ブラック企業で働くことによる過労自殺などがニュースとなって、社会問題化していますね。
政府も働き方改革を推奨していますが、社会全体でブラック企業が減っているわけではありません。
そのため、労働待遇の良いホワイト企業に憧れて、転職を考える人は増えています。
少ない労働時間と満足のいく給料、十分な休日日数があれば、プライベートを充実させることができるはずです。
ただ、まだまだホワイト企業に入社するのは門戸が狭く、手軽に転職できるわけではありません。
ホワイトな環境は限られた一部の企業しかありませんから、応募するライバルも多く非常に厳しい競争となっているわけです。
しかし、実は意外と知られてないホワイト企業の落とし穴も存在します。
運良くホワイト企業へ転職できたとしても、理想とのギャップを感じて落胆してしまうケースも少なくないのです。
ちゃんと理解した上で転職しないと、思わぬ損をすることになるでしょう。
今回は、ホワイト企業へ転職しても後悔する人がいる理由について解説します。
目次
ホワイト企業とは何か
ブラック企業との違いは法令を遵守しているか
そもそも、ホワイト企業の定義とは何でしょうか。
よくメディアで騒がれるブラック企業の逆ということではありますが、ブラック企業との違いは法令を遵守しているか否かという点にあるようです。
ブラック企業についてニュースで目にすることが多いのは、厚生労働省が労働基準法などの労働基準関係法令に違反したとして書類送検を行っているケース。
ホワイト企業とはかけ離れすぎている例ではありますが、ホワイト企業はこの労働基準法を着実に守っている、もしくはその基準を遥かに上回って働きやすい環境を提供しています。
少ない残業や自由に有給が取れるなど働きやすい環境
そしてホワイト企業といえば、少ない残業や自由に有給が取れるなど働きやすい環境で有名です。
先述した労働基準法とは、主に労働時間に関する決まりを決めた法律です。
つまり、人間が人間らしい生活をするために、過度な労働を抑制するための法律とも言えると思います。
ホワイト企業はこの決まりを忠実に遵守し、更には従業員も驚くほど残業や有給取得について細かな気配りを見せてくれるのです。
従業員の満足度が高いので離職率が低い
ホワイト企業の特徴のもう一つとして、離職率が低いことが挙げられます。
働く環境にほとんど不満がないがゆえに、転職する理由が従業員にはないんですね。
離職者が少ないために教育コストは最小限ですし、従業員のモチベーションも下がらないので高い生産性を確保しています。
反対にブラック企業では、自主的な退職以外にも過労で働けなくなってやむを得ず退職する方も多く、総じて退職率が高くなっているのです。
人の入れ替わりが激しいので教育の手間が掛かり、生産性が低いために労働時間が長くなるという悪循環が止まりません。
ホワイト企業でも万人が働きやすいわけではない
労働環境が良くても自分の求める働き方ができないと意味がない
しかし、ホワイト企業でも万人が働きやすいとは限りません。
なぜなら、労働環境が良くても自分の求める働き方ができないかもしれないからです。
例えば、若い頃は長時間労働でもなんでもバリバリやって、早く実力をつけたい人がいるとします。
でも、ホワイト企業では労働時間に非常に厳しいため、いくら追加で仕事がしたくても、任せてもらうことは難しいでしょう。
また、周りの人達もどちらかというと緩く働きたい人が多く、自分の存在だけ浮いてしまうということにもなりかねません。
自分の求める働き方と仕事環境にギャップがあると、それがストレスとなってしまいます。
ある部分はホワイトでも別の部分がブラックの企業も多い
また、すべての側面でホワイトな環境の企業は少ないことにも注意が必要です。
世間に公表されている数値(平均残業時間・有給取得率・退職率)は素晴らしく、本当にみなさん労働環境には満足している。
しかし、先述したように退職率が低い分、昔ながらの性分を有した中堅世代も多く存在し、実は職場ではパワハラが横行しているなんて話もよくあるのです。
平日は残業なしだけれども祝祭日は出勤しないといけなかったり、ノルマが無くプレッシャーが少ないが給料が安い会社などもありますね。
ホワイト企業だから全てがホワイトというわけではなく、部分的にブラックであることは少なくありません。
全体を通してみるとグレーな会社がほとんどなので、自分がどこまで許容できるのかを考えておかないといけないでしょう。
ホワイト企業では短時間で結果を出すことが求められる
また、多くの人が気づかない盲点として、ホワイト企業は結果を出すまでの猶予が少ないです。
ホワイト企業は基本的には優良企業が多く、市場でも売上・利益をしっかりと出しています。
そのため、一般の会社に比べても仕事量は多いです。
しかし、ホワイト企業は従業員に残業をさせないことを徹底していますので、あくまで通常勤務時間内で、他社と比較しても多い仕事量を完了させなければいけないのです。
そのため、他社では少し気を抜きつつ残業しながらもこなしている仕事を、より短時間で効率よく結果を出すように求められます。
これも、人によっては合わない点になるでしょう。
ホワイト企業へ転職するときの心構え
自分が転職に求めるものを明確にしておく
ホワイト企業へ転職する際には、自分の求める希望を明確にすることが大切です。
もちろん、一般的な転職でも非常に重要なことですが、「ホワイト企業に行きたい!」と思っている方にこそ自分が転職に求めるものを明確にしておくことをオススメします。
それは、「ホワイト企業は良い会社である」と思い込みすぎて、ホワイト企業への転職ということ以外に思考が働いていないケースを多々見るからです。
一例としては、条件の良い会社でバリバリ働きたいと考え、条件が良いというところでホワイト企業を選んだものの、先述したように良くも悪くも残業ができないため、自分が理想としていた「バリバリ」という部分が叶えられないケース。
上記では、実は自分のやりたいことは「バリバリ=自分の限界を超えるほど働き倒してみたい」という意味だったのに、その深掘りをせずに、「条件の良い」というところに引っ張られすぎて、大して考えずにホワイト企業に転職してしまったケースです。
このように、何となくホワイト企業を選んでしまうと、せっかくの転職が失敗してしまうケースがあります。
必ず、転職活動が本格化する前に、自分が転職に求めるものを明確にしておきましょう。
会社の規模やネームバリューでなく中身で判断する
次に大事なのが、会社の名前だけで判断しないということです。
ホワイト企業というと、どうしても大きな会社やネームバリューがあるところに目が行きがちですね。
もちろん有名な会社には良い会社が多いですが、必ずしもホワイト企業とも限りません。
世の中には、名前が知られてない超優良企業がたくさんあります。
また、ネームバリューがあるところは何となく周りにチヤホヤされて嬉しいものですが、チヤホヤされる場面など数えるほどしかありません。
大事なのは、「自分が働いていて楽しいのか」、ここに尽きます。
そうなったときに、会社の社風や事業内容など、より会社の実情がわかるところまで情報を取りに行った上で会社選びをするべきなのです。
できるだけ多くの会社の求人を比較してみる
最後は、多くの求人の選択肢を用意して比較するということです。
決め打ちで求人を選んでしまうと、どうしても視野が狭くなってしまいがちです。
他社と比較をしなければ、その求人が本当に良い求人かはわかりません。
また、最終的な条件交渉時に1社からの内定しかもらっていないと、すこし納得の行かない条件でも承諾をしてしまい、あとで後悔をするということも多々あります。
常に比較できる他の会社の求人を保有しながら、気持ちに余裕を持って転職活動を行いましょう。
ホワイト企業を見分ける方法
それでは、ホワイト企業を見分ける方法について解説をします。
企業の実態は入社してみないと分からないのですが、外からでも見分けるための方法はあります。
この方法を知っていれば、数ある求人情報の中からホワイト企業を見つけることができるでしょう。
出産・育児休暇など女性に優しい制度が充実しているか
まずは、ホワイト企業の多くは、従業員満足度を高めるために女性に優しい制度を充実させる傾向にあります。
たとえば、出産・育児休暇などの制度のことですね。
多くの会社では年間休日や住宅手当など、全ての人が喜びそうな福利厚生をアピール求職者にアピールしています。
しかし、女性に対する福利厚生は後回しになってしまいがちです。
一般的な福利厚生は網羅しつつ、出産・育児休暇など女性の福利厚生にまで目が行き届いているのがホワイト企業の1つの目安なんですね。
他にも、一般企業が導入していないユニークな制度があると、その企業は従業員を大切にしているホワイトである可能性が高いといえるでしょう。
有給消化率や離職率のデータを公開しているかどうか
また、普通なら出したくないようなデータを公開していることも大切です。
先述したように、ホワイト企業は少ない残業や自由に有給が取れる環境が自慢といえます。
そして、世の中には口では残業が少ない・自由に有給が取れるとうたっていますが、有給消化率を公表している会社は非常に少ないです。
有給消化率をひとつの目標数値として置き、かつそれを世の中に公表できるのは、ホワイト企業である証の1つ。
また、離職率のデータも非常に重要ですね。
残業が少ない・有給消化率が高いといっても離職率が意外と高い企業も存在します。
よくあるのが歴史ある会社で、縦社会が未だに横行している会社ですね。
一般的な労働環境は良いのですが、パワハラなどが横行しており、離職率が意外と高いということもありえます。
データを正直に公開する企業は自信がある証拠ですから、ホワイト企業である可能性が高いでしょう。
在宅勤務やフレックスタイム制など働き方のバリエーションがあるか
働き方のバリエーションが豊富な企業も、ホワイトであることが多いですね。
ホワイト企業は従業員の働きやすさを重視しますので、各々の事情を考慮して様々な選択肢を用意してくれます。
その中でも在宅勤務・フレックスタイム制など、企業側からすると管理が非常に難しい制度も、従業員目線で取り入れて実行してくれているのです。
求人情報を見る際には、様々な働き方が提案されているかを確認してください。
セミナーや研修などで人材の育成に力を入れているか
次に、教育制度に力を入れているのかも重要な要素です。
ホワイト企業は、従業員への投資も惜しみません。
そのため、従業員が成長する機会として、セミナーや研修を充実させているケースをよく目にします。
この投資が従業員の能力を引き上げ、より生産性高く働けることによって、ホワイトな働き方(残業が少ない・休みが取りやすい)の実現につながっているのです。
会社のホームページなどを見ると、セミナーや研修の様子が写真付きで掲載されていることがあります。
そういった情報が多い会社ほど、人材の育成を重要視しているといえますね。
一方、ブラック企業では人材を使い捨てにするために、全くと言っていいほど教育システムがありません。
使えない人間は容赦なく切り捨てていき、使える人材だけを残すといった考えだからですね。
そんなところで働いても得るものはありませんから、教育制度の有無は非常に大切でしょう。
企業理念や求人情報に「夢」「やりがい」などの精神論が並んでいないか
最後の見極めポイントは、大げさな精神論を並べていないかということです。
ブラック企業ほど、精神論を盾に従業員をこき使う傾向にあります。
「夢の実現のために」「やりがいをもって働こう」など、抽象的な言葉でごまかし働かせ続けるのです。
厳しい環境が人を成長させるという風に洗脳することで、労働力を搾取しようと考えているんですね。
労働環境が劣悪な会社ほど、精神論を並べて誤魔化そうとします。
まともな企業は精神論ではなく、もっと現実的なビジネスプランを持っているはずです。
ちゃんと儲かっている会社はクリーンな労働環境ですし、やましいことは無いので精神論を振りかざす必要もありません。
求人情報や企業理念に抽象的な言葉が多い場合は、注意した方が良いでしょう。
自分に合ったホワイト企業を見つけるなら転職エージェントを使うべき
これまでホワイト企業の見分け方を紹介しましたが、これでも完ぺきとは言えません。
実際に入社してみないと詳しい実態は分からないので、外部の情報だけで判断するのには限界があるからです。
また、その会社がホワイトであったとしても、自分が求めるものと違っていることもあります。
最適な会社選びは人によって異なるため、正解を出すのが難しいわけです。
そこで、転職エージェントを利用することをおススメします。
キャリアアドバイザーにカウンセリングしてもらうことで、自分が求める理想的な会社の求人を紹介してもらうことができるはずです。
担当するアドバイザがーは各業界に精通していますし、企業ごとの内情も知り尽くしています。
労働時間や福利厚生の内容、職場の人間関係まで、あらゆる情報を提供してくれるので正しく企業を見極めることができるでしょう。
入社してから理想と違っていたというリスクを無くせますから、安心して転職することができるはずです。
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