昔なら終身雇用が当たり前だったので、転職をする人は少数派でした。
新卒で会社に入ったら、その会社で死ぬまで働くことが一般的だったんですね。
しかし、最近では大企業でも倒産する時代ですから、転職することは珍しくなくなっています。
20代の若手社員であっても、自分に向いていない会社はさっさと辞めて転職する人が多いです。
転職が許容される社会になっているので、年齢が若ければ仕事に困ることは無いでしょう。
ただ、20代の内に何度も転職を繰り返すのは問題があります。
短期間で転職を繰り返していると、根気が無くて長続きしないというレッテルを貼られやすいです。
どこの企業からも敬遠されるため、選考の通過率が下がってしまいますね。
なので、転職回数が多い人は、特別な工夫をしなければ転職に苦労するかもしれません。
ここでは、20代で転職回数が多い人の対策を紹介します。
目次
20代の転職は何回まで許される?
20代の転職回数の平均について
みなさん気になるのが、「自分の年齢だと何回までの転職は許されるの?」ということでしょう。
特に、20代の転職はほとんどの人が初めてで、転職をする前に極力把握しておきたいという人は多いと思います。
Webメディア「ミドルの転職」が、退職についてのアンケートを2014年に2731名を対象に行ないました。
そのアンケートによると、20代で転職を1回以上したことのある人は、63%でなんと過半数を超えています。
また、1番多いのが、1回〜2回と答えた人が39%でした。

参照:ミドルの転職
転職回数がある人の8割ほどが2回までとなっているので、20代での転職回数が2回以内なら普通だといえるでしょう。
3回を超えてくると、転職回数が多いと判断できますね。
24歳以下で2回以上だと多い印象
20代で転職をしたことがあると言われてもそこまで違和感はないものの、もし24歳以下で2回以上と言われるとどうしても「転職回数が多いな」と思われる感じは否めません。
なぜなら、もし大卒22歳で就職をしたとして、2回すでに転職をしたとなると、1社あたりの在籍期間が1年前後ということになります。
最初の会社選びを間違えたのは、学生だったからという理由で納得はいきますが、2社目に関してはそうはいきません。
そのため、協調性がないから会社に馴染めないのではないかなど、何か本人に問題があると思われかねないのです。
どれだけ短くても、1社あたり3年以上は勤めた方が良いと思います。
3年ほど働ければ基本的なスキルは身に付きますし、継続性があると判断してもらえるでしょう。
勤続年数が短い場合には、退職した理由を厳しく精査されるので気を付けるようにしてください。
25~29歳なら3回からが危険ゾーン
24歳以下では2回以上の転職は問題ありと思われるように、25〜29歳となると3回以上からが同じく危険ゾーンになってきます。
先に紹介したエン・ジャパンのアンケートでも20代で3回以上転職したことのある人は、24%と非常に少数派です。
29歳でもし3回目の転職をしたとしても、やはり1社あたりの在籍期間は長くて2年となります。
日本では、まだまだ新卒で入社した会社に定年まで勤め上げる文化が残っていることを考えても、このペースは少し異常と見られても仕方ありません。
転職回数が増えると書類選考で落とされる可能性が高くなる
残念ながら、転職回数が多ければ多いほど、書類選考で落とされる可能性は高くなります。
企業にとって、採用は手段でしかありません。
企業は採用した人材が中長期的に定着し活躍してくれることで、初めて採用が成功したと言えます。
採用活動も多くのお金(採用広告費、採用活動の人件費)が、掛かっています。
そのため、採用した人材がすぐに辞めてしまうことは、採用の失敗を意味するわけです。
そういう観点から言うと、転職を繰り返している人は定着率が低い危険性が高く、企業が書類の時点で不合格にする基準となりやすいといえます。
転職回数が多いと企業はどう思うか
ストレスに対する忍耐力が無く長続きしない人
企業は転職回数が多い人に対して、具体的にどのような印象を持つのでしょうか。
社会人はその働きに応じて給与をもらっていますので、もちろん楽しいことばかりではありません。
やりがいもありますが、それを上回るくらい辛いことが多いものです。
しかし、転職回数の多い人ほど、すこし辛いことや嫌な事があるとすぐに仕事を放棄する傾向にあります。
そのため、企業も転職回数が多い人は、そういった辛いこと・嫌なことによってもたらされるストレスに弱い人だという認識をどうしても持ってしまいます。
ストレスに弱いということは、忍耐力が足りないため、長続きがせず、何かあればすぐに仕事を辞めてしまう人だと思われているのです。
企業からするとすぐに辞める人は困るので、転職回数が多い人は敬遠されてしまうでしょう。
反省を次に活かす能力がない人
転職回数が多い人というのは、辞めてしまった理由を分析し、次の会社・仕事選びに活かせていないということです。
つまり、企業からすると、会社・仕事選びだけでなく、きっと全般的に反省を次に活かす能力がない人なんだろうなと思ってしまいます。
就職先選びというのは、通常の仕事とは比べものにならないほど、大事な決断です。
しかし、その決断を何度も間違えているということは、反省を次に活かせていないと思われても仕方のないポイントでしょう。
仕事ではPDCAサイクルを回して、常に改善することが求められます。
失敗を活かすことができなければ、人材としては使えないと判断されてしまうでしょう。
協調性が無くて人間関係を構築できない人
退職の理由として一般的に多いものとして、「人間関係」が挙げられます。
つまり、周囲の人たちと上手くやれなかったために、退職をしてしまうというケースです。
Webメディア「人事のミカタ」が実施した退職理由のホンネとタテマエでも、本当の退職理由として挙げられたダントツのNo.1が「人間関係が悪かった」となっています。

参照:人事のミカタ
企業側としても、退職する人の多くが人間関係を上手く築けなかったという理由が多いことは、実は把握しているものです。
そのため、もし転職回数が多い人が応募してきた場合、「きっとこの人も人間関係を構築できない協調性の無いタイプの人材なのでは?」と勘ぐってしまうわけです。
組織の中では協調性が求められますし、どれだけ個人の力が優れていたとしても、周りと協力できない人間は必要とされません。
トラブルメーカにもなりうるため、避けられやすい傾向にあります。
会社の方針に従わず組織の和を乱す人
退職を繰り返す人の中には、会社そのものと反りが合わないというタイプの人も一定数います。
厄介なのが、こういう人ほど組織の和を乱す傾向にあるということです。
他の人は納得して会社の方針に合わせているのに、何かと会社の方針に逆らって、その結果会社の方針に合わせている他の人にも噛み付いてきたりします。
もしくは、反体制派の派閥を作って、社内をかき回したりすることもありますね。
組織として正しく機能しなくなってしまうので、企業からは要注意人物としてマークされやすいです。
こういった人ほど、全体のパフォーマンスに悪い意味で影響を及ぼすため、企業としては絶対に採用したくありません。
仕事のスキルが低くパフォーマンスが悪い人
転職を繰り返しているということは、きっとそもそも能力が低いのではと思われてしまうことがあります。
つまり、いざ採用してみたものの、仕事のスキルが思った以上に低くパフォーマンスを出さないため、毎回すぐに解雇される結果、転職回数が多くなっているのではということです。
人当たりがよいのに転職回数が多い人ほど、このように「実は仕事ができないのでは?」と思われてしまう傾向にあると思います。
また、転職回数が多いほど1社あたりの勤続年数が少なくなるわけですから、十分なスキルを習得していないと判断されても仕方がありません。
ちゃんとした実績が証明できなければ、転職は難しくなってしまいますね。
20代なら合う仕事を模索しても良い
若い人材が不足しているので20代は求人が多い
これまでの話を踏まえると、20代で転職をしないほうがいいのでは?と思ってしまった方もいると思いますが、そんなことはありません。
20代とはまだまだ多くの可能性を秘めた年齢ですから、自分に合った仕事をどんどん模索していくべきです。
また、好景気と少子高齢化という社会的背景から若い人材が非常に枯渇しているため、そもそも20代を求めている企業は数多く存在します。
需要と供給がマッチする今こそ、自分のキャリアの可能性を模索する好機といえるでしょう。
自分に合わない仕事を無理に続けるよりも、積極的に転職をして自分に合った仕事探しをすることをおススメします。
20代で天職に出合えれば30代でキャリアアップできる
また、20代の内に本当に自分に合った仕事に出合うことができれば、30代までに一定の経験を積むことができます。
これがもし30代になってから出合ってしまうと、一定の経験を積み終わるのが40代になってしまうわけです。
30代の時点で一定の経験を保有してキャリアアップをするのと、40代でキャリアアップをするのでは、長期的に見た待遇の上がり幅が大きく変わってきます。
30代の内からキャリアアップを行いより多くの経験を積むことで、将来的により大きなチャンスが巡ってくるようになるのです。
そのためには、早い段階で自分の専門となる仕事を見つけて、そこでキャリアを積まないといけません。
20代の内に仕事探しをしておくと、その後のキャリアに大きく影響を与えるでしょう。
転職回数を気にしない企業も探せばある
また、必ずしも転職回数を気にする企業ばかりではありません。
急成長中のベンチャー企業や外資系企業、また給与が歩合制の企業などは、完璧な実力主義を取っていることが多く、転職回数など全く気にしないことが多いです。
そのため、周りの環境に合わせて穏便に毎日を過ごすことに気を使うよりも、ただ自分が成長することに焦点を置き、そのために転職を繰り返してきたジョブホッパー型の人のほうが活躍できる場合もあるのです。
過去の転職回数は関係なく、これからの熱意をアピールすることで、高く評価してくれる企業は少なくありません。
そういった企業を優先的に探すようにすれば、転職で不利になることは無いでしょう。
前向きな志望動機があるなら転職も悪くない
そもそも、転職理由はネガティブなものだと決めつける人が多いですが、実際に転職理由が前向きなものだとすると、大きな問題は無いはずです。
前向きな志望動機を持って転職をし続けている人ほど、変化をいとわず成長志向が高くなります。
こういった方こそ将来的に大きく化ける可能性も高く、転職を世間が思っているよりも遥かに有意義な機会として活かしているはずです。
そのため、志望動機に矛盾が無ければ、転職回数に関係なく採用する企業はあります。
自分にとって転職が意味あるものだと説明できることで、転職回数の多さは問題にはならなくなるでしょう。
転職回数が多くても転職を成功させる方法
転職回数の多さを反省し失敗をどのように活かすかを伝える
もし転職回数が多い場合に、どうやって転職を成功させるかについて解説していきます。
採用企業が最も心配していることは、採用してすぐに辞めてしまわないかということです。
応募者の転職回数が多いと、きっとまた採用しても辞めてしまうのだろうなという懸念が生じてしまいます。
そこで大事なのが、「今回こそは大丈夫」と思わせることです。
そのためにも、今までなぜ転職を繰り返してきたのかということを振り返り、その原因の特定と解決策をしっかりと提示することが大切となります。
たとえば、周囲に馴染めなったことが退職理由だとすれば、馴染めなかった原因と今回はどうやって馴染んでいくかという具体策を提示しましょう。
「ウチの会社では大丈夫だろう」という安心感を持ってもらうことで、転職回数が多いことへの不安を払拭できます。
職歴の多さによる経験値をアピール材料にする
転職が多いということは、逆に武器にすることもできます。
転職が多いことは、言い換えれば他の人よりも多くの経験を積んでいるとも言えるわけです。
また、職歴が多い人ほど、様々な環境で様々な仕事のやり方を経験してきているため、変化に強いといえるでしょう。
この様に、「転職回数が多いことが実は仕事をしていく上では武器になる」と企業にアピールすることができれば、選考はスムーズに進むはずです。
マイナス面をプラスに変える工夫をすることで、転職回数を自分の強みにしてしまいましょう。
将来のキャリアビジョンのための転職だということを強調する
企業は転職回数が多い人に対して、「不真面目」「計画性がない」という思い込みを持ってしまっているため、この思い込みをひっくり返す必要があります。
つまり、転職一つ一つが考え抜いたもので、かつ計画性のあるものだと思ってもらうということです。
そのために大事なのが、将来のキャリアビジョンです。
将来の長期的なキャリアビジョンを企業に提示し、転職の一つ一つがそのキャリアビジョンに沿っていたことをしっかり伝えましょう。
そうすれば、それまではいい加減に見えていた転職も、全て意味と計画性のある前向きなアクションに見えてくるはずです。
その結果、転職回数への印象もむしろプラスに働き、評価もプラスにひっくり返ることでしょう。
中小・ベンチャー企業なら転職回数を気にしないことが多い
他の方法としては、転職回数を気にしない企業に転職先を絞るという方法もあります。
大体、転職回数を気にする企業というのは、ほとんどがいわゆる大手企業です。
それに比べて、中小・ベンチャー企業では転職回数を気にしないことがほとんどです。
彼らは、大手企業に比べて厳しい環境で戦っており、人材集めに必死になっています。
毎日のほほんと人間関係を大事にしてそれなりに仕事をこなしていく人材ではなく、その日その日を生き抜いてくためにあくまで実力がある人材こそを求めているわけです。
だからこそ、転職回数が多い経験豊富な実力者にはピッタリな環境だといえます。
転職の多さからくる豊富な経験をアピールすることで、魅力的な人材だということを分かってもらいましょう。
それぞれの仕事での実績を具体的な数字で伝える
もちろん中小・ベンチャーと同じく、他の企業でも実力がある人は基本的に歓迎されます。
何か問題があって転職したわけではないということを証明するためにも、それぞれの仕事での成果を正しく伝えましょう。
仕事での実績を伝えるのに、絶対に欠かしてはいけないのが「数字」です。
営業であれば売上金額、バックオフィスであればコスト削減金額など、数値を伝えることで企業は実績を評価しやすくなります。
逆に、感覚的・定性的な伝え方になればなるほど、自分では上手くアピールしたつもりでも実は企業は実績を理解できてないことが多いため気をつけてください。
数字を伝えることで具体的な規模感が分かりますし、実際に入社してからの活躍の目安にもなります。
根拠となるようなデータがあれば、それも提示することも忘れないでください。
今度こそ腰を据えて働くという意思を伝える
最後に大事なのが、今度こそ腰を据えて働くという意思を伝えることです。
転職回数が多くても実力があればとは言いましたが、もちろん採用するからには長く働いて欲しいというのが本音となります。
いくら実力があっても「1年で辞める予定です」という人を採用する気にはなりませんし、企業側としては転職回数が多い人にはまた辞めるのではないかという懸念をどうしても拭い去りきれません。
だからこそ、転職回数が多い人ほど、内定をもらうためには「御社なら今度こそ」という強い気持ちを伝える必要があるのです。
なぜ応募したのかという理由、入社してからやりたいことなど、その会社を志望する熱意をしっかりとアピールしてください。
その熱意が強いほど、企業からは必要な人材だと思われるはずです。
20代で転職回数が多い人は転職エージェントを利用するべき
これまで、転職回数が多い場合の対処法を紹介しましたが、20代で転職回数が多い場合には非常に難易度が上がります。
若いうちはスキルが未熟ですし、転職回数が多いとどうしても不真面目な印象を与えるからです。
なので、自己アピールをかなり工夫しなければ、転職は難しいといえるでしょう。
転職を決めるために焦ってしまうと、ブラック企業に入ってしまうこともあるので注意が必要となりますね。
そのため、転職エージェントを利用することをおススメします。
キャリアアドバイザーが担当についてくれるため、転職回数が多くても最適なアピール方法を考えてもらえますよ。
さらに、全国の企業と太いパイプでつながっているので、応募企業に特別に推薦してくれるわけです。
一般の応募者よりも優先的に選考してもらえますし、転職回数が多いことがハンデにはなりません。
将来的なキャリア相談にも乗ってくれるため、これからのキャリアが不安な人はカウンセリングを受けることをおススメします。
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