退職時に未払いの残業代を請求する方法!残業代を計算し会社にて請求しよう

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毎日遅くまで残業しているのに、それが給料に反映されないことがあります。
ブラック企業が社会問題になっているので、こういった悩みを抱えている人は多いでしょう。

でも、未払いの残業代は、会社を辞める際に請求することができます。
辞めてしまえば社長や上司に会うことも無いので、嫌味を言われたりトラブルになることはありません。

残業代の請求は従業員の権利ですから、会社を辞める際には全て請求を行うようにしてください。
ここでは、未払いの残業代を請求するときのポイントを紹介します。

退職した後でも残業代の請求はできるのか?

未払いの残業代を請求しようとしても、在職中だと会社とトラブルになりそうなので行動できないといった人は多いでしょう。
上司から嫌味を言われるでしょうし、危険分子として職場で孤立してしまう可能性があります。

だから、残業代を請求するとすれば、退職してから行うのが現実的ですよね。
でも、会社を辞めてしまったら、請求権が無くなってしまうかもと不安になる人もいるかもしれません。

結論から言うと、退職後でも未払いの残業代を請求することができます。
むしろ、トラブルを防ぐためにも、退職してから請求する人が圧倒的に多いのが現状ですね。

辞めてからでも問題ないので、自信をもって請求をしましょう。

残業代の請求は2年で時効になる

気を付けて欲しいのが、残業代の請求には時効があるということです。
その残業代が支払われるべき支給日から起算して2年間なので、それを超えた分は請求権が無くなってしまいます。

つまり、退職した直後は過去2年間の残業代を請求できますが、退職して半年後だと1年半の残業代しか請求できません。
手続きが面倒だからといって後回しにすると、受け取れる金額が減ってしまうので注意してください。

ただ、手続きをしている間にも時間が過ぎてしまうので、どんどん請求できる金額が減ることになります。
なので、時効の消滅を一時的に中断する手続きをしましょう。

具体的には、弁護士に依頼して内容証明郵便を送ってもらい、前の会社に残業代の請求をします。
内容証明郵便を会社が受け取った時点で、6か月間の時効の中断が行われるわけです。

その間に会社との話し合いや訴訟を行って、円満な解決を目指します。

残業代の計算方法について

未払いの残業代は、時給に労働時間と割増率を掛け合わせて計算します。
計算式としては、以下のようになりますね。

残業代=時給×労働時間×割増率

時給の計算方法は、以下の通りです。

時給=月給÷((1日の労働時間×年間出勤日数)÷12ヶ月)

要するに、1ヶ月の労働時間を月給で割るだけですね。

割増率に関しては、時間帯や合計時間によって異なるので、以下の表を参考にしてください。

深夜以外の労働 深夜労働
法定時間内の労働 0%(割増なし) 25%
法定時間外の労働 0時間~45時間(1ヶ月当たり) 25% 50%
45時間を超え60時間(1ヶ月当たり) 25%(超) 50%(超)
60時間超(1ヶ月当たり) 50% 75%
法定休日の労働 35% 50%

以上の計算に基づいて、受け取るべき残業代を計算します。

自分でやると計算を間違う可能性があるので、弁護士に依頼してください。
内容証明郵便の送付も同時に行ってくれますから、一石二鳥だと思いますよ。

遅延損害金と付加金も請求できる

未払いの残業代を請求するときには、支払いが遅れた利息分の「遅延損害金」や支払い義務違反の反則金として「付加金」を受け取れる場合があります。

遅延損害金は、支払期日の翌日からの利息が加算されていき、在職期間中は年6%、退職後は年14.6%の割合となっていますね。
労働審判や訴訟を行っている間は加算されません。

付加金とは、訴訟によって裁判所が認めた時に支払われる反則金です。
未払い残業代と同額が一般的で、その悪質度に応じて裁判所が支払いの有無や金額を決定します。

ただ、よっぽど悪質なケースでない限り、支払い命令は出ないでしょう。

残業をしたという証拠が無ければ勝ち目がない!

残業時間を証明するものを用意する

何よりも重要なことは、残業をした証拠を集めるということです。
月に100時間を超える残業をしていたとしても、その証拠が無ければ何も主張することができません。

退職してからだと証拠が集めづらくなるので、在職中からコツコツを集めるようにしてください。

労働時間を証明するものとしては、タイムカードが最も効果的です。
実際の裁判例でも、タイムカードの打刻時間から残業時間が証明されています。
上司の目を盗んでコピーしておくなどの対策をしておいてください。

でも、最近だとタイムカードが無い職場も多いですよね。
そういった時には、以下のようなものでも代用できることがあります。

  • シフトの勤務表
  • 業務日誌
  • 出退勤表
  • IDカードの入退館記録
  • 業務メールの送受信記録
  • パソコンの使用記録
  • SuicaやPASMOの利用明細
  • タクシーの領収書

何時まで会社に残って仕事をしていたかが大切なので、それを証明できる証拠を用意することが大切です。
珍しい例では、会社が入居しているビルの防犯カメラの映像から、残業時間が割り出されたこともあります。

証拠が多いほど信憑性が高まるため、あらゆる記録を残しておくのが望ましいでしょう。

残業時間中の労働内容を証明するものを用意する

残業時間が証明できたとしても、実際に仕事をしているとは限りません。
「会社に残って遊んでいたんだろ?」と言われてしまうと、それ以上は反論することが難しいわけです。

なので、残業をして仕事をしていたという証拠を用意してください。
たとえば、業務連絡のメール履歴やパソコンの使用ログといったものですね。

退社する前に上司に日報メールを送る習慣をつけておくと、毎日の残業記録を残すことができます。
上司にも仕事のアピールができますから、一石二鳥だといえるでしょう。

雇用契約を明確にするための書類を用意する

その会社に入社した時点で、雇用契約書や労働条件通知書などの書類をもらえるはずです。
それらには、労働条件や労働時間、給与の内訳や待遇などが細かく記載されているので、必ず保管しておいてください。

企業から渡してもらえないなら、人事部に問い合わせるようにしましょう。
その際には、不審がられないために、友好的に長く勤めたいというようなアピールをしてください。

あと、就業規則のコピーも取っておくと良いでしょう。
就業規則にも、労働時間や賃金体系、退職に関する事項など、仕事をする上で決められた規則などが書かれているはずです。

こういった書類を用意することで、基本給と残業代の関係を明確にして、未払いの残業代を計算するのに役立ちます。
後に裁判になったときにも、会社の主張を覆す根拠になるでしょう。

かなり重要な書類ですから、在職中にコピーを取っておいて下さい。

証拠が何もないなら会社に請求できる

会社を退職してしばらく経っていたりすると、今から証拠を集めるのが難しかったりしますよね。
タイムカードや業務日報などは、在職中でないと手に入りません。

そういった場合であっても、簡単には諦めないでください。
自分が残業したという記録は、会社側にすべて残されています。

実は、「労働基準法 第109条」において、会社は労働者の労働時間を記録することが義務付けられています。
そして、それらの記録を3年間は保管する義務を負っているわけですね。

労働者はこの記録をいつでも照会する権利があるので、退職した後でも会社に情報の開示を要求することができます。
弁護士に依頼すれば、会社に開示請求をしてくれるでしょう。

ただし、できる限りの情報は自分で集める必要があります。
会社側の情報はすぐに出してくれるとは限りませんし、内容を改ざんされる可能性もゼロではありません。

自分の情報が最も信ぴょう性が高いですから、在職中から証拠となるものを集めるようにしてください。

残業代を請求する際の流れについて

弁護士に相談する

会社との交渉をする際には、個人で戦うのはかなり厳しいでしょう。
顧問弁護士を立ててくるでしょうし、法律の素人が対抗するのは難しいと思います。

なので、最初から弁護士に依頼するのが賢い方法ですね。
用意した残業の証拠を提出するだけで、残業代を計算して請求するところまでやってもらえるはずです。

無料相談をしてくれる弁護士も多いですから、いくらくらいの残業代が取れるかどうかを確認してもらうのも良いでしょう。

内容証明郵便を送付する

弁護士に依頼をすると、会社に内容証明郵便を発送してくれます。
先述の通り、残業代の請求は2年間が時効ですが、内容証明を送ることで半年間の猶予が与えられるわけです。

その期間の間に、会社側との交渉を行って解決を目指していくことになりますね。
内容証明を送るのが遅れるほど請求できる残業代も減ってしまうので、できるだけ早く弁護士に相談することをおススメします。

会社に勤怠記録の開示を求める

「労働基準法 第109条」において、会社は労働者の労働時間を記録する義務があることは伝えましたよね。
最低でも3年間の残業記録が残っているはずなので、それを請求して具体的な未払いの残業代を計算していきます。

ここで任意の交渉を行いますが、会社が支払いに応じれば残業代を受け取って解決となるわけです。
弁護士を出せば素直に従う会社も多いので、ここで解決する可能性は高いでしょう。

労働審判・労働訴訟

任意交渉で解決できなければ、裁判の手続きをすることになります。
ここで行う方法としては、「労働審判」と「労働訴訟」の2つがありますね。

労働審判とは、話し合いでの解決を目指す調停ですが、最終的には審判員によって客観的な判断が行われるものです。
3回以内の話し合いで決着が付くのでスピーディーですが、早期解決のために金額の譲歩が求められることがあります。

また、違反金である付加金の支払いは受けられません。
金額が安くなっても、早期に解決したい人に向いている方法です。

一方、労働訴訟とは、通常の裁判によって解決を目指す手続きですね。
民事裁判なので請求金額のすべてが認められたり付加金もプラスされると、相当な金額を得られる可能性があります。

ただし、双方の主張を慎重に精査するため、1年以上の期間が掛かることがあり、弁護士費用もそれなりの金額になるでしょう。
時間と労力を使っても残業代をすべて回収したいなら、訴訟をするべきですね。

残業代の未払いに対する会社の主張

残業代は基本給に組み込んでいる

よくある主張として、「基本給に残業代が入っている」というものがあります。
なので、これまでの残業代は給料として支払い済みだと主張するわけですね。

この場合だと、基本給と残業代が明確に区別されているかが重要です。
基本給と残業代の区切りが無く一律の給与として支払われているのなら、認められないことが多いでしょう。

仮に、キッチリと区別されているとしても、残業代が明らかに安すぎる場合には、不足分を支払わなくてはいけません。

管理監督者だから残業代を支払う必要はない

労働者を管理職的な位置づけにして、残業代の支払いを免れようとするケースもあるようです。
管理監督者とは、「経営者と一体的な立場にある者」とされ、労働基準法では残業代は発生しないことになっています。

ただ、これは「名ばかり管理職」であって、実際には何の権限も与えられていないということが多いです。

管理監督者に該当するかどうかは、以下の要素で判定されます。

  • 経営に関する決定に参画し、労務管理の監督権限があるかどうか
  • 労働時間についての裁量権を持っているか
  • その地位と権限にふさわしい賃金を与えられているか

裁判所によって厳正に判断されるので、管理監督者と認められなければ残業代の請求権が認められることになります。

年俸制だから残業代をカットしている

年俸制とは、賃金を年単位で決めるという制度で、経営者や役員などに適用されることが多い給与体系ですね。
一般社員に年俸制を導入して、残業代を支払わないという会社があります。

でも、年俸制であっても、残業代は発生します。
労働基準法においては、「年俸制でも法定労働時間以上の労働には、時間外割増賃金を支払わなければならない」と定められているんです。

なので、年俸制だからといって、残業代が無いのは間違いということですね。
従業員が無知なのを利用してデタラメな主張をする会社が多いので、気を付けるようにしてください。

以上、退職時に未払いの残業代を請求するための方法を紹介しました。

未払いの残業代を請求するのは従業員の権利なので、遠慮する必要はありません。
退職時には、これまでの残業代を全て支払ってもらえるようにしましょう。

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