「会社へ行きたくない」とか「仕事を辞めたい」といった考えは、誰でも思ったことがあるはずです。
給料が安すぎるとか、待遇が悪すぎるとか、理由は色々ですよね。
でも、一時的な感情で辞めてしまうと、あとで後悔するかもしれません。
収入が無くなると生活ができないので、冷静になって考え直す必要があるでしょう。
ここでは、仕事を辞めたくなったときに、考えるべきことを紹介していきます。
目次
会社を辞める人は珍しくない
一昔前までは、終身雇用が普通だったので会社を辞める人は、そこまで多くありませんでした。
企業も中途採用に力を入れていなかったため、一度は言った会社を辞めてしまうと次の職を見つけにくいという状況もありましたね。
でも、最近では仕事を辞めるのは珍しくなく、数年ごとに転職を繰り返すジョブホッパーの人も増えています。
実際に、平成27年においては、一般職・パート合わせて713万人以上が仕事を辞めているようです。

参照:厚生労働省
毎年の離職率も15%前後をキープしていますから、会社を辞めるのは普通のことだといえるでしょう。

参照:厚生労働省
転職市場は活況なので再就職は難しくない
仕事を辞めて転職するのが当たり前になったので、中途採用に力を入れる企業も増えてきました。
転職サイト「DODA」が行った調査によると、転職求人の数は毎月のように増え続けているようです。

参照:DODA
求人倍率は2.5%前後をキープしていて、求職者よりも求人募集の方がはるかに多くなっています。
完全に売り手市場ですから、仕事を辞めたとしても再就職は難しくなさそうですね。
ただし、勢いだけで今の会社を辞めてはいけません。
何かの不満があって退職しても、次の職場で同じような不満を持つ可能性があるからです。
今の職場で問題があるなら、それは本当に解決できないのかを考えましょう。
自分の努力で問題を改善できるように、最低限の努力はしないといけません。
なぜ仕事を辞めるのか?退職を決意した理由ランキング
会社を辞める時の理由は様々ですが、アンケートを取ってみるといくつかのパターンがあることが分かりました。
転職サイト「エン・ジャパン」の調査によると、退職を考えたキッカケは以下のようになっています。

参照:エン・ジャパン
- 給料が低かった(46%)
- 評価や人事制度に不満があった(37%)
- 残業や休日出勤が多くて辛かった(28%)
- 業界や会社の将来が不安になった(27%)
- 人間関係が上手くいかなかった(24%)
複数回答可なので一番の理由ではないでしょうが、トップ5は上記の通りです。
誰でも、心当たりがあるんじゃないでしょうか?
でも、このような不満は、どこの会社でも少なからず感じると思います。
給料が高くて正当な評価が受けられて、労働時間も短くて将来性が抜群で、人間関係も素晴らしい会社なんて、探しても見つからないでしょう。
ある程度の不満は我慢するべきでしょうし、本当に辞めるべき理由なのかを吟味しないといけません。
不満への対処法を知っておかなければ、短期間で転職を繰り返してしまいキャリアを汚すだけです。
辞めたいと思った時に考えるべきこと
転職するほど給料は下がってしまう
先述の通り、退職を考えるキッカケの1位は、「給料が安い」ということでした。
つまり、年収アップを求めて転職をする人が多いということです。
でも、転職によって年収をアップさせるのは、簡単なことではありません。
「@type」が行った調査によると、年収が最もアップしやすいのが転職回数1回で、次に転職0回という結果でした。
それ以降は、転職回数が増えるほど、年収は下がっています。

参照:@type
給料が安いから会社を辞めたのに、転職したらもっと収入が下がったら目も当てられません。
だから、退職するのであれば、市場価値の高いスキルを身に付けてからの方が良いでしょう。
自分の価値を高めておかないと、思うような収入アップは難しいと思います。
評価への不満は採点基準を理解していないから
「すごく努力をしているのに、会社は自分を全く評価してくれない。」
このような不満を抱えて、退職を考えている人がいると思います。
でも、あなたがしている努力は、会社が求めている努力なのでしょうか?
これを勘違いしていると、いつまでも評価されることは無いでしょう。
たとえば、協調性を重視する会社なのに、自分の成績ばかりを求めてスタンドプレーに走るといったことです。
仮に、トップクラスの成績だったとしても、思うような評価は得られません。
だから、会社は何を基準に社員を評価しているのかを知ってください。
会社の求める人物像になる努力をすれば、自然と自分の評価は上がってくるはずです。
正しい評価のされ方を知っていないと、どこの企業へ入っても通用しません。
安易にブラック企業だと判断しない
残業や休日出勤が多いだけで、自分の会社をブラック企業だと判断する人がいます。
そもそも、ブラック企業を定義する明確な基準はありません。
企業は顧客のために価値を提供するのが仕事なので、それによって残業や休日の日数は変わってきます。
だから、白でも黒でもないグレー企業であることがほとんどですね。
今の状況を否定したいがために、ブラック企業だと思いたくなるのかもしれません。
労働環境が嫌で退職したとしても、次の会社でプラスの評価はしてもらえないでしょう。
現在の会社で何かしらのスキルを身に付けていないなら、まだ辞めるべきではないですね。
転職市場では、これまでのキャリアが重要視されます。
つまり、今までどんな会社でどんなスキルを身に付けてきたのかということです。
胸を張って「○○のスキルを身に付けた」と言えないうちは、その会社を辞めるべきではありません。
ハードな仕事環境だとしても、それはスキルアップできるチャンスだと考えて下さい。
どんな状況でも学びはありますから、自分にとってプラスに変えられるようにしましょう。
会社の将来性は慎重に見極める
現在の業界や会社に、将来性を見いだせない場合もあるでしょう。
いつ倒産するかも分からない会社だと、毎日が不安で仕事に集中できませんよね。
そういった時には、退職を考えても良いと思います。
でも、将来性の見極めは、慎重に行わないといけません。
ビジネスというのは予測が難しいもので、ちょっとしたキッカケで業績がV字回復することだってあります。
赤字続きだった会社でも、大企業に買収されて復活した例は少なくありません。
辞める時期を誤ってしまうと、自分にとって大きなマイナスです。
また、本当に倒産が近い会社であれば、倒産まで待つのも良いでしょう。
自己都合退職か会社都合退職かで、その後の転職活動に影響するからです。
自己都合で会社を辞めた場合、面接の際にイメージが悪くなるかもしれません。
「仕事が嫌で辞めたんでしょ?」と思われてしまったら、それまでです。
でも、会社都合での退職なら、辞めたことへの言い訳になります。
転職への大義名分が立ちますから、堂々と活動することができるでしょう。
会社を辞める時期に関しては、よく考えてから決めるようにしてください。
人間関係の問題は転職で解決しないことが多い
人間関係で転職をする人は、次の会社でも同じ問題で悩みます。
なぜなら、人間関係のトラブルの多くは、両者に原因があることがほとんどだからです。
職場で孤立してしまったりするのは、自分にも原因があるということですね。
自分を変えることができなければ、何度転職をしても同じことです。
だから、会社のせいにするのではなく、自分にも問題があることを自覚しましょう。
その上で、本当に会社を辞めるべきなのかを考えてください。
自分だけで解決できないなら、身近な人に相談しても良いと思います。
客観的な視点で見てもらえれば、自分の何がダメなのかが分かるはずです。
信頼できる同僚や友達などに、相談をしてみてください。
また、今の状況が修復不可能なときは、他の部署への異動ができないかを人事部に聞いてみましょう。
これなら、無駄な転職をしなくてもよくなります。
ただ、自分の問題点を明確にして、それを修正することを意識してくださいね。
そうしなければ、部署を移動しても同じ結果となってしまいます。
会社を辞めることによるリスクを考える
今の会社を辞めるということは、色々なリスクを伴います。
誰もが当てはまる例としては、以下のようなものがありますね。
- 収入が無くなってしまう
- 社会保障の切り替えや税金の納付などの手続きがある
- 自分の理想とする会社に転職できるとは限らない
他にも、家族や親族などから反対されたり、キャリアプランが崩れるなどのリスクがあるかもしれません。
辞めたいという気持ちが高まると、視野が狭くなってしまいがちです。
会社を辞める以外の選択肢が見えなくなるので、道を間違える可能性が高くなりますね。
なので、少し時間を空けたり、他人に相談してみたりして、冷静に判断できるようにしてください。
会社を辞めるまでにやっておくべきこと
今の職場で実績を作る
どうせ辞めるのであれば、その会社で何かの実績を出してからにして下さい。
しっかりと会社に貢献して、形に残る結果を出す必要があります。
そうすれば、転職活動時にも職務経歴書でアピールできますし、自分の中で達成感を得ることができるでしょう。
何の実績もないのに辞めてしまうのは、単なる逃げだと思います。
会社を辞めるのは逃げの手段ではなく、次のステージへのステップアップだと考えるようにしてください。
自分の市場価値を理解しておく
自分の価値を分からずに転職活動をすると、高い確率で失敗してしまいます。
どのレベルの会社に応募するべきかや、適切な自分の売り方も分からないからです。
高すぎるレベルの会社に応募すると不採用になりやすいですし、レベルの低い会社だと能力を活かし切ることができません。
自分のスキルに丁度あった会社に入らないと、転職に成功したとは言えないでしょう。
なので、自分の市場価値をあらかじめ調べておく必要があります。
自分の価値が分かると、応募するべき企業や想定年収などを知ることができますね。
スムーズに転職を進めることができるので、しっかりと調べておいてください。
ミイダスというサービスなら、簡単に自分の市場価値を調べられますよ。
ミイダス
ミイダスは、自分の市場価値を調べることができるサービスです。
200万人以上の年収と転職実績データが登録されていて、自分と同じ職種の平均年収や同じ経歴の人の転職状況を知ることができます。
つまり、自分が転職するなら、どのレベルの企業に入ってどれくらいの年収をもらえるかが分かるわけです。
また、自分の情報を登録するだけで企業からオファーが届くので、書類選考をパスして確実に面接を受けることができます。
優良企業10,000社に自分の情報を見てもらえますから、きっと理想的な企業からのオファーが届くはずです。
自分がどれくらいの価値があるのか分からない人は、ミイダスに登録すればおおよそのレベルが分かりますよ。
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自分の業界で役立つ資格を取得しておく
在職中に資格を取得しておけば、転職時に優遇される可能性が高いです。
履歴書に書くことができますし、前向きに仕事へ取り組んでいるアピールにもなります。
仕事を辞めてからでも資格は取れますが、キャリアに空白期間ができるのはマイナスです。
スムーズに転職を考えているのなら、辞める前に資格を取っておくことが望ましいですね。
汎用性の高いスキルを伸ばしておく
他の分野にも生かせるスキルを磨いておくと、転職市場で価値を上げることができます。
最もポピュラーなスキルとしては、英語力がありますね。
TOEICなどで高得点を出しておけば、評価してくれる企業は多いです。
他には、簿記検定やファイナンシャルプランナーなどもおススメでしょう。
今の会社にいるうちに、少しでも自分の価値を高められるように工夫をしてください。
色々な人の意見を聞く
辞めるべきかどうかで迷っているなら、周りの人に相談をしましょう。
自分一人で考えていると、偏った思考になりがちです。
同僚や先輩、家族や友達など、社内外の人たちの意見を聞くことで、客観的に考えることができます。
自分の思い込みだけで行動するのはリスクが高いですから、第三者の意見も積極的に取り入れるようにしてください。
転職のプロに今後のキャリアについて相談しよう
会社を辞める前に、これからのキャリアについて考えなくてはいけません。
転職するなら同業種か異業種か、自分のスキルが他社で通用するのか、10年後にはどうなっていたいかなど、考えるべきことはたくさんあります。
これを明確にせずに転職をすると、間違った方向へ進んでしまうでしょう。
自分に向いていない仕事を続けることになったり、結果を出すことができずに挫折したり、思うようなポジションに就けないということになります。
だから、よく考えて方向性を明確にしてから、会社を辞めるようにしてください。
そのために、転職エージェントを利用することをおすすめします。
プロのキャリアアドバイザーに相談することができるので、今後のキャリアについて助言を聞くことができるでしょう。
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最新の業界動向なども分かりますから、5年・10年先を見越した転職をすることができるはずです。
今の仕事に不満を感じている場合に、一度相談してみると良いでしょう。
これからキャリアを築き上げていく中で、重要なヒントが得られると思います。
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