確認先は、応募者本人が指定する場合もあれば、採用企業側が独自のネットワークを活用して確認することもあります。
ここから嘘がバレることが多く、面接で上手く取り繕っても周りの情報から発覚してしまうでしょう。
どこから情報が洩れるか分かりませんから、転職活動では嘘をつかないのが賢明です。
転職回数の嘘が発覚するケース
源泉徴収票
でも「リファレンスチェックもしていないのに、転職回数を誤魔化してバレることなんてあるの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
実は、転職回数の嘘が発覚する糸口は多々存在します。
まずひとつ目が、源泉徴収票です。
源泉徴収票には、簡単にいうと1年の給与情報のまとめが書かれています。
そして、そこには途中就職と途中退職の日時の記載欄が存在します。
そのため実は直近で短い間に転職を繰り返したけども、期間が短かったので報告しなくても大丈夫だろうと甘い考えで誤魔化すと、源泉徴収票であっさりバレてしまうというケースがあるのです。
入社時に前職での源泉徴収票を提出する義務がありますから、これを誤魔化すことはできません。
年金手帳
年金手帳においても、転職回数は発覚します。
人によっては、退職から転職までの期間が空いてしまうことがあるでしょう。
その際に、空白期間を厚生年金から国民年金へ切り替えていた方がいるのではないでしょうか。
実はこの際に、切り替えの期日が年金手帳に記載されてしまいます。
それを採用企業側が見ると過去に転職していた形跡や、空白期間について詳細情報が分かってしまい、経歴詐称発覚につながることがあります。
また、空白期間があると選考で不利にもなるので、余計に採用担当者からの心象が悪くなる可能性があるでしょう。
できることなら、仕事をしながら転職活動を行って、ブランクが空かないようにしないといけません。
雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証から、経歴詐称が発覚するケースもあります。
転職先では雇用保険を受けるために、雇用保険被保険者証を提出しなくてはいけません。
しかし、雇用保険被保険者証には前職の名称が表記されているのです。
前職は株式会社◯◯と言っておきながら、実は株式会社△△に入って早期退職をしていた・・・なんていう情報がポロッと発覚するのがこのタイミングとなります。
雇用保険被保険者証では前職の情報しか分かりませんので、職歴に嘘をつくとバレてしまうことを覚えておいてください。
前職への在籍確認
会社や業界によっては、前職への在籍確認を行うこともあります。
特に、「お金」を扱う業界では、応募者の経歴についてかなり慎重に調べますね。
そのため「銀行」「証券会社」などでは前職調査をすることも多く、その調査段階で経歴詐称が発覚することもあります。
会社名を偽っていたなら簡単に発覚しますし、役職や実績に嘘があったとしてもバレてしまうでしょう。
自分をアピールするために実績を盛る人は多いですが、前職へ確認されてしまうとすべての情報が照会されるわけです。
過剰なアピールをしてしまうと、後で苦労することになりますね。
離職票
離職票という言葉を耳にしたことがない方も、多いのではないでしょうか。
離職票というのは、退職時に次の転職先が決まってない場合、失業保険の申請で使うために前職から発行してもらう証明証です。
実は会社によっては、中途採用時にこの「離職票」の提出を求められることがあります。
離職票には前職の名称、退職日が記載されているため、経歴の確認のために求められることがあるのです。
必ず提出を求められるものではありませんが、いつでも出せるようにしておかないといけません。
会社同士の横のつながり
同業界に転職する場合も、経歴詐称が発覚するケースが多々あります。
同じ業界の会社同士であれば、高い確率で横のつながりがあるはずです。
特に上層部は交流する機会も多く、業界に対する広いネットワークを保有していたりします。
「◯◯会社いた△△さんて人が弊社の中途採用に応募してきたんだけど、どんな人か知ってる?」というように簡単に情報収集ができてしまうため、経歴詐称をしているとあっさりバレてしまうことがあるのです。
また、退職するときにトラブルを起こしている場合も要注意です。
上司とケンカをしたり、引き継ぎなどをせずに勝手に辞めた場合など、そういった情報が伝わってしまうと印象が悪いでしょう。
業界内で自分の悪評が広まることもあり得るので、あまり問題を起こさない方が賢明です。
自分でうっかり口を滑らせる
また意外なことに、自分でうっかり口を滑らせることもあります。
なぜなら経歴詐称は、中途採用を合格するために一時的に嘘をついているため、自分の中でその情報の整合性を取り続けるのは非常に難しいものです。
もし、入社まではごまかせても、働いて様々な人と関わるにつれてうっかり口を滑らしがちです。
面接で話しただけなので時間が経つと忘れますし、飲み会などで話した内容で辻褄が合わなくなってしまいます。
忘れたころに嘘が発覚することがあるので、常日頃から気を付ける必要があるでしょう。
転職回数が多い人の転職方法
職務経歴書を書く時にはポジティブな退職理由を記す
それでは、転職回数が多い人は、どうすれば転職活動を成功させられるのでしょうか。
まずひとつに、職務経歴書を書くときにはポジティブな退職理由を書きましょう。
転職回数が例え多くても退職の理由が合理的であれば問題にはなりませんし、その退職理由がポジティブであれば、むしろそれは好印象にもつながります。
「◯◯をやりたかったがどうしても前職では実現できる環境ではなかった」
「△△を目指していて、ステップアップのために退職した」
など、前向きであるほど、退職そのものよりもあなたのビジョンに目が行きます。
そのため、転職回数は気にならなくなるはずです。
何のための転職なのかを明確にして、ポジティブにアピールできるようにしてください。
過去の職歴を整理して一貫した仕事選びの基準を説明できるようにする
しっかりとした退職理由があることは大前提で、更にその退職理由、つまり仕事選びの基準が首尾一貫していることが大事です。
繰り返しになりますが、企業は中長期的に定着し活躍する人材を採用したいと考えています。
そのため、いくら一回一回の退職理由がしっかりしていても、全てがバラバラな退職理由では、すぐに考えが変わるだらしない人材だと思われてしまうでしょう。
そういった人は、結局何かと理由をつけてまた辞めてしまうのではと敬遠されるはずです。
そのため、一度時間をかけて過去の職歴を整理し、一貫した仕事選びの基準をまとめてください。
ここに一貫性があるほど企業は安心し、転職回数について執拗に言及されることもなくなるはずです。
それぞれの仕事ごとに得たスキルを整理しておく
転職回数が多いということは、多くの経験をしてきたということにもなりますので、それ相応のスキルを有していることを期待されます。
そのため、それぞれの仕事ごとに得たスキルは必ず整理しておきましょう。
また、各仕事で何かを得ていれば、多くの企業を経験したことに価値を見出してもらえるはずです。
ここでの経験を多く出せるほど、引き出しの多い人間として評価されます。
転職回数の多さをプラスに変えるには、経験値をアピールするしかありません。
これまでの経歴を洗い出して、自分にできることを数多く出してください。
転職によって何を達成したいのかを熱く語れるようにする
最終的に大事になってくるのは、「なぜ転職をするのか」、つまりこの転職によって何を達成したいのかを熱く語ることです。
また、その達成したいことがその会社でこそ実現できるということが伝わるほど、企業の評価は高くなります。
企業も慈善企業でありませんので、より優秀な人を採用して儲けを出していかなくてはなりません。
しかし、優秀な人だからといって活躍するとは限らないことも理解しています。
仕事で成果を出すには、いかに強い気持ちをもっているかも大事です。
だからこそ、転職でどうしても成し遂げたい強い気持ちを持っていれば、評価につながっていきますよ。
転職回数が多いなら転職エージェントを利用しよう
何度も転職を繰り返している場合、どうしても選考で不利になってしまいます。
書類選考の時点で問答無用で不採用になることがありますし、適切なアピールができないと内定をもらうことができません。
あまりにも不採用が続くとモチベーションが下がってしまい、途中で転職を諦めてしまう結果にもなるでしょう。
かなり戦略的に転職活動を進めないと、上手くいくことは無いといえます。
そこで、転職エージェントを利用することをおススメします。
キャリアアドバイザーがサポートしてくれるので、転職回数が多くても適切なアピール方法を教えてもらうことができるでしょう。
また、条件の良い非公開求人を紹介してもらえるため、かなり好条件で転職できるわけです。
他にも、応募書類の作成や面接対策などもありますから、自分一人でやるよりも転職の成功率が高くなりますよ。
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