ニュースやワイドショーなどで頻繁に取り上げられるようになってから、「ブラック企業」という名前は一般にも浸透してきましたね。
違法な長時間労働や低賃金で従業員を酷使して、労働力を搾取する悪徳な企業です。
表向きは普通の企業に見えるため、騙されて入社してしまう人が後を絶ちません。
一度入るとなかなか辞めさせてもらえないので、心身ともに疲弊してしまって追い詰められている人は多いでしょう。
でも、会社を辞める権利は誰にでもありますから、会社から引き留められたとしても退職することはできますよ。
ここでは、ブラック企業から逃げ出すために必要なことを紹介していきます。
目次
ブラック企業で働いても疲弊するだけ
連日のサービス残業で体を酷使する
なぜ、ブラック企業から逃げる形になっても、退職すべきなのでしょうか。
それは、ブラック企業で働くことは、あなたの人生において何もプラスにならず、むしろ疲弊するだけだからです。
ブラック企業の特徴として、残業時間の多さがまず特徴に挙げられます。
膨大な仕事、退職・休職していく同僚、その結果、日々多くなっていく仕事量に対応するために、当たり前のようにサービス残業が横行している現状があるわけです。
連日、意識が朦朧とするほど働かされていく中で、体は酷使され倒れしてまったり長期的に社会復帰できないほど体調を崩してしまう可能性もあります。
体を壊してしまったら再就職も難しくなりますし、自分の将来のキャリアプランに大きな傷がついてしまうことになるでしょう。
上司によるパワハラで精神的に追い詰められる
他にも、ブラック企業の悪質な部分が、過剰な体育会系の社風です。
先輩・上司のいうことは絶対であり、頻繁に理不尽な要求をされることがあります。
先述した残業の強要に加え、理不尽なノルマの達成に向けて毎日詰められたりなど、日々のパワハラにより精神的に追いつめられてしまうのです。
仮に、ノルマを達成しても、翌月にはさらに大きなノルマを課さられるので、最終的には潰されてしまいます。
ブラック企業は利益を出すことしか考えていませんから、従業員がどうなろうとも利益を出し続けることを求められるんですね。
こんな環境では誰でも耐えられませんし、精神的に追い詰められてしまうだけでしょう。
社訓を大声で叫ばされ洗脳される
ブラック企業には、宗教的な側面も存在します。
閉鎖的な環境で連帯意識を持たせることにより、従業員が会社に献身的に尽くすように洗脳していくのです。
その最たる例が、社訓の斉唱でしょう。
朝会などを毎日開き、上司が納得のいくまで大声で社訓を叫ばされます。
毎日社訓を大声で叫んでいるうちに、考える脳が麻痺し、次第に会社のために尽力することが義務だと思うように洗脳していくのです。
その結果、自分の身を削ってでも会社に貢献することに必死になり、朝から晩まで会社に奉仕し続ける毎日を過ごすことになります。
有給があっても取得できない
ブラック企業の場合、従業員は会社のためにプライベートをも犠牲にすることを強いられます。
その一つが、有給を全く取得できないということです。
もちろん会社という形を取っていますので、ブラック企業といえども有給は存在します。
しかし、有給を取るということが、社風として許されていないのです。
「有給を取らない」ということは暗黙の了解となっており、もし有給を取ったりでもすれば、後日先輩・上司から悪質な嫌がらせを受けてしまう可能性さえあるため誰も有給を取得できません。
有給があっても使えないので、制度として形骸化してしまっているということですね。
飲み会で一気飲みや一発芸を強要される
そして、パワハラは業務時間後も続きます。
ブラック企業では、飲み会での一気飲みや一発芸の強要が当たり前になっているわけです。
下の者が上の者を楽しませるために体を張るのは当たり前という文化がはびこっており、どんなにお酒が弱くても一気飲みを強要され、どんなに人前に出るのが苦手でも一発芸をさせられます。
こういった雰囲気に慣れている体育会系の人なら良いですが、文科系でノリについていけない人にとっては、かなり苦痛の時間になりますね。
夜遅くまで働かされた挙句、飲み会まで強制的に参加させられると、寝る時間がありません。
会社の拘束時間が非常に長くなるため、プライベートが無くなってしまいます。
ブラック企業から逃げ出すことはできる
民法では労働者に雇用関係を解消する権利が認められている
このように、心身ともに追い詰められると、もはやブラック企業からは逃れられないと諦めてしまうかもしれません。
しかし、ブラック企業から逃げ出すことは可能です。
まず第一に、民法では労働者に雇用関係を解除する権利が認められています。
民法では期間の定めのない雇用契約については、解約の申し入れ後、2週間(ただし、月給制の場合は、当該賃金計算期間の前半に申し入れて下さい。)で終了することとなっており、会社の同意がなければ退職できないというものではありません。(民法第627条)
引用:大阪労働局
どんな理由があっても、2週間前に退職の旨を伝えれば退職することができるんですね。
会社に拒否権はありませんから、一方的に辞めることができます。
辞められないというのは自分の思い込みなので、退職の権利があることは知っておいてください。
退職時に損害賠償を請求されても支払う義務はない
このような形で辞めるときに、ブラック企業の中には「訴えるから」と脅してくる場合もあります。
具体的に損害賠償として提示する金額について言及するなど、精神的にあなたを追い詰め、なんとしてでも辞めさせないとしてくる企業もあるでしょう。
しかし、安心してほしいのは、退職時に損害賠償を請求されても支払う義務はないということです。
もちろん、あなたに勤務態度上の落ち度や大きな問題があれば別ですが、基本的にブラック企業が退職時に請求してくる損害賠償は言いがかりでしかありません。
そのため、ブラック企業に請求される損害賠償に怯える必要は無いのです。
損害賠償について脅されたとしても、支払う必要はないので毅然とした態度で立ち向かうようにしてください。
日本では職業選択の自由が保障されているので、会社を辞めるときに制限されることは無いわけです。
明らかに会社の違法行為なので、負けないようにしてください。
退職による損害賠償請求は違法ですし、犯罪行為などをしない限り懲戒解雇にもできません。
辞めたいと思った時に辞めるのが正解
つまり、辞めたあとのことを考えて辞めるのを戸惑うのではなく、辞めたいと思った時すぐに辞めてしまうのがブラック企業の辞め方としては正解ということです。
ブラック企業で働いても得られるスキルは少ないですし、迷っている時間がもったいないでしょう。
すぐに辞めてしまって次の会社へ移った方が、生産的だと思います。
先述したように、心身ともに追い込まれ続けた結果、長期的に社会復帰ができなくなるような状態になる前に、会社が異常だと思った瞬間にすぐ辞めてしまうことをオススメします。
未払い残業代や慰謝料なども請求できる
タイムカードのコピーなど労働時間の証明を残しておく
むしろ辞めるときは、それまでの酷い扱いに対して代償を求めることをオススメします。
未払い残業代や慰謝料の請求をすることで、それまでの不当な扱いのツケを支払ってもらいましょう。
支払いをしてもらうためにまず大事なのは、タイムカードのコピーなど労働時間の証明を残しておくことです。
過去の判例でも、出社退社時間をメモをしておいたことで未払い残業代を請求できた事例もあります。
残業の証拠を残しておくと、それまでの残業代を請求することができますよ。
数年単位で働いていたら相当な金額になるはずですし、退職後の生活費に充てることができるでしょう。
証拠がないと何も請求できませんから、日頃から集めておくようにしてください。
残業時間中の労働内容を証明するものを用意する
そしてメモを残す際は、残業時間中の労働内容についても記載しておくことをオススメします。
退社時間の記録だけだと、会社に残って遊んでいただけと判断されると残業代の請求ができません。
労働していたことを証明できなければ、残業代は支払われないわけです。
なので、労働内容のメモなどを残しておくようにしましょう。
書類のコピーなどは情報漏洩につながるので、法に抵触しない程度に仕事の概要をまとめておくようにしてください。
こうすることで、スムーズに残業代の支払いを請求することができます。
パワハラの音声などを録っておくと慰謝料を請求できることもある
精神的に大きな被害を被ったパワハラに対しても、それ相応の対価を支払ってもらいたいですよね。
パワハラについて慰謝料を請求するために最も有効なのが、パワハラ現場の証拠です。
その証拠として非常に有効なのが、音声録音でしょう。
録音機でもいいですが、最近ですとスマホに録音機能がついていると思います。
上司に呼び出されたときなど、これからパワハラが始まりそうと思った少し前に録音ボタンをONにしておけば、慰謝料請求の決め手となる証拠音源データが手に入るかもしれません。
発言内容のメモだけだと、どのように言ったのかというニュアンスが伝わらないため、パワハラだと認定されない可能性があります。
音声だと状況が丸わかりですから、パワハラの証拠としては最適です。
パワハラにより怪我・精神疾患になったら診断書を取っておく
中にはパワハラにより、怪我・精神疾患にかかってしまった人がいるかもしれません。
その際は必ず診断書を録っておくようにしてください。
慰謝料の請求をする際には、何かしら証拠品があることが大きな武器になります。
とりわけ実際に医者にかかっていたということは、パワハラを立証する大きな証拠となるため、関連しそうなものはどんな些細なものでも記録・保存しておきましょう。
外的な怪我ならともかく、精神的な疾患は外部からの判定ができません。
医師の診断書がないと説得材料が無いので、うつ病などの精神疾患が疑われるなら、必ず病院で診察を受けるようにしてください。
ブラック企業から逃げるための具体的なプロセス
上司に毅然とした態度で退職の旨を伝える
最後にブラック企業から逃げるための具体的なプロセスについて解説します。
まず第一に、退職の意思を明確に伝えることです。
ブラック企業は従業員を自分たちの都合がいいように扱うことに長けていますので、弱気で曖昧な主張を全て退けてしまいます。
なので、もう退職をすると覚悟したら、その会社には二度と関わらないことは分かっているので、最後の勇気を振り絞って上司に毅然とした態度で退職の旨を伝えることが大事です。
あの手この手で引き留めようとしてきますが、ハッキリと断りを入れるようにしてください。
あなたの覚悟が伝われば、その後の退職交渉が進めやすくなります。
家庭の事情などやむを得ない退職理由を伝えるのが良い
もちろん、正直に「とにかく辞めたい」と伝えるだけでは、中々退職交渉は前に進みません。
なので、会社側も仕方ないと思えるような退職理由を用意しておきましょう。
有効な退職理由の一つが、「家族の事情」です。
介護や家業の手伝いなど、自分が辞められないことで周囲の人間に大きな損害が発生してしまうという理由であれば、企業もあなたを責めきれません。
会社が引き留めにくい理由を考えておけば、退職交渉はスムーズにいくはずです。
認められないなら内容証明郵便で退職届を会社に送付する
もし会社と話し合っても退職を認めてくれないようであれば、内容証明便で退職届を会社に送付してしまいましょう。
内容証明便とは、「誰が、誰宛に、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」を郵便局が証明してくれるというものです。
これにより企業が退職の意思を受理していないと言い張っても、郵便局が退職届を会社に届けたことを証明してくれるため、会社に退職を届けた証明ができます。
翌日から有給を取得すれば2週間後に自動的に退職となる
内容証明便を送付してしまえば、あとは有給を取って会社に出社しなければいいだけです。
先述の通り、退職の意向を示せば2週間後には雇用契約の解除が可能です。
内容証明郵便を送付してから有給を申請すれば、後は会社に行かなくても自動的に退職できることになります。
かなり強引なやり方ですが、違法な行為ではありません。
どうしても会社が納得してくれない場合、最後の手段として行うようにしてください。
ブラック企業から逃げるには転職エージェントを利用しよう
ブラック企業で働いている人は、一刻も早く逃げ出したい気持ちが強くて、辞めた後のことを何も考えていないことが多いです。
夜遅くまで働かされているので転職活動をする暇が無く、次の職場が決まっていないのに会社を辞めてしまいます。
それだと、なかなか再就職が決まらずに、無職の期間が長引いてしまうことがあるでしょう。
内定が出ないことに焦ってしまい、大して興味のない会社に入ってしまう人もいますね。
満足のいく転職ができなければ、短期間で転職を繰り返すジョブホッパーになってしまいます。
そこで、転職エージェントを利用することをおススメします。
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