新卒や中途採用で入社して、1年未満で辞めたくなることがあるかもしれません。
仕事内容が理想と異なっていたり、ブラック企業だったりすると、すぐに辞めたくなってしまうでしょう。
でも、短期間で辞めてしまうと印象が悪いので、転職活動で不利にならないか心配ですよね。
「石の上にも三年」という言葉があるように、仕事をする上でも3年のキャリアがって一人前とされることが多いです。
しかし、その仕事に将来性を感じないのであれば、一刻も早く辞めてしまうべきでしょう。
そのまま働いても得るものがありませんし、機会損失が大きくなる一方です。
ここでは、入社1年目で退職するときの注意点を紹介します。
目次
入社1年目で退職する人は意外と多い
厚生労働省が、新卒で就職した人の離職率を発表しています。
それによると、平成28年度3月卒の就職者の1年目の離職率は、以下のようになりました。
事業規模 | 1年目の離職率 |
---|---|
5人未満 | 30.3% |
5~29人 | 22.0% |
30~99人 | 15.5% |
100~499人 | 11.5% |
500~999人 | 9.5% |
1,000人以上 | 7.1% |
引用:厚生労働省
事業規模が小さな会社ほど、1年未満で退職する人が多い傾向にありますね。
5人未満の零細企業では離職率が30%を超えているのに対し、1,000人以上の大企業だと7%ほどしかありません。
小さい会社だと福利厚生や労働環境が整っておらず、個人の仕事の負担も重くなる傾向にあるので、離職率が高くなるのだと思います。
ちなみに、入社後3年以内の離職率だと、以下のような結果となりました。

参照:厚生労働省
こちらも会社規模が小さいほど離職率が高く、大きな会社ほど人材が辞めにくいようになっています。
ただ、1,000人以上の大企業でも24%ほどなので、およそ4人に1人が入社後3年以内に辞めているという計算となりますね。
このように、短期間で会社を辞める人は少なくないですから、1年未満で退職するのは珍しいことではありません。
前向きな退職であれば、その後の転職活動も上手くいくはずです。
よくある入社1年目での退職理由について
人間関係が上手くいかなかった
職場の人間関係の問題は、退職理由としてはかなり多いですね。
上司や先輩で合わない人がいたりすると、それだけで仕事のモチベーションが下がってしまいます。
特に、新人の内は飲み会などの参加を強制されることが多いですし、コミュニケーションが苦手な人には苦痛でしかありません。
上司から嫌われると雑用ばかり任せられたり、出世にも影響してしまうため、人間関係の問題は大きいといえるでしょう。
1日の大半を職場で過ごすわけですから、合わない人がいるだけで毎日が地獄のような時間に変わってしまいます。
ストレスが溜まってしまう一方なので、会社を辞めたいと思ってしまうのも不思議ではありません。
パワハラやセクハラなどのハラスメントを受ける
中小企業に多いですが、パワハラやセクハラが常態化している会社があります。
ノルマを達成できないと同僚の前で見せしめのように詰められたり、執拗な暴言や暴力を振るわれることもあるようです。
また、女性であれば、セクハラまがいの言動をされる人もいますね。
新人の内は立場が弱いですから、このようなハラスメントの被害に遭う可能性が高いです。
体育会系の社風の会社だとハラスメントが横行しているので、感覚がマヒしてしまって罪悪感を持たない上司がいたります。
その上司も新人の頃からハラスメントを見ていますから、それが当たり前だと思っているわけですね。
そういった企業体質だと改善するのが難しいので、退職するしか対処法がない場合もあります。
拘束時間が長すぎる
残業や休日出勤を強いられてしまい、自分の時間を確保できないことがあります。
残業代が出るなら良いですが、多くの場合でサービス残業なので、会社から時間を搾取され続けるわけです。
ブラック企業が社会問題となっている現代では、こういった悩みを抱えている人は多いですね。
過労死や過労自殺も増えているので、無視できない問題です。
会社の労働実態は、入社するまで不透明となっています。
残業の有無などは当初の説明と異なっていることがあるので、事前に見極めるのが難しい部分があるでしょう。
仕事に追われる毎日だと、肉体的にも精神的にも疲弊してしまいます。
これに耐えきれずに、退職を考える人もいますね。
仕事内容がつまらない
希望をもって会社に入っても、仕事内容が思っていたのと違うことがあります。
自分のやりたい仕事ができなければ、モチベーションが下がってしまいますよね。
仕事内容に興味があるからこそ志望したのに、その仕事ができないのならば働く意味がありません。
やりがいを感じられないために、辞めたくなってしまいます。
特に、新人の内は雑用ばかり任せられるため、仕事が面白くないと感じてしまいがちです。
もちろん、1年目から責任のある仕事は任せられないのは当然ですが、あまりにも理想とかけ離れていると退職を考える人もいますね。
成長できる環境ではない
仕事内容が単調なものばかりだと、毎日が退屈に感じてしまいます。
新しいスキルを身に付けることができなければ、キャリアアップにつなげることはできないでしょう。
自分が成長できる環境でないと、その仕事を続ける意味がありません。
だから、退職を考えるのは仕方ないといえます。
ただ、1年目から大きな仕事は任せられませんし、もう少し様子を見ても良いかもしれません。
一般的には、3年目くらいから一人前とみなされるので、そこまでいけば責任のある仕事ができることがあります。
もしも、上司や先輩を見ても憧れを抱けないのならば、その時は退職を考えても良いかもしれませんね。
1年目で退職することのメリット
短期間での退職は褒められることではありませんが、早く辞めることで得られるメリットもあります。
場合によっては1年目で辞めた方が良いこともあるので、一概に退職するのが悪いとは言い切れません。
以下に、早期退職のメリットを紹介します。
第二新卒として転職活動ができる
新卒で社会に出て3年以内の人は、第二新卒というカテゴリに入ります。
成長性が期待できる若手人材として、多くの企業から必要とされるんですね。
新卒採用で良い人材が集まらなかった企業は、第二新卒を積極的に採用して若手の人材を集めようとするわけです。
そのため、転職市場では第二新卒が優遇されています。
大手企業から内定をもらえることもあり、新卒で会社選びに失敗してもリカバリーできるチャンスがあるんです。
3年の経験を積んでから転職を考える人も多いでしょうが、それだと即戦力が求められるので高い実績やスキルが求められます。
ライバル競争も激しくなるので、転職の難易度が上がってしまいますね。
一方、第二新卒ならポテンシャル採用のため、スキルが無くても問題ありません。
基本的なビジネスマナーができていれば良いので、中途採用よりも楽に転職することができるでしょう。
後腐れなく辞めることができる
長く会社に勤めると、退職するときにスムーズにいかないことがあります。
それなりの信頼関係ができてくるので、上司から強く引き留められてしまったりするんですね。
また、同僚や取引先との関係性もあって、なかなかすぐに辞めることができないかもしれません。
ずるずると先延ばしになってしまい、いつまでも退職できないといったことになりがちです。
しかし、1年目なら周りとの関係も深くないですし、大きな戦力にもなっていないので引き留められることは少ないでしょう。
スパっと辞めることができ、次に進むことができるわけです。
機会損失を最小限にできるのが、1年目で退職することのメリットですね。
異業種・異職種への転職がしやすい
今とは違った分野への転職を考えている場合、年を取るほど難しくなります。
年齢が上がるほど固定観念が強くなって教育しにくいですし、上司が年下になってしまったりするので敬遠されるからです。
初めての業界に転職するなら、若いほど有利だといえますね。
仕事内容が理想と違っているのはよくあることですし、他にやりたいことが見つかったなら早目に退職するのが賢いと思います。
次の会社でのキャリアを積み重ねられる
今の会社に見切りをつけて早く転職をすると、次の会社でのキャリアを長く積み重ねることができます。
勤続年数は長いほど有利で、退職金が多くなりますし、住宅ローンも組みやすくなるわけです。
また、年齢が若いほど仕事を覚えたり職場に慣れるのも早いため、さっさと転職したほうがメリットは多くなります。
転職を繰り返すなら意味がありませんが、長く勤められる企業に入ることができるなら早い方が有利でしょう。
1年目で退職することのデメリット
マイナス印象を与えることがある
第二新卒は転職に有利だと説明しましたが、それでも短期間で退職したことはマイナスとなってしまいます。
納得できる退職理由が無ければ、「仕事が嫌で逃げてきた」という印象を与えてしまうでしょう。
採用してもすぐに辞めそうな印象を持たれるため、なかなか内定がもらえないといったことになりがちですね。
なので、面接官を納得させるだけの退職理由が必要となります。
転職活動でのアピールポイントが少ない
1年目で会社を辞めると、何も実績がないということになります。
身に付けたスキルや経験が無ければ、転職活動でのアピールに困ってしまうでしょう。
第二新卒ではスキルは重要視されませんが、それでも他の応募者と差を付けるための何かは必要です。
自分のアピールポイントを明確にしておかないと、転職活動で苦戦することになりますね。
経済的に困ってしまう
会社を辞めてから転職活動をする場合、収入が無くなることで生活できなくなる可能性があります。
失業保険は1年以上の加入期間が無いと支払われませんし、退職金も出ないことがほとんどです。
社会人1年目だと貯金も少ないでしょうから、生活することができなくなりますね。
なので、先に内定をもらってから退職をするか、実家に戻るなどの対策が必要となるでしょう。
社会人1年目での転職活動を成功させるポイント
前向きな退職理由を用意する
企業が最も気にするのは、「なぜ1年目で辞めたのか?」ということです。
仕事が嫌だといったネガティブな理由だと、「忍耐力が無い」「またすぐに辞める」というような印象を与えてしまうでしょう。
たしかに、短期間で辞めるのは、ネガティブな理由があるに決まっています。
何の問題も無いのなら、すぐに辞めたりはしないはずです。
でも、それを正直に伝えても無意味ですから、ポジティブな理由に言い換える必要がありますね。
たとえば、残業が嫌だという理由なら、オンとオフの切り替えをハッキリしたいと言い換えることができます。
人間関係に問題があれば、チームワークが活発な職場で働きたいと言うことができるでしょう。
このように、前向きな理由を伝えることができると、向上心の高さをアピールできるはずです。
しっかりとポジティブな理由を考えるようにしてください。
自分が本当にやりたいことを考える
今の会社を辞めたとしても、次の会社で満足できるとは限りません。
自分のやりたいことを満たせる会社でなければ、またすぐに嫌になってしまうでしょう。
なので、自分がやりたいことは何なのかを明確にしてください。
同業種なのか異業種なのか、5年10年先にどうなっていたいのか、どのようなライフスタイルを実現したいのかなど、多角的な視点で考えるべきです。
ちゃんとやりたいことが分かっていれば、会社選びで失敗することは無くなります。
辞め癖を付けないためにも、しっかりと自問自答をしてください。
第二新卒を歓迎する求人に応募する
転職サイトでは、「第二新卒歓迎」などと条件を指定して検索することができます。
そういった求人に応募することで、1年目で退職した人でも内定をもらえるチャンスがあるでしょう。
ポテンシャルを秘めた若手を募集していますから、若さをアピールすることで十分に勝負することができますね。
ただ、先述の通り、前向きな転職理由を伝えなくてはいけません。
第二新卒は有利だとしても、ポジティブに考えていない人は、ポテンシャルを期待してもらうことはできないでしょう。
ただの意志の弱い人間だと思われないように、面接官を納得させることを意識してください。
第二新卒の転職なら転職エージェントを利用しよう
社会人1年目で転職するなら、転職エージェントを使うことをおすすめします。
専任のキャリアアドバイザーが付いてくれるので、転職活動のあらゆるサポートをしてくれますよ。
特に、社会経験が浅いうちは、自分が何をしたいのかが分からない人が多いです。
そのまま転職活動をしても、満足のいく会社には入れません。
転職エージェントではキャリアカウンセリングを行ってくれるので、自分に向いている仕事を明確にすることができます。
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先に会社を辞めると経済的に苦しくなるため、転職エージェントを使って在職中に次の会社を決めた方が良いです。
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